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聖なる怪物たち 第7話

第7話



「三恵は輸血が間に合わなくて死んだんでしょう?」
という篤志の言葉を聞いた健吾は、大久保記念病院に戻り、
手術の際に本当に正しい血液が輸血されていたかを
春日井に確認。だが春日井は、健吾の指摘を否定!
さらに「三恵さんが亡くなったのはあなたが未熟だったから」
と…。道を誤ったのは誰なのか!?



『人は 皆 嘘をつく。

 何一つ 包み 隠さず

生きられようはずがないから。

 しかし一つ ついた嘘を包むため

 多くの嘘が必要になる。

 嘘を消すには 嘘と真実を

 すり替えてしまえばいいのだ。

 ただ それだけの事。』



優佳のところへやってきた健吾。

「また その話ですか…。

 立ち止まるのが好きなんですねえ。

 まだ 若いにもかかわらず。」

「どうして 有馬三恵さんが急変したのか

 それを知るのは 重要な事です。」

「医師としての今のあなたに

 過去に 目を奪われてる余裕などないはず。」

「いいえ。 僕は これを避けては

 医師として進めません。

 新たな情報を得ました。

 三恵さんは特殊な血液型だったそうです。

 三恵さんが亡くなったのは

 輸血が原因という可能性が…。」

「ありません。」

「…なぜ?なぜ そう言い切れるんですか!?」

「平井さんが確認しています。

 聞いてみてください。血液型は O型プラス。

 それに もし 輸血が原因で亡くなったのだとしたら

 なぜ もっと早く急変しなかったのですか!?」

「そこなんですが…。」

「輸血は 手術開始前から行われていた。

  誤った血液が三恵さんに流れたのなら

 1時間以上も経ってから急変する事など ありえません!

 あなたは こう叫んでいるようにしか聞こえません。

 僕は 間違っていない…僕は 正しいオペをしたのに。

 きっと 誰かが間違えたんだ。僕は 殺していない…。」

「僕は ただ真実を…!」

「真実?

 そんなに 真実を知りたければ 

 言って差し上げましょう。

 三恵さんが亡くなった原因は…

 あなたが未熟だったから。

 それが あなたが

目を向けようとしていない

 真実の全てです。」


その会話をきいていた院長。

瑤子にさっきのことを確認する健吾。

「有馬三恵さんの血液型判定したのは 君?」

「ええ。」

「血液型は なんだった?」

「O型プラス… だったと思うわ。」

「間違いない?」

「間違いないわ。

 どうして 今さらそんな事を聞くの?」

「他に 何か変わった事 なかった?」

「変わった事って 何?」

「なんでもいい…

思い出す事があったら教えてくれ。」

「もう やめて!

 全部 終わったんだから。

 私と… あなたとの事も。」


最新医療機器が病院にはこばれてくるのを
みる健吾。

日向は慶林の塩野教授のパトロンだという言葉や
これからは慶林大学がここを全面支援するという話や
これ以上この件にかかわるなといった院長を思い出しました。

「あの日…やっぱり 何かあった。」

敏雄をたずねてきて
警察の名刺をみせる平井。

「警察の方が私に なんのご用ですか?

 申し訳ありませんがご用件を。

時間がないもので。」

「でしたら早速 本題を。

 3か月前の深夜

八王子の大久保記念病院というところで

 ある妊婦が 男の子を産んだ。

 おたくにも 男のお子さん生まれたそうですねえ。」

「そうですが… それが?」

「奥さんが 子を産む2日前なんです。

 大久保記念病院で男の子が生まれたの。

 しかも その妊婦は死んでいる。

 そしてその男の子は消えている。

 見た人がいるんですよ。

 大久保記念病院から

 赤ちゃんが連れて行かれるところを。

 どこ行っちゃったんでしょうね…

 その 連れて行かれた赤ちゃん。」

「本題は それですか?

 時間がないと言ったはずだ。

 あなたの銀行口座を教えなさい。」


「さすが 日向グループ御曹司。話…。」

「金額は?」

「まあ… このぐらい。」

指2本。

「いいでしょう。」

「なんせこの事が表に出れば

 日向家にとって一大スキャンダルだ。

 まあ このぐらいの価値は…。」

「これで いいですね?」

と振り込み画面をみせる敏雄。

「2億…。」

「あなたのような者に

 いつまでも

 つきまとわれるのは好きではない。

 遠慮なく 受け取ってください。」


「いいのか…?」

「構いません。

 ああ それからおたくの刑事部長に会ったら

 よろしくお伝えください。」

「え…?」

「退職されたら 政界に打って出られるそうで

 資金面でのバックアップを頼まれていましてねえ。

 日向が よろしく言っていたと。

 どうされましたか?

 さあ どうぞ 口座を。」

敏雄が黒い。

「すました顔しやがって…。

 いつか 面の皮 ひっぺがして本性さらしてやる…!」

帰っていく平井。
その帰りに希実代とすれ違いました。

あの女…。

「お義母様 あちら ご本家の

 来賓応接の間にいかがでしょう?」

「そうねえ…。」

「エレガントで お義母様がかけられたら 

 きっと 素敵ですわ。」

「そうねえ…。

 希実代さん。」

「はい。」

「あなたには 敏雄の再婚で

 心労 与えちゃったわね。」

「いいえ そんな事…。」

「ごめんなさいね。」

「どうか お気になさらずに…。

 こちらこそ 身の程をわきまえず出過ぎまして…。

 もう 立場は違うのに…。」

「希実代さんのしおらしさ…

 圭子さんも見習ってくれないかしら。」

「どうかされたんですの?」

「日向家の嫁にしたのは 間違いだったのかも。

 どんな育ち方をしたのかわからない女に

 日向家の跡継ぎを生ませてしまって…。」

「お義母様。」

「何?」

「その事で お義母様にお伝えしたい事があるんです。」

平井がみていた!

健吾のいる部屋にいきなりはいってきた教授。

「司馬健吾!!」

「…はい。

 なんでしょうか?」

「君は 大久保のところで 

 医療ミスを犯したそうじゃないか。」

「…は?」

「手術中 妊婦を死なせたんだってな。」

「確かに 患者は亡くなられました。

 しかし 正確な死因は…。」

「言い訳はいい!!

 それ以前にこの塩野の名の下で

 働く者が そんな大事件を隠し通そうとした。

 実に 不愉快だ。」

教授は言うだけ言ってでていきました。
大久保院長に電話したらしい。

「そうですか…でも ご心配なく。

 カルテも手術記録もこちらで押さえて

 外部には漏れませんから。

 ええ… では。」

電話をきった院長。

「司馬君 無期限の謹慎処分だそうだ。」

とそこにいた師長に伝えました。

「お手数おかけ致しました。」

「しかし 師長 これで 一人

 若手有望医師が 地に落ちましたなあ。

 司馬君 頑張ってたから

 なんか 良心の呵責っていうか…。」

「何を言ってほしいんですか?院長。」

「え?」

「勘違いなさらないでください。あなたも当事者です。

 もう 誰も あなたの背中をさする事はできません。」

「…はい。」

「これからは ご自分の行動 発言は

 全て ご自分で背負ってください。」

診察室に健吾の幻影をみる瑤子。
実際は竹内。

「今日 終わったら どう?

 また 医者が増えたから当直 まぬがれた。」

と患者がいるのに誘う医師。

瑤子は健吾のことを思い出し涙。

「健吾…。

 ごめん…!

 健吾…ごめんなさい…。」

血液型をきかれたことも思いだし
探しにいく瑤子。

ネットで血液型のことについて
調べる健吾。

「Rh Cもある。

 Rh mod。

 ボンベイ。

 珍しい血液型…こんなにあるのか。」

そこへ瑤子がたずねてきました。

「瑶子…!」

「捜してたもの。」

と封筒をおしつけてかえっていきました。
中には血液。

「これは あの日の有馬三恵さんの。」

三恵が珍しい血液型だと
言っていた本間の言葉を思い出し
水原を呼びだしました。

「裏口に呼び出されるなんて高校の時以来だ。

 それも バレンタインデーにな…。 

 え? お前まさか 俺にプレゼント…。」

「珍しい血液型らしいんです。

 水原先生 血液型に詳しい検査施設知りませんか?」

「んなもん…機材の揃った

 おたくの大学病院で 検査すりゃあ いいだろう。」

「それが できないんです。謹慎処分になっちゃって…。」

「ストップ。 聞きたくない。

 余計な事に首 突っ込むからだろう。」

「僕は 人としての責任を果たしたいんです。

 水原先生。」

「俺はな 青春ドラマみたいなのが大嫌いなんだよ。

 ああ 虫唾が走る!」

圭子の家にやってきた優佳。

「健康よ。 すくすく育ってる。」

「元気な子に生まれてよかった。

 育ててくれた三恵さんに 感謝しなくちゃね。

 姉さん。」

「ん?」

「最近 慶ね笑うと 敏雄さんに

 そっくりの顔する時があるの。」

「そう。」

「でも 泣くと…それも 機嫌悪くて泣きわめくと

 自分でも びっくりするくらい…私にそっくり。」

「そう。」

「大きくなったら慶は どっちに似るんだろうね。」

「男の子なんだから パパに似ないとね。」

「あら そんな事ないわ。

 ママ似の慶になるかもね〜?」

「圭子。」

「ん?」

「子供が生まれたんだから 
 
 これから先は ただの奥さんじゃ済まなくなる。

 わかるわよね。

 この家の重みが 

 あなたと この子に さらに重くのしかかってくる。」

「わかってるわ。」

「しっかりね。

 何があっても めげちゃ駄目よ。

 お母さんなんだから。

 ね?」

「うん。あっ。今 なんか 姉さんに似てた。」

「そう…。 」

「慶のおばさんだものね。」

病院。
事務員がもってきた検査報告書の中に
血液型検査の結果をみつけた優佳。

そこへ入ってきた水原。

「おお これだ これだ。3号室の患者さん。」

書類をもちだして外で健吾にあいました。

「ボンベイ型?」

「インドのボンベイで発見されたから ボンベイ型。

 俺も 昔聞いたかな? って感じだ。

 でな… このボンベイ型に 

 他の血液型を入れると 激しい溶血反応が出る。
 
 しかも ボンベイ型のややこしいのは

 手術室にある 血液型の検査キットで調べると…

 O型プラスの結果が出るそうだ。」

「O型 プラス…。」

「お前…この血液 どこで手に入れた?」

「それが…あの日 手術した妊婦さんの…。」

「おお いかん いかん。

 知りたくないんだった。 じゃあな。」

「ありがとうございました!本当に。」

「司馬。 気の済むまで

 走るつもりなんだろうけど

 ちゃんと戻ってこいよ。

 白衣着て。」


「はい!」

「おお…! 虫唾が走った。」

優佳、二人があっていたのを確認していました。

本間さんにあやまりにいった健吾。

「すみませんでした。

 三恵さんが稀な血液型だったとはいえ

 執刀した医師として 

 万全を尽くしていなかった。」

「いえ… ありがとうございます。

 そこまで調べてくださった事で 

 三恵の死に尊厳を与えてくれた。

 これ以上自分を責めないでください。

 元はと言えば 悪いのは私だ。

 三恵の事が好きだった。

 気持ちは決まっていた。

 三恵も待ってくれていた。

 それなのに…。

 今 思い返すと 三恵が不憫で…!

 冷めた妻との間で 世間体を気にして立場を

 にごしていた自分をぶん殴りたいです!

 司馬先生…本当に お世話になりました。

 三恵は 短い人生を終えた事は悔しいでしょうが
 
 最後に 先生のような人に

 命を見送ってもらった事を 

 幸せに感じてるはずです。」

本間さんの後ろ姿に
話しかける健吾。
本間さんにはきこえていない。

「本間さん。

 三恵さんは 最後に 旅立つ時に…

 赤ちゃんを産んだんです。

 命を作り この世に残して…逝ったんです。

 しかし その子は…。」

回想。

「私…篤志と一緒にいられるだけで幸せだよ。

 幸せだよ。」

「そんな人が…

 そこまで好きな人がいた三恵さんが

 自分のおなかで 他人の子を…?

 ありえない。」

自宅に戻った健吾は
あの血液と、赤ちゃんを抱かせてもらったときに
とっておいた赤ちゃんの髪をもって
研究所へ。

「DNAの鑑定をお願いします。迅速検査で。

 この血液の人間から…

 この毛髪の子供が生まれたか 

 判定してほしいんです。」

「わかりました。

 迅速といっても20時間みてください。」

待合室のベンチで眠ってしまい
あのときの夢をみてうなされていると
おこされました。

「司馬さん。

 結果が出ました。」

「やっぱり…。

 あの子は やっぱり…。」

敏雄の家をたずねてきた姑。

「そうそうこの間ね 面白い話を聞いてね。

 フフ… 私しばらく 思い出す度に笑ったわ。」

「何を聞いたんだい?」

「全くの茶番って言うのかしら。ふざけた話。」

「どんな話ですの? お義母様。」

「3か月ほど前にね

 帝王切開で生まれた男の子がいるんですって。

 八王子にある

 大久保記念病院っていう

 ところらしいんだけど 

 敏雄さん その病院 知ってる?」

「ああ…。」

「男の子のお母さんは 産んですぐ

 亡くなったそうだけど

 残された子はね…引き取られたそうよ ひそかに。

 そんな話 今でもあるものなのね 圭子さん。」

「ええ。」

「圭子さんは その病院 ご存じ?

 知らないはずないわよね。

 お姉様が 看護師長をなさってる病院ですものね。

 圭子さん。

 私ね 日向家の血筋でない子供に

 この家を継がせる気はないの。」

「突然 何を言い出すんですか?」

「慶は 私の子供です。」

「あなたが産んだの?

 全てわかったわ。

 やっぱり 日向の跡取りは希実代さんの…。」

「お義母様。

 お義母様のおっしゃるとおりです。

 私は この子を産んでいません。」


「どこの子なの?」

「私と敏雄さんの子です。」

「あなた… おかしくなった?

 私には 産めるはずがありません。」

「私には…子宮がないんです。

 挙式の日に…亡くした赤ちゃんと一緒に

 私の子宮はこの世から消えたんです。」

「やめなさい 圭子さん。

 私 あなたの言ってる事 全くわからないわ。」

「でも 卵巣は残っていたんです。

 私と敏雄さんの遺伝子を

 知り合いの女性に産んでもらいました。

 代理出産と呼ばれている方法です。」


「代理出産…!?」

「お義母様の今のお話… 真実です。

 亡くなった母親は その知り合いの女性。

 そして 生まれたのが…あの子です。」

「わかってください 母さん。

 全ては お母さんに心配かけないために…。」

「だました。」

「そうです。

 なんとしても

 敏雄さんとの子供が欲しかったんです。

 そして 教育業界で名を上げようとしている

 日向家の名誉を守るためです。」


「圭子さん。」

「お母さん。」

「私… あなたに日向家の指輪を渡した事

 初めて よかったと思えたわ。

 これで やっと あなたは日向家の嫁になった。

 私は安心して あなたに任せたい。」


「お義母様…。」

「敏雄の事 頼むわね。

 それから… もちろん 慶を。」

「はい。」

「覚悟を決めた以上

 何があっても 

 慶の出生の秘密 守り通しなさい。」


そして希実代は・・。

「解任って どういう事ですか?

 理由を教えてください。」

「聖応育英会の資産を私的流用したからです。」

「ちょっと どいて!

 そんなでっちあげ 通用すると思ってるの?

 敏雄さん なんで黙ってるの?

 あなたこそ ばらされたら困る事があるんじゃなくて?」

「おやめなさい。

 見苦しいわよ 希実代さん。」

「お義父様 お義母様…。」

「これは 私の…つまり 日向グループの意向だ。

 黙って退任しなさい。」

「どうされたんですか? お義父様。

 お義母様も だまされています。」

「いいえ。

 私たちは 全てを承知した上で決断しました。

 真実の全てをね。

 デマを吹聴しないでちょうだい。
 
 希実代さん。」

「はい。」

「もう… 私の事を 

 お義母様と呼ばないでね。」


笑みをもらしてそのまま義母に
ついていく圭子。

糸川にあいにきた健吾。

「よう 若様。 なんの用だ?」

「水原先生が手術の準備してくれてるのに

 どうして受けないんですか?」

「冗談じゃねえよ。

 ここの医者に指一本触れさせるもんか。」

「糸川さん 今 手術すれば回復できるんです。」

「だったらあんたが手術してくれるのか?」

「僕は…もう ここの医者じゃないんです。」

「簡単なもんだなぁ 患者なんて。

 あれだけの約束したのに捨てられる。」

「糸川さん。」

「俺の人生はな 生まれてから この方負け通しだ。

 当然 人間不信さ。

 でも そんな俺が

 こいつだけは信じてもいいかって思えた。

 それが あんただ。

 でも 結局 裏切られた。」

「糸川さん…。」

「信じた俺が悪かった。」

「糸川さん!」

「帰れ! 顔も見たくねえ!」

「糸川さん!」

「帰れ! 帰れ!

 死にたくねえ!俺 死にたくねえよ 若様!」

本音をつげる糸川さん。
そして健吾は水原先生にたのみこみました。

「水原先生 お願いします。」

「できるわけないだろ。

 いくら頼まれても無理なもんは無理なんだよ。
 
 お前はもう ここの医者じゃないだろう。」

「でも 糸川さんと約束したんです。

 一緒に病気と向き合うって。

 だから お願いです 執刀させてください。」

「お前さぁ マジで 医師免許 剥奪されるぞ。」

とつきとばす竹内。

だけどまたはいってくる健吾。

「オペにつくナースは誰だ?」

「久美ちゃんと瑶子ちゃんですけど。」

「まあ あの2人だったら大丈夫か。」

「は?」

「2分で用意しろ。」

「いや それはあまりにも まずくないですか?」

「司馬君 今日はなこの竹内君に執刀を任せる。」

と竹内にむかっていう水原先生。

「は?」

「責任は俺が取る。

 いいか? 本日はこの竹内先生が執刀をする。

 いいな?」

「はい。」とナースも了承。

「糸川さん 必ず助けますから。」

竹内とよばれオペをはじめる健吾。

「司馬君が糸川さんの手術を無断で?

 それは大変だ。 すぐに止めないと。」

という院長に

「やらせて差し上げればいいんじゃないですか?

 気の済むようにさせるしかありません。」

という師長。

「そうですね。

 自分から炎に飛び込まれちゃあ 仕方ない。

 いくら若手有望医師でも。」

オペがおわり目をあけた糸川さん。

「そっか…若様が切ってくれたのか。」

「はい。」

「そっか… 迷惑かけちまったな。」

「何言ってるんですか。約束でしたから。」

「信じてよかったよ。」

「人に信用されるって嬉しいですね。

 フフッ 責任重いけど。」

「若様 あんたは 俺の明日からの時間を

 広げてくれたんだ。

 だから もう過去は忘れようぜ。

 前向いて生きてほしいんだ若様には。

 暗い目は見たくねえ。」

「はい。 もうやめます。

 事故が起きた原因 わかってきましたから。」

「そっか。」

「三恵さん…亡くなられた妊婦ですが

 特殊な血液型だったんです。

 輸血が いけなかったんです。

 輸血の前に 僕が注意していればあんな事には…。」

「ちょっと待った。

 俺 あの時 変な光景見てるんだ。」

「変な?」

「あれが どういう事か 

 師長が何してんだかさっぱりわからなかった。

 でもな 素人の俺にも

 血液型の表示を付け替えちゃ

 いけない事ぐらいわかるぜ。」

せっかく忘れようとしていたのに
よけいなことをー!

「師長が…輸血バッグのラベルを…貼り替えた?」

たちあがる健吾。

「師長があらかじめ

 ボンベイ型の血液を用意していた。

 それに病院にあった 

 輸血用のO型プラスのラベルを貼り付けた。

 でも あの最後の輸血だけは 

 ボンベイ型じゃなかった…?」

途中で容態急変した三恵。

「そうだとしたら…。」

本間さんに電話する健吾。

「ああ 司馬先生。 どうされました?」

「本間さん お願いしたい事があるんです。

 ある検査に協力して頂けませんか?」

「わかりました。私は何をすればいいでしょうか?」

優佳をたずねる健吾。

「あなたの執着心には感心しました。

 それにしてもこう いつまでも

 過去の事を掘り返しに来られても…。」

「過去に流したのは あなたです。

 まだ終わっていない。

 三恵さんが亡くなったのは 偶然じゃなかった。

 三恵さんは ボンベイ型という

 非常に特殊な血液型でした。」

「そんな血液型だったんですか三恵さん。」

「妹さんの代理出産をしようという人の血液型を

  あなたが知らなかったはずがないでしょう。

 一般的ではないボンベイ型の輸血バッグは

 通常 病院には置かれていない。入手も難しい。

 だから あなたは事前に 三恵さんの血液を保存していた。

 そして 手術前三恵さんと共に運ばれてきた

 三恵さんの血液…

 ボンベイ型の血液バッグに

 あなたはO型プラスのラベルを貼り付けた。

 誰も 裏でそんな事が行われていようとは思わない。

 そのうえ 血液型の簡易検査では

 ボンベイ型は 通常のOプラスと同じ反応が出る。

 だから 検査した瑶子をはじめ誰も疑いを持たなかった。

 そして ここからだ。

 無事 赤ちゃんが生まれると

 あなたは三恵さんへの輸血を

 ボンベイ型ではない

 病院に備蓄されていたO型プラスに替えた。

 それが どんな結果を生むか知りながら…。」

「それが あなたの知る全てですか?

 全てあなたの推測 想像ですね?」

「いいえ 目撃者がいます。

 あなたが血液バッグの

 ラベルを貼り替えるのを見ていた人が。」

「私が なぜ 三恵さんを殺さなければならないのです?

 三恵さんは妹の子を産んでくれた

 大切で とてもいとおしい代理母です。

 私が手にかけたと思いたい理由はなんですか?」

「それは わかりません。」

「もうこれで終わりにしてください。」

「僕には わからないという事です!

 そんな事で 人を殺めてしまうなんて…。」

「そんな事?」

「子供が 圭子さんの遺伝子を継いでいない事です。」

「そんな事ですか あなたの真実って。」

「しかも!

 敏雄さんの子ですらない。

 代理出産って… 代理母ってなんだったんですか?

 関わった人は みんなその事実を知ってるんですか?

 調べました。

 DNA鑑定の報告書です。

 あの赤ちゃんは 亡くなった有馬三恵さんと

 その恋人だった本間篤志さんとの子供です。

 妹さんは知ってるんですか?

 ご主人の日向さんは?

 これを持って 妹さんに会いに行きます。」

「駄目! 駄目! 駄目! 駄目!

 駄目! 駄目! 駄目…!

 駄目… 駄目…。」

必死でとめて書類をとりあげ
破る優佳。

「三恵さんは あなた方が持ちかけた

 代理出産話を利用して 

 自分の子供を安全に産もうとした。

 それに気づいたあなたは

 その裏切りが許せず

 医療過誤に見せかけて 三恵さんを殺した。

 そうだろ!」

そこへ院長と警察がはいってきました。

「彼が司馬健吾です!」

「許可なく建造物に侵入した疑いで 

 署までご同行願います。」

「なんで!?」

「なんでじゃないでしょう。

 許可なくうちの病院に出入りされて

 そのうえ勝手に患者の手術までされちゃ

 こっちとしては これはもう

 明らかに告訴もんですよ。」

「待ってください!」

「今は しゃべらない方が得だよ。」

「師長! まだ話が終わってません!!」

「ハハ…。

 ハハハ… ハハ…。」

「まだ話が終わってないんです。

 離してください!

 まだ話が終わってないんだ!

 春日井師長!

 あなたは人の心がなくなってる!

 あなたは もう人間なんかじゃない!

 あなたは… 怪物だ!

 ああっ!」


『真実など

 いくらでも作ってしまえばいい。』


「師長!師長!!

 春日井師長!!」

『私は 聖なる仮面を被り続ける。

 これからも…。

 圭子と 生まれてきた慶のために。』






糸川さんのオペをさせてもらって
気持ちの区切りもつけて
せっかく前にすすもうと思ったのに
そんなこときいたらまた・・。
糸川さんは恩ある健吾のために
健吾のミスじゃないと
教えてあげたかったのでしょうが
その結果、健吾はますます窮地に。

犯罪を見過ごすべきではないというのはわかるけど
それを圭子に伝えるとか・・
これは敏雄も知らないのか。
さすがの敏雄もまったく他人の子を
後継者にしようとはしないかな。

赤ちゃんはもう生まれてしまってるんだし
三恵はおらず、離婚して一人になった
本間さんがひきとるというのも
誰が育児するのか考えるとねえ・・。

あの義母、圭子を追い出す気満々だったのに
気にくわない嫁より何より「家」なんだね!
ある意味ご立派。

ゆすりにきた相手に微動だにせず
ポンと2億払おうとする敏雄!
1度そんなことやってみたいw


次回はもう最終回だそうで
おもしろいのに終わるの早いな〜。



司馬健吾  岡田将生 
春日井優佳 中谷美紀
日向圭子  加藤あい
日向敏雄  長谷川博己
平井瑤子  大政絢
有馬三恵  鈴木杏
糸川要次郎 渡辺いっけい
水原良二  勝村政信
司馬宗吾  平田 満 
大久保志郎 小日向文世








2012.03.02 Friday 20:07 | comments(0) | trackbacks(2) | 
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