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聖なる怪物たち 第8話(最終話)

第8話(最終話)



警察に連行された健吾。

「お帰りになって結構です。」

「僕を逮捕するんじゃないんですか?」

「任意で お話しをお伺いしただけですから。」

警察から外へでると敏雄がいました。

「どうして あなたが…!?」

「知人に警察幹部がいるんです。

 今回の事で あなたの経歴に傷がつく事はない。

 これ以上余計な事をしなければ。」

「余計な事…!?」

「まだ あの一件にこだわるのなら

 次は 任意の事情聴取ぐらいでは済みません。」

「僕を脅すんですか?」

「私たちを脅かしているのは君の方だ。

 もし 義姉や私の家族に近づく事があれば

 すぐに 警察に動いてもらうよう手配してある。」

「そんな横暴が許されるはずがない。」

「許されるんだ…選ばれた人間にはね。」

「人を殺しても許されると…?」

「変な言いがかりは やめてくれ。

 彼女は君の執刀ミスで死んだんだ。

 この先 二度と君に会う事もない。

 もし 万が一 私たちの前に現れたら

 君は 未来を失う事になる。

 よく考えて行動しなさい。」

翌日。病院では院長はやる気満々。

「この際だから 一気に やろうと思ってね

院内 大改造。どう?」

と師長に模型をみせました。

「建物の改築は まだ早いかと。

 それより 人材の育成に

力を注がれてはいかがですか?」

「人材ねえ… 難しいよね。

 結局 育てても裏切られる事あるから 

司馬君みたいに。

 もう 釈放されたってね。」

「そのようですね。」

「もう  ここに来ないよね?」

「わたくしは これで。」

「待ってよ…!君が賛同してくれないと

 結局 日向さんなんだから。」

「私の意見と 日向さんのご判断に 

なんの関係もありません。」

「でも 世の中ってそうやって動くじゃない。

 いや… あの…。」

「人材を育ててみてはいかがですか?」

「はい。」

「それから司馬先生は

  元々 あなたが育てたわけではありません。」

本間さんにあいにいった健吾。

「あの… 大事な話というのは?」

「この前 本間さんの髪の毛送って頂きましたよね。」

「ええ。」

「すいません…ずっと 言えずにいた事があって。

 三恵さんが亡くなられた時
 
 実は お子さんを残されているんです。

 男の子です。

 あるご家庭で元気に育っています。

 本間さんの髪の毛をDNA鑑定に出しました。」

「僕の子だったんですか!?

 そうだったんですね!?」

「はい。

 子供を産んでた…。

 三恵が… 僕の子を産んでくれてた…。

 三恵…!」

「三恵さんが お子さんを産んだ事には
 
 複雑な事情があって…。」

「会えませんか!? その子に。」

「それは…。」

「会いたいです…!

 先生に ご迷惑はかけません。

 そのご家族の 連絡先を…。

 出来れば 引き取って…僕が育てたい!」

「本間さん…。」

「お願いします!!」

頭をさげる本間さん。

日向家。

「ねえ 敏雄さん。

 しばらく 慶を連れて

 海外に行ってもいいかしら。」

「海外?」

「慶に 言葉や国際感覚を身につけさせるためよ。」

「出来ないよ。仕事があるんだ。

 1週間程度なら まだしも…。

 それに 言葉も発さない子供が

 そこまで成長するまで いたら…。」

「あら… あなたは 

日本で お仕事続ければいいのよ。

 行くのは 私と慶。

 ロンドンかパリがいいかしら。

 フランスは 幼児教育で先進国らしいから。」


「じゃあ 僕は慶と いつ会えばいいんだ?

 父親の顔を忘れる。」

「あなたは 折々の休暇に来ればいいのよ。」

「無理だ。今 事業が始まったばかりだし。」

「私たち…新婚旅行もしてないわよね。

 日向の嫁に来て 

仕事と家の重みばかり着せられて。

 私は 日向家の従業員じゃないし

 跡継ぎの養育係でもない。

 少しは気分転換もさせてほしいの。」


「なあ… ようやく子供も出来たんだ。

 それだけで幸せじゃないか。

だから しばらくは…。」

「そうだわ…私

あなたの許可を得る必要ないんだわ。

 役員ですものね 日向グループの。」


部屋からでていく圭子。
豹変しすぎ・・・。

健吾は実家に帰りました。

「ただいま。」

「よう! どうだった?くさいめしは。」

「水原先生…! 何してるんですか?」

「何って… お父さんに

髪の毛 切ってもらったんだよ。」

「お前を心配して東京横断して来てくださったんだ。

 警察に連行された事… 聞いたぞ。」

「ごめん… 心配かけて。」

「だから お父さん 何度も説明しましたけどね

 息子さんは悪くないんですよ。

 ただ 元受け持ち患者の手術をしただけなんですから。」

「ただ事じゃねえよ 水原先生 警察沙汰ってのは…。」

「じゃあ お父さん ありがとうございました!

 行きます。これからデートなんですよ。」

「ああ… いいって いいって!金なんか…。」

「いいえ とんでもない!はいっ。」

とお金を健吾におしつける水原。

「司馬 お父さん 大事にしろよ。じゃあな。

 ありがとうございました!」

「…はい。」

仏壇に手をあわせる健吾。
父が鍋をつくってくれました。

「おい 出来たぞ。

 座れ。

 俺はな…人様に迷惑をかけるような子にだけは

 ならないようにってお前を育てたんだ。」

「ごめん…。」

「お前に なんかあったら…

母さんに会わせる顔がない。

 今だから 話すけど昔 あいつの親が

 お前を養子にしたいって言ってきた。」

「え? じいちゃんとばあちゃんが?」

「ああ。」

「聞いてないよ。

 じゃあ 俺 ばあちゃんの子になるとこだったの?」

「ばあさんもその頃 まだ若かったし

 お前は まだ誰が 誰かも わからねえ赤ん坊だ。

 そんな話も出るわな。」

「それで!?」

「それでも何もあるか…。

 お前は 俺の子だ。

 それ以上でも以下でもねえ。

 母さんが… 産んでくれたんだ。

 手放せるわけない。

 だから お前が初めて幼稚園に通い出した日から

 弁当も こさえた。」


「真っ黒の卵焼き。」

「うるせえ!

 だから 早速 次の日から

 隣の奥さんに頼み込んで料理 習って…。」


「泣くなよ! 親父…。」

「お前が いたから…いてくれたから…

 生きて… 働いてこれたんだ。」


こんなのきいたら
もう健吾、これ以上首突っ込むのは
あきらめなくちゃ・・・。

圭子をたずねた優佳。

「姉さん?来週 慶のお食い初めをするの。

 時間 あけておいて。」

「時間が うまくあいたらね〜。」

「なるべく来て。

 それが終わったら しばらく 慶を連れて

 フランスへ行こうと思ってるの。」

「フランスに?」

「そう。

 ねえ 姉さんも一緒に行かない? フランス。」

「無理よ…。」

「いいじゃない お金はあるんだから。

 ねえ 姉さん病院 辞めてくれないかしら?」

「どうして?」

「敏雄さんが出資してる病院で

 姉さんが職員として使われてるっていうのも

 なんだか バランスが悪いの。

 そうだ! 姉さんのためにうちで

 医療担当役員のポストを作るわ。

 ね? いいでしょう!?」

「必要ありません。

 少し熱があるんじゃない?」

慶の額に手をあてる優佳。
だけど圭子は自分でみようとしない。

「美智子さん ちょっとお願い。」

「はい。」

「ミルク あげてくれる?

 それから ちょっと熱があるみたいなの。

 あっ ベビーシッターの美智子さん。

 こっちは 私の姉。」

「よろしくお願いします。」

「圭子…?」

「日本のような母子密着型の子育ては

 子供に いい影響を与えないの。

 慶とのフランス滞在記を 

 育児本の第2弾にするわ。」

「慶に 熱があるのよ?」

「大丈夫よ。

 美智子さんは看護師の資格も持ってるの。」

「すみません…2人だけにして頂けませんか?」

ベビーシッターは席をはずしました。

「あのね 姉さん…。」

「自分で抱きなさい。」

「何? どうしたの?」

「この子は あなたの子よ。

 あなたが抱きなさい。

 あなたがミルクをあげ あなたが守りなさい。」

「母親だから?」

「そうよ。」

ため息をつく圭子。

「慶は 私の血を受け継いでるの。

 それだけじゃ駄目?

 立派な母親でしょう? 私。」

以前の妹を思い出す優佳。

「母親になりたいの…。」

「あなたと敏雄さんの…日向家の子供を産むの。

 私が 敏雄さんの赤ちゃん抱かせてあげる。」

回想おわり。

「聞いて 圭子。」

「いい加減にして。」

「この子は…。

 この子は あなたと敏雄さんの子供のじゃないの。」

「何 言ってるの…。」

「あなたたちの 血は 受け継いでないのよ。」

「どういう事?」

出産時、優佳の腕をつかんだ三恵。

「日向家の子供を…しっかり産むのよ。」

「違う…私の子なの。」

「わかってる…敏雄さんとあなたの子。

 でも それは…私たちだけの秘密よ。」

「違うの…。

 そうじゃないの…。

 敏雄さんの…日向家の血は入ってないの。」

「じゃあ 誰の子よ?」

「私の… 一番愛する人。」

「騙してたのね…。」

「だから この子は渡さない。」

出産したあと優佳は血液パックを
いれかえ三恵を死亡させました。

「三恵さんに…騙されてたって事?」

「黙ってて ごめんなさい。」

「その三恵さんを姉さんが殺したの?

 はぁ…。

 でも 医療ミスって事になってるのよね。」

「圭子…?」

「だったら それでいいじゃない。」

「それでいいじゃないってどういう事?

 私は 殺したのよ!だって あなたが…。」

「私は 頼んでないわ。

 圭子のため 圭子のためって

 姉さんは いつもそう。

 重いの。」


慶を抱いて二階へあがってしまう圭子。

「あっ…。

 自首なんてしないでね。」


ひどい。ひどすぎる。

茫然として帰る優佳。
階段の途中ですわりこんでしまいました。

昔の回想。
高校生くらいの優佳と小学生の圭子。

「ねえ 圭子…。

 なんで みっちゃんとケンカしたの?」

「お母さんの自慢するんだもん。

 お母さんのご飯 食べたとか

 お買い物に一緒に行ったとか。」

「圭子 これからは私が圭子のお母さんだからね。」

「お母さん?」

「何があっても 圭子を守ってあげる。

 圭子の欲しいものは私が なんでもあげる。」

「本当に?」

「約束。 ずっと ずーっと約束。

 ずっと ずーっと約束。」

すわりこんだままの優佳を
健吾がみつめていて
外へでてくると優佳のあとをついて歩きます。

「師長には

 『人は 正しいだけじゃ生きられない』

 って言われました。

 でも やっぱり 僕…

 あの子を

 本当のお父さんに返してあげたいんです。」

「自分と同じ境遇だから?

 あの子は 自分と同じだと?」

「うちの親父 昔は料理が ものすごく下手で

 いっつも 幼稚園に

 持ってく弁当の卵焼きは 真っ黒。

 泣いて ヤダ! って言ったら

 慌てて 近所のおばさんに習いに行った。

 すいません こんな話…。」

「幸せね あなたは。

 幸せに育ったのね。

 私も… 泣かれた事があります。

 お弁当のおかずの事で 圭子に…。」

涙ぐみながら去っていく優佳。
流れる川をみつめてしばらくたっていました。

敏雄に電話する圭子。

「敏雄さん?

 フランス行きなんだけど 明日の便に変更するわ。

 ええ。 急だけどどうしても そうしたいの。

 だから お食い初めの会はキャンセルするって

 お義母様に伝えておいてくれるかしら。

 お願いね。」

今度は院長に電話。
院長をたずねてきた賢吾が
部屋の外でその会話をきいていました。

「日向さん?」

「あっ どうも。」

「どうされました? 突然。

 赤ちゃんの往診?春日井君は どうしたんです?」

「珍しく 風邪をひいたみたいで…。」

「春日井君が?」

「ええ。 それで 子供と一緒に

 急遽 フランスへ

 発たなくてはいけなくなりまして…。

 お忙しいところ申し訳ないんですけど

 今から往診をお願い出来ないかと…。」

「僕も 追加融資の件で

 日向さんにお会いしたかったんですよ。

 1時間以内に伺います。」

「結構です。 お願いします。」

「では 後ほど。」

日向家をたずねてきた賢吾。

「ご無理言って申し訳ありません 先生。」

「大久保先生に急な来客があったので

 それで 僕が代わりに伺いました。」

「こちらへ。」

「はい。」

「昨日から ちょっと熱があるみたいで。」

「ミルクは 飲んでますか?」

「ええ。食欲は あるみたいなんですけど。」

そこへチャイムがなり圭子は玄関へ。

来客は義母と敏雄。

「圭子さん 一体 あなた どういうつもり?

 お食い初めを取りやめるだなんて。」

「フランス行きが 早まってしまったもので。」

「聞いてないわよ。慶を連れてフランスだなんて。」

「そうでした?」

「予定どおり お食い初めはするのよ。」

「いいえ。 すぐにでも出発します。

 古くさい儀式より 海外生活の方が

 よっぽど慶のためになりますから。」

「圭子さん あなたね…。」

またチャイム。

「僕が出よう。」

「日向家の跡取りを なんだと思ってるの?」

「私は 跡取りにふさわしい人間を

 育てようとしています。

 お義母様こそ前時代的な慣習を

 押しつけるのは おやめください。」

「前時代的?」

「いやぁ 遅くなって申し訳ありません。」

「大久保記念病院の院長だ。

 慶の往診に来てくださった。」

「それで 慶君は?」

「往診なら 先ほど 司馬先生が

 大久保先生の代わりにとおっしゃって。」

「司馬…?司馬健吾か? 大久保さん。」

「いや 私は 頼んでない。」

慶を抱いておりてくる健吾。

「司馬君 何をやってる?」

「慶君の往診をしていました。」

慶をベッドに寝かせました。

「圭子 警察を呼びなさい。」

「あっ… でも…。」

「皆さんに 聞いて頂きたい事があって

 伺ったんです。」

「君の話など聞く気はない!」

「こちらのお子さんの事です。」

「慶の?」と義母。

「大事な話があります。」

「聞きましょう。」

「母さん!」

「大切な 跡取りなの 慶は。」

「慶君を 引き取りたいとおっしゃってる方がいます。」

「バカな…。」

「その方は慶君の本当の父親です。

 この子は 僕が取り上げました。

 代理出産だと聞かされていましたが

 違ったんです。

 代理母の有馬三恵さんは

 元々 恋人の子供を妊娠していた。

 その子を日向敏雄さんの子供だと偽って

 産もうとしていたんです。

 そこに 圭子さんから

 代理出産の話が持ちかけられた。」

「じゃあ 私も 彼女に騙されていたというのか?」

「そうまでして 三恵さんはこの子を産みたかったんです。

 DNA鑑定の結果です。

 母親は 有馬三恵さん
 
 父親は 有馬三恵さんの恋人です。」

書類をうけとった院長。

「確かに親子関係が証明されてます。

「つまり この子は 圭子さんの血も

 敏雄さんの血もひいていないんです。」

「血なんて どうだっていいわ!

 慶は 私の子よ。」

「本当のお父さんに返してください!」

「渡さない… 絶対に。」

「お黙りなさい!

 司馬さんといったわね。」

「はい。」

「さっさと その子を連れてって。」

「お義母様…。」

「ああ 気味が悪い!

 こんな子を 孫だと思って抱いてたなんて。」

「駄目だ 母さん。

 あれだけ大々的にお披露目までして

 世間の目は どうするんですか?」

「そうですよ。

 スキャンダルになります。」

「ごめんだわ!

 誰とも知れない子を 日向家に置くなんて!」

「僕は 日向家のために言ってるんです!」

「慶は…慶は 日向家の跡取りなんです!」

「いい加減にしてくれ!

 あなたたちはこの子をなんだと思ってるんだ!

 この子は 道具じゃない!命なんだ!」


「何するの…? 何するの!?」

「返すんです!本当に愛してくれる人のところに。」

「触らないで…私の慶に触らないで!」

「この子は あなたたちには渡さない!」

慶を抱きあげた健吾をみて
ナイフを手にする圭子。

「慶は 私の子よ。

 私だけの子なの!」

「圭子 よせ!」

「慶は 私の子よ…。

 私だけの子なの!」

「圭子 よせ!」

そこへあらわれた優佳が刺されました。

「救急車を!」

「やめて!

 救急車なんか呼んだら騒ぎになるわ!」

「しかし…!」

「下手に動かさない方がいい。

 誰か 毛布とタオルを。」

「なんて事なの!?ねえ! どうすんの!?」

「静かに。

 人の命がかかってるんです。

 司馬君 脈拍は?」

「120です。」

「け… 圭子…。」

「姉さん…。姉さん!」

「深いな…。」

「動脈損傷してますか?」

「恐らく…。

 ナイフが固定出来たら 

 とにかく うちの病院へ運ぼう。」

「師長 頑張ってください。」

「あなた… だけだった…。

 あなただけは…怪物にならなかった…。」

 
「どこで 道を間違えたんだろうね…。」と院長。

「院長は病院を救いたかった。

 師長は ただ…妹さんを幸せにしてあげたかった。

 みんな 守りたいものがあっただけなのに…。

 それが なんで こんな事に…。」


「これは…。

 罰です。

 命を… もてあそんだ…。」

「もう話さないで。

 運ぼう。」

「はい。」

「全部 あなたのせいよ!

 あなたが このうちに来てから 

 何もかも おかしくなった!」

「やめてくれ。」

「その女から離れなさい。

 敏雄さん!」

「圭子を追いつめたのは僕のせいです!」

「勝手になさい。」

出ていく義母。

師長は病院へ。

「師長 たまには勉強だよ。患者になるのも。」

 と水原先生。

「師長 頑張ってくださいね。」と瑤子。

「水原先生 司馬先生にも入ってもらいますから。

 急いで。」

「はい。」

放心状態の圭子を抱きしめていた敏雄。

「すまなかった… 今まで。」

敏雄にもたれかかる圭子。

オペ室。

「麻酔 かけますね。」

健吾の手にふれる優佳。

「私… あんな事で…。

 三恵さんを…。」

「師長は…

 ずっと圭子さんのお母さんだった。

 さっきも 師長がかばったのは

 僕じゃなく…圭子さんだった。

 圭子さんを残して死んじゃ駄目です。

 助けます。

 必ず…。」

オペはおわりました。

そして赤ちゃんは本間さんのところへ。

「高い高い 高い高い〜。」

「元気そうで よかった。」

「おかげさまで 戸籍関係の処理もようやく済みました。」

「どうですか? 育児。」

「ええ… まあ なんとか。

 これのおかげで。

 育ててくれたお母さんが毎日 書いていたようです。

 マナトを愛してくれていたんですね。」

「マナト?」

「そのノートにありました。

 三恵は この子がおなかにいる時 

 そう呼んでたって。」

「マナト君か…。

 いい名前ですね。」

「やはり この子を 

 今まで世話してくださっていた方の事は

 お教え頂けないでしょうか。」

「すいません。先方のご希望なんです。」

「改めて お伝えください。

 ありがとうって。」

笑顔になって

「ちょっと いいですか?」

と赤ちゃんを抱かせてもらいました。

「どうぞ。」

「はい お伝えします。」

師長は眠ったまま。

「数値は問題ないんですけどね…。」

「少し休みたいんじゃないか?師長も。」

「また こき使うつもりですか?」

「そうね…。また 貧乏病院に逆戻りだからね。」

「勘弁してくださいよ〜。」

「よろしく お願いしますね。」

と軽く頭をさげる院長。

「院長…。」

「ん?」

「なんなんですかね?いい医者って。」

「答え 考えとくよ。」

師長の手を握る圭子。
敏雄もいっしょにいました。

「これで よかったんだと思います。

 先生の判断が正しかった。」

「ありがとうございます。」

「先生は ここに戻られるんですか?」

「人手も足りないですし それに…。」

「この病院も大変でしょう。

 うちからの融資も 途絶えてしまいましたから。」

「日向さんは 家を出られたんですか?」

「ええ。

 小さいですが 事業を始めました。

 まだ 世間には騒がれてますが

 僕らは 以前より幸せです。」

「そうですか。」

「義姉は もう目を覚ます事はないんでしょうか…。」

「必ず戻ってくると思います。

 強い人ですから 師長は。」

「姉さん…。」

そして姿を消した師長。

「あれ…?

 春日井師長?」

ベッドに健吾あての手紙がありました。

「師長がいないんです。」

「どういう事?」

「今 巡回に行ったらいなくて…。

 それで これが…。」

荷物をまとめて部屋をでていく優佳。

「拝啓 司馬先生

 これが免罪符になるとは

 思っておりませんが

 あなたに 謝りたいと思います。

 あなたの医師としての未来に

 そして 何よりも 医師になろうと志した 

 あなたの汚れない心に

 傷をつけてしまったことを 

 深く悔いております。

 感謝したいこと

 それは 私に改心の機会を

 与えて下さったことです。

 一度死んだ私を あなたが執ったメスで

 蘇生させてくれたから 

 私は 自分が犯した罪を生きて

 きちんと償うことができそうです。

 以前 あなたに “医者は神ではない”と

 話したことを覚えていますか。

 その時 すでに私は 奢った眼で

 命を見ていたのかもしれません。

 たとえ 妹に 

 子供を抱かせたかったとはいえ

 奢った心がどこかで命を軽く見ていた。

 命は奇跡だと感動していたあなたが

 今は とても眩しく思い起こされます。」


健吾が優佳を発見。

「師長 何やってるんですか!」

「もう お会いすることはないでしょう」

 でも 本当は 

 会って伝えたかった言葉があります。」


「師長…。

 戻りましょう 病院に。」

「行くところがあります。」

「真実を突き止めようとするあなたを

 陥れながら 心の奥底で 

 言いたかった言葉」


健吾の手をとる優佳。

「ありがとうございました。

 お世話になりました。」


頭をさげる優佳。

「師長…。」

優佳は去っていき
後ろ姿をみつめる健吾。

そして健吾はいつものとおり
病んで診察を・・。
前よりは仕事ができるようになったらしく
水原先生にも軽口をきくくらいに成長。




圭子の豹変ぶりにポカーン。

愛する人の子を産みたい
あったかい家庭をつくれれば
それで満足じゃなかったの・・・?
子どもを産んだら(産んでないけど)
もっといい環境を、進路をと
欲が出てきたのでしょうか?
それにしても敏雄は日本で仕事してればいい、
ふたりで海外へ、なんて子ども産んだら
子ども>>>>>>夫になる典型のようですが
それにしてもはやすぎる・・。

優佳が絶望するには妹の裏切りぐらいしか
ないからしかたないのかもしれないけど
それにしても代わりすぎだよ。
夫に対してばかりか姉にまであの態度。
ポカーンの連続でした。

なんだかんだとみんないい人になってしまい
ハッピーエンド好きの私でも
あまりの急変ぶりに違和感バシバシ感じてしまった。

妻をだまして三恵との子を跡取りにする計画を
平然とやってのけ、平井程度の小物にも
まるで動じないくらいの男なら
まったく血のつながらない子どもと
豹変した妻なんかばっさり切り捨てて
また新しく、若くて美人でついでに義母のいうこともきく
3人目の妻をめとればいいのに。
敏雄くらいは怪物をつらぬいてほしかったなあ。

本間さん、不倫が噂になって
妻と離婚するような狭い町で
男手ひとつであの子を育てられるの?
健吾の家庭と状況だけはいっしょでも
事情はかなり違うと思うけど・・。

怪物たちの中にもわずかに聖なる部分が
残っていて、それを無垢なるもの=健吾が
光の道へひきもどしたということでしょうか。

聖なる怪物ってむしろ健吾のような気がした。

でも続きが毎回楽しみなドラマでした。
放送中は裏番組みてたんだけど
ツイッターのTLの聖なるツイが気になって気になってw

健吾が抹殺されなくてよかった。










司馬健吾  岡田将生 
春日井優佳 中谷美紀
日向圭子  加藤あい
日向敏雄  長谷川博己
平井瑤子  大政絢
有馬三恵  鈴木杏
糸川要次郎 渡辺いっけい
水原良二  勝村政信
司馬宗吾  平田 満 
大久保志郎 小日向文世








2012.03.09 Friday 09:40 | comments(4) | trackbacks(2) | 
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みなみ (2012/03/09 8:26 PM)
久しぶりです。
瑤子とお兄さんの件やいっけいさんは
何だったのでしょうか・・・。
瑤子が大学病院を辞めたり金を貰っていることは
どうなったんですかね。
honey (2012/03/09 10:36 PM)
みなみさん、こんばんは。

瑶子の兄は一応、先週
敏雄の勢いにおされてひっこんだと
解釈してます。
瑶子は健吾のいい人ぶりに途中で
だましてるのが嫌になって手を
ひこうとしてたので改心したということで・・?
大学病院のほうは知らないですが。

糸川さんは最初ゆすり要員かと思ってたのですが
まったく違う方向になりましたね。
健吾をみて医者を信じる気になった
いい人・・みたいな?

8話は短すぎだったような気がします。
実の父がひきとるより
敏雄に追い出された圭子が
同じく捨てられた赤ちゃんに
血はつながってなくても母性を感じて
姉とともに育てていく・・
ほうがしっくりきたかも。
みなみ (2012/03/10 10:34 AM)
ありがとうございました。
せっかくの中谷さんの演技が勿体無い
内容だったかも・・・。
私も健吾が怪物に感じたこと何度もありました。

それにあの歳で男手一つで育児って?
絶対に圭子と中谷さんで育てる方が現実的。
honey (2012/03/10 11:26 AM)
>みなみさん

 最後がかけこみすぎでしたよね。
 せめて9話まであれば。

 健吾と父のエピソードから
 そっちにもっていきたかったのでしょうが
 実際には困難ですよね。









【聖なる怪物たち】第8話 最終回 統括感想
院長は病院を救いたかった。 師長は、ただ妹さんを幸せにしてあげたかった。 みんな守りたいものがあっただけなのに。 それが何でこんな事に…。 「聖なる怪物たち」第8話         ...
| ドラマ@見取り八段・実0段 | 2012/03/13 12:13 AM |
怪物は誰だ?
ドラマ「聖なる怪物たち」を見ました。 テレ朝にて 木曜9時にやってました いやー これはなかなか濃いドラマでした ドロドロといってよいのか・・・ 代理出産、死、一族の名誉、それぞれの秘密 それぞれが守るために 賛否はありそうですが 私的にはけっこう最後ま
| 笑う学生の生活 | 2012/03/17 4:37 PM |