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37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜第6話「僕が医者になった本当の理由」

第6話「僕が医者になった本当の理由」



瑞希(水川あさみ)と谷口(桐山漣)が、
ショッピングモールで男性が倒れる現場に出くわした。
瑞希はすぐに応急処置を行うが、谷口は
手をこまねいておろおろするばかり。
その様子を撮影したネット動画が公開されたことから、
谷口の失態は広く知れ渡ってしまう。
新見(斎藤工)に「恥さらし」と叱責され、
医大の学生からも、「仕事ができない」とバカにされて
落ち込む谷口。そんな谷口を心配した祐太(草ナギ剛)は
なだめようとするが、「僕は紺野先生みたいに
立派な人間じゃない」と反発され、とりつく島もない。
その翌日、『紺野祐太先生は人殺し』と書かれた
怪文書が院内のいたるところに撒かれた。
すずの為に、医者になったと思われていた祐太であったが…。
彼が、37歳で医者になった本当の理由が明らかになる。




沢村先生にさそわれて谷口先生は
デート気分だけど沢村先生は
カップルデイの格安メニューにつられただけ。

「まさか 沢村先生のほうから誘ってくれるなんて。」

「6人目。紺野先生も下田先生も他の男友達も

 ぜ〜んぶ都合つかなかったから。

 これぐらい 1人で食えるっての。

 よし 食おう。」

「沢村先生 このあとは?」

「帰るけど。」

本当にそっけない。

「あ… あの 良かったらあの 僕 車だし どこかに…。」

たべすぎておなかをおさえる沢村先生。

「寄り道してく。 じゃ。」

そのとき、お店のお客がたおれ

「救急車 呼んで!!」

という声が。

医療の本をもっていた谷口先生は
店員に声をかけられました。

「あの医療関係の方ですか?」

なのに

「はい?あぁ〜 僕 違うんで。」

と本をおしつけました。

そこへはしってきた沢村先生。

「すいません すいません診せてください。

 大丈夫ですか? 聞こえますか?」

「あの… 主人は?」

「落ち着いてください すぐ応急処置しますから。

 谷口先生 手伝って!」

谷口先生はぽかんとしてみているだけ。

「早く!!」

そして警備員さんにぶつかって尻もち。
床をはうようにして逃げる様子が
ネットに流されてしまいました。

「うわぁ〜 ばっちり映ってんな。」

「最近の携帯カメラの性能 いいですね。」

「感心するとこですか? そこ。」

「やってくれたな 谷口先生。

 こんな恥さらして。」

と新見先生からもお小言。

「すいません。まさか 撮られてたなんて思わなくて。」

「そういう問題じゃないよ。んんっ。

どうします? 中島先生。」

「中島先生。」

返事しない・・

「中島准教授。」

とよんだらふりむいたww

「あっ いいんじゃないか

 なべつに 気にしなくても。

 だって 沢村先生のおかげで助かったわけだし

 全然 問題ないでしょ。

 沢村先生 いや 沢村瑞希!グッジョブ。」

準教授になったのでものすごいご機嫌ww

「谷口先生も そう落ち込まないで。

 応急処置なんかできなくても

 医者は いい論文が書ければいいんですから。 ねっ。」

「機嫌いいな。」

「准教授だから。」

「お騒がせしてすいませんでした。」とあやまる谷口先生。

「おう 何か災難だったな。」と下田先生。

「谷口先生気にしないほうがいいですよ。」と祐太。

「気にしたほうがいいでしょ。

 医者なんだから 応急処置は できないと。」と沢村先生。

森下先生と祐太。

「そっか。 すずさん大したことなくてよかったな。」

「おかげさまで。電話をくれた同僚の方が

 病院まで連れてってくれましたから。」

そういえば前回はそこで終ったんだった。

回想

「ほんとに大丈夫?」

「少し気分悪くなっただけだから」

「あの じゃあ 僕は これで失礼します。」と林田。

「あっ。いろいろとご迷惑をおかけしてすいませんでした。)」

「いえ。葛城さん お大事に。」

回想おわり。

「森下先生彼女の今の状態なんですけど…。」

「今度 ご両親に来ていただいて 説明しようと思ってる。

 そのときは 君も同席してくれ。」

「わかりました。」

部屋にいるすず。
今からでも仕事にいきたいというすずを
とめる母。

「だめよ まだ少し熱っぽいんだし。

 無理しないで。 祐太さんだって

 すずのために お医者さんになって

 頑張ってくれてるんだから。」

下田先生と谷口先生。

「おい もう そんな へこむなよ。」

「べつに へこんでなんかないけど。」

「あれだ。 昨日のお礼 つって

 今度 お前のほうから誘ってみりゃいいんじゃね?」

「そういうの もういいから。」

「ちっ!うじうじすんなって。

 もう そんなんだから

25年間彼女も出来ないんだろ? お前。」

「あのねぇ…。僕は医者として…。」

そこに学生たちが噂している声がきこえました。

「絶対 医者 向いてないよな谷口っちゃん。」

「見ただろ? あの動画。超ダッセ〜の。」

「ははははっ。」


「あいつら…。」

「病棟でも評判 悪いらしいよ。あの人 仕事できないから。」

「谷口っちゃんだけアウトだろ完全に。 はははっ。」


ナースステーションで石浜さんと話する祐太。

「明日から 特掃かよめんどくせぇなぁ おい。」

「僕ら初めてですけどいろいろ大変みたいですね。」

「いや 業者が ぞろぞろ来てうるせぇんだよ〜。

 掃除の間はよ病室 出てなきゃなんねぇし

 おちおち寝てられねぇんだよ。」

「回診の時間は寝ててほしいんですけど。

 ふらふら出歩かないで。」と沢村先生。

「今 お湯 そそいでたんだよ。

 うるせぇなどいつも こいつも もう。」

「大体 それ食べちゃだめなんですからね。」

病室からは大きな声。

「何だよ その態度!」

言われたのは谷口先生。

「診察 もう終わりましたから。」

「おい!」

「どうしたんですか? 窪田さん。」

「いや 俺 明日で退院だからちょっとさ。」

「採血も点滴も下手だからもっと頑張れって言われて

 キレちゃったんすよ。」と下田先生が説明。

「余計なお世話だとか言いやがって。何だよ あいつ。」

その後、谷口先生をよびとめる祐太。

「谷口先生。

 待ってください。さっきのことなんですけど。」

「ほっといてください。

心配とか 余計 惨めになるんで。

 僕 紺野先生みたいに

立派な人間じゃないんで。」


「立派な人間なんかじゃないですよ 僕は。」

「立派ですよ!

 婚約者のために 

 30過ぎて医者になって 

仕事も ちゃんと できてる。

 僕なんかとは 全然違います。」


谷口先生はいってしまい
いれかわりにやってきた沢村先生に

「下手な口出ししないほうがいいですよ。

 本人の問題なんですから。」

といわれる祐太。

特掃の業者さんが下見にきて
その中に祐太の知り合いが・・。

葬儀の回想。

「すいません。」と頭をさげる祐太。

「帰ってください。」という奥さん。


「君…。」

「どうしました?」

「誠 何してる?」

「すいません。」

誠とよばれたひとはいってしまいました。

「紺野先生?」とたずねる沢村先生。

さっきのことを思い出しながら仕事していた祐太。

「あれ?紺野先生 今日 居残りっすか?」

「えっ?」

「いや もう上がれるなら飲みにいこうかと思って。」

「あぁ いいですよ。」

「じゃあ いつものメンツで。」

「お疲れさまでした。」と帰ろうとする谷口先生。

「へ〜い って おい!

 今日 飲みにいく つったろ?」

「うちで勉強があるから。」

「はぁ〜。 あのばか。」

結局、谷口先生抜きで飲みにいきました。

「いろいろ抱えてんすよねぇあいつも。

 周りに置いてかれてるって

プレッシャー感じてるみたいで。」

「ミスが多いのは本人の努力不足でしょ。」

「まあ たまにいるのよねぇ。

 実家の病院継がなきゃいけないからって

 やる気も適正もないのに医者に なっちゃう子。」

「いや 本人は けっこう前向きなんすよ。

 医学部んときも早く

おやじさんのこと見返したいって言ってたし。」

「見返す?」

「あいつあんま親から期待されてねぇから。

 今の研修 終わったらさっさと大学院 行って
 
 博士号 取れ!とか言われてるらしいし。」


「腕は なくていいから

 経営者として はくつけろってわけね。」

「そんなんだから 見てて

羨ましいんじゃないっすか?

 紺野先生みたいに伸び伸びやってる人。」


「紺野先生?」

「えっ?」

「えっ 聞いてなかったんすか?俺の話。」

「何でしたっけ?」

「はぁ〜。こっちは こっちで おかしいわね。」

沢村先生といっしょに帰る祐太。

「あの…。知り合いなんですか?

清掃の下見に来てた人。」

「あぁ〜 昔の知り合いです。」

部屋でビールを飲んでいるとすずからメール。
明日の検診、親といっしょにいくという内容。
たたみにねころんで昔のことを
思いだしました。

「あっ 紺野主任。」

「何? 今 急いでるんだけど。」

「倉田流通倉庫さんからお電話です。」

「えっ?」

「倉田流通って 3カ月前に切ったとこでしょ?

何で今頃?」

「外出中って言っといて。」

「あっ 息子さんからなんです。

 社長が亡くなられたって。」


回想おわり。祐太の顔はつらそう。

翌日。申し送りのときも祐太の表情がくらい。

今日はロールケーキを食べる佐伯教授。
向いには森下先生。

「う〜ん いけるね これ。

 最近のMR君はセンスがいいんだ。

 こっちが求めるものを そつなく用意してくれる。」

「あの 私に お話というのは?」

「だから これが本題だよ。

 中島先生のようにシンプルな連中は

 利益だの出世だのを一番に考える分 扱いやすい。」

「あれを准教授にしたのは

 その程度の話だってことだ。

 私は 君との約束を破る気はない。

 そのことを話しておこうと思ってね。」


「べつに気にしてません。どのみち

 今度の 学部長選への協力は

 惜しまないつもりです。」

「はっ… はははっ…。」

退院した窪田さんからの伝言を
谷口先生に伝える沢村先生。

「窪田さん 退院したけど。

 伝言 頼まれたの。

 昨日は余計なこと言って

 すいませんでしたって。

 見送りにいったほうが良かったんじゃない?

 患者さんからしたら
 
 こっちの研修につきあってくれてたわけだし。」

「医者と患者が なれ合う必要なんかないでしょ。

 沢村先生 紺野先生に

 影響され過ぎなんじゃないですか?」

「はぁ… それ どういう意味?」

谷口先生は席を立ってでていきました。

清掃がはじまり、誠が休憩になるのを
待っていた祐太。

「こんな所で すいません。」

「いえ。」

「7年ぶりですよね。昨日は驚きました。」

「こっちもです。おやじを死なせた相手と

 こんなとこで会うなんて思いもしなかったんで。」

「あのときは ほんとに…。」

「べつに謝ってもらう必要ないですよ。

 会社から言われて

 しかたなく下請け

  切ったってだけの話でしょ。

 でも…おやじは

 あなたのこと恨んでましたけど。

 駆け引きなしで

 仕事のできる相手だと思ってたのに

 裏切られたって。

 3カ月間 おやじは会社守るために駆けずり回って

 結局 守れなくて首 くくったんです。

 おやじが今の紺野さん見たら 

 びっくりすると思いますよ。

 人殺しのくせに医者なんか やってんのかって。」


「すいません。

 7年もたってんのに今更ですよね。」

「いえ。」

「俺も家族も今は それなりに生活してます。

 べつに 紺野さんと関わる気なんかないですし

 こんな話 周りに

べらべらするつもりもありませんから。

 失礼します。」

祐太が本当につらそう。

それをきいていた谷口先生。

夜も谷口先生が居残り。

「お前 まだ帰らないの?」

「ちょっと 調べもの。」

「ふ〜ん。 じゃあ お疲れ。」

祐太をみおくる谷口先生の目が暗い。

翌日、病棟に怪文書が。

「師長。」

「どうしたの?」

「こんなものが。」

「研修医 紺野祐太は人殺し」とかかれたビラ。

「ん?何 これ…。」

「自販機の前にありました。後 患者さんの部屋にも。」

そこへ祐太もやってきました。

「紺野君。 これ。」

文書をよみあげる中島先生。

「『会社員時代下請け会社を冷徹に切り捨て

 特別清掃スタッフA氏の父親を死に追いやった』

 これ 事実なんですか? 紺野先生。」

「はい。」

「誰が こんなもの…。」

「この特掃スタッフ本人でしょう。こんなこと

 当事者しか知るわけないんですし。」

「それはないと思います。昨日 本人と話しましたから。」

「患者も これを目にしてます。

 今日のところは 紺野先生には帰ってもらったほうが

 いいんじゃないんでしょうか。」と新見先生。

「あぁ 混乱すると困るしねぇ。」

「そんな必要ないと思いますけど。」と沢村先生。

「でも 紺野先生にとってもそのほうがいいと…。」

「昔のことは 私たちや患者には関係ありません。

 こんなもので 今の紺野先生を否定するなんて

 ばかげてます。」

「俺も そう思います。患者さんだって

 みんな紺野先生のこと 

 わかってるわけですし。」と下田先生。

「そうは言ってもねぇ…。」

そのビラを手にする誠。

「ほんとに大丈夫なんですか?予定どおり作業しちゃって。」

と清掃員。

「ええ。 混乱が起きないように注意はしますから。」

「今日は よろしくお願いします」

と頭をさげる祐太たち。

予定通り清掃がはじまりました。

「おい この紙に書いてあること ほんとなのか?」

とたずねられる祐太。

「本当のことです。」

「そうかよ。」

廊下でせき込む患者さんをみつけ
かけよっていって診察する祐太。
その様子をみている誠。

両親もいっしょのすずの診察。

「手術できないって…どういうことですか 先生。」

「現時点ですずさんの心機能は著しく低下しています。

 腎移植を行なうこと自体

 非常にリスクの高い状態だということです。」

「前には 状態 安定してるって…。」

「日常生活を送る範囲では安定はしていました。

 しかし 治療に対する反応は

 徐々に悪くなってきています。」

「移植には もう手遅れということですか。」

「席を外してもいいですか。」とすず。

散歩してくる、とでていきました。

「私たちのせいなんです。もっと早く

 あの子に手術を受けさせてあげられてたら…。」

「ご両親の腎臓を移植できなかったのは

 たいへん残念ですが しかたのないことです。

 お2人の責任ではありません。」

まだ患者さんの治療をしている祐太を
見かける誠。

すずの両親と森下先生。

「透析だけだと

 あの子は あと どのくらい生きられるんです?」

「心機能の状態しだいです。」

「もしも このまま回復しなかったら…」

ベンチにすわっているすずをみかけて
声をかける沢村先生。

「お久しぶりです。」

「おひる?」

「今日は ばたばたしてるから交代で。

 すずさんは?」

「疲れた」

「疲れた?」

「病気を治したいって思うことに

 なおしてほしいって 待っていることにも」

「何か あったんですか?

 紺野先生 研修 頑張ってますよ。

 すずさんの病気 治すために。」

「彼は 私の病気を治すために

 医者になったわけじゃないから」


「えっ?」

「祐太さんは 自分のために

 医者になったの」


患者さんの車いすをおす祐太を
またみていた誠。

「もう大丈夫ですから。」

「ありがとう 紺野さん。」

「また つらくなったら呼んでください。」

誠に声をかける石浜さんほか3人の患者さん。

「よぉ おたくに 紺野が親の敵だってやつが

 いんだってな。そいつに言っとけ。

 あいつ 年食ってるけど

 今は必死で医者やってんだって。わかった?」


祐太に声をかける下田先生。

「あっ 紺野先生。

 わかりましたよこの紙 ばらまいたやつ。」

「夜勤の子で見てた子がいるの。」

下田先生は谷口先生のところへ。

「おい!どういうことだよ お前。

 何で こんなん ばらまいたか説明しろ。」

「谷口先生…。」

「だってほんとのことじゃないですか。

 いつもきれい事ばっか言ってるくせに

 会社いたときは ひどいこと

 やってたんじゃないですか。」

「だから 何だよ。」

「だから 何って 

 そういうの間違ってるよ。だから 僕は…。」

「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ お前!」

谷口先生をしめあげる下田先生。

「下田先生。」

「紺野先生のこと悪者にしたってな

 お前が それよりましな人間ってことには

 ならねぇだろうが!」

「やめましょう。」

「すいません。 帰ります。」

おっていく祐太。

「谷口先生!」

「最低ですよね 僕。

 自分じゃどうしようもなくて

 嫉妬して やったんです。

 紺野先生が羨ましくて。

 自分でも わかってるんですよ

 間違ってんのは僕だって。

 でも 僕は…。」


「7年前 僕も間違えました。

 そのせいで

 取り返しのつかないことをしました。

 だから 僕は変わろうと思ったんです。

 変わりたいって。

 谷口先生も そうなんじゃないですか。」


部屋で、祐太といっしょにとった写真を
みながら昼間の会話を思い出し
涙するすず。

病院。

「また居残りですか。」

「宮田さんの様子が気になるんで。」

「じゃあ お疲れさまです。」

「お疲れさまです。」

帰ろうとしてまたとどまる沢村先生。

「お昼に すずさんと話しましたよ。

 彼女には黙ってたんですね 昔のこと。

 でも すずさん全部 知ってましたよ。

 紺野先生がどんな気持ちで会社辞めたのか

 どうして医者になろうと思ったのか。」

「逃げただけです 僕は。

 社会に出て 仕事 覚えて 

 少しずつ それに慣れて。

 僕だって わかってました。

 世の中きれい事だけじゃ回らない。

 利益を上げるためには

 切り捨てなきゃいけないものがあるって。

 だから下請けの社長が死んだときも

 僕のせいじゃないって思ってました。

 悪いのは会社で

 僕は 上司の指示どおりにやっただけだって。」

「実際 そうじゃないですか。

 だから 辞めたんでしょ?」

「違いますよ それは。

 ただの言い訳です。」

葬儀でおいかえされた祐太。

「帰ってください。

 主人を静かに送りたいんです。

 お願いですから。」


「倉田社長は僕が入社して
 
 本格的な仕事を任されたときからのつきあいでした。

 誠実な人で こっちの無理なお願いも

 いつも全力を持って応えてくれる人でした。

 僕は 会社の命令でその人を切り捨てたんです。

 会社の中の僕自身の立場を守るために。

 僕は会社に失望したんじゃなくて

 そんな自分に失望したんです。」


「だから 会社を?」

「それでも そのときの僕は
 
  まだ会社を辞める勇気なんてありませんでした。

 そのあと 落ち込んでる僕を

 すずがキャンプに誘ってくれて。」

そしてあの事故。

「彼女が病気を抱えることが

 医者になることを決めたきっかけでした。

 シンプルに生きれると思ったんです。

 医者は 病気や けがを治して

 人を助けることだけを

 考えていればいいと思って。

 僕は すずの事故に逃げたんです。」


「もし… 事故が起きてなかったら?」

「きっと…会社に残ってたと思います。

 僕は そんな立派な人間じゃありませんから。

 きっかけが なかったら

 人生をやり直そうなんて 

 考えなかったと思います。」


「そうですか…。

 はぁ〜。

 今の話聞いて少し ほっとしました。

 紺野先生が生まれつき

 空気の読めない
 
 お人よしじゃないって わかったんで。」

「どうして ほっとするんですか?」

「どうして… ですかね?」

「考えときます。

 じゃあ お先に。」

翌日、谷口先生は欠勤。

「だめだ。 出ないっすよ。」

「無断欠勤ですか。」

「ちっ あのばか。

 よりによってカンファレンスある日に!」

「それでは 本日のカンファレンスは以上となりま〜す。」

「谷口先生は今日は お休みかな?」と教授。

「あぁ… いえ。無断欠勤です。」

「そうなの?

 いや〜 困ったね。彼のお父さんは私と同期でね

 よろしく頼まれてるんだが。

 まっ理想の高い人間が近くにいると

 気が めいってしまうのかもね。

 ああいう 打たれ弱いタイプは。はははっ。」

と祐太をみて笑う教授。

「あいつ このまま辞める気かよ。」

「そうなったら そうなったでしかたないでしょ。」

「つうか沢村先生が電話してくれって。

 そしたら あいつ出るかもしんねぇし。」

「はっ? 何それ。」

沢村先生の携帯で祐太がかけると
谷口先生がでました。

「あっ 谷口先生ですか?

 僕 紺野です。

 あっ…。 切られた。」

「わっかりやすいな あのばか。」

「もういいでしょ。 返してください。」

もう一度かける祐太。

「もしもし。何なんですか もう。」

「何ですかって 無断欠勤しちゃまずいですよ。」

「紺野先生には関係ありません。」

「同じ研修医ですから。」

「そっちだって 僕なんかともう関わりたくないでしょ。」

「何でですか?」

「もういいです。紺野先生と話してると

 どんどん自分のこと嫌いになっちゃうんで。」

「待ってください。」

「僕 今から迎えにいきますから。」

「だから そういうおせっかいが…。」

そのとき事故がおこり悲鳴が。

「ちょっと 大丈夫?・大丈夫ですか!」

「おい 救急車!救急車!」

「どうしました?」

「じ… 事故です。自転車と人が ぶつかって。」

「救急車 早く!」

「この人 息してねぇよ。」

「息してないって。」

「落ち着いてください。

 すぐ応急処置しないと。」

「無理ですよ 僕には。」

「無理じゃありません。

 実習で応急処置は習ったはずですから。

 落ち着いてやれば。」

「でも…。」

「医者なんですよ 谷口先生は。」

携帯をうばいとる沢村先生。

「しっかりしなさいよ!谷口。

 あんた変わりたいって思ってるんでしょ。

 ここで逃げたら いつ変わるのよ!」


その声に目がさめた谷口先生。

「すいませんと… 通してください。

 僕 医者なんで。 すいません。

 息してない…。」

「そうだよ さっきから。」

「まず 心臓マッサージから。

 だ… 誰か!誰か AEDを!」

そして救急車が病院に到着。
かけよっていく祐太をまた誠がみていました。

「谷口先生。」

救急車からおりた谷口先生は
気がぬけてその場にすわりこんでしまいました。

「あぁ…。」

「おい 大丈夫かよ。」

「助けた…。

 あの人のこと… 助けられた。」


「そりゃそうでしょ。医者なんだから。」

「助けられてよかったですね。」

「はい。 ううっ…。」

「おい。 そんな泣くなよ お前。」

「ううっ…。だって… だってさ…。

 ファーストキスが…。」

「あぁ。」

そこか!

祐太にあいにきた誠。

「今日で 作業終わったんで挨拶しとこうと思って。」

「お疲れさまです。」

「俺も おふくろも…

 多分 おやじも

 やっぱり 一生

 あなたのこと許せないと思います。

 これからも ずっと。

 でも おやじの墓に報告は しときますから。

 紺野さんも 

 新しい場所で 頑張ってるって。」


誠の後ろ姿に深々と頭をさげる祐太。

「ちょっと 飲みにいきます?」

「僕の おごりでですか?」

「割り勘でいいですよ。何か すっきりしたんで。」

「すっきり?」

「ええ。 何となく。」

「だから 割り勘ですか?」

「嫌なら べつにいいですけど。」

「いえ 構いませんよ。」

「よし。 じゃあ行きましょう。ふふふっ。」

と腕を組んで歩くふたり。
そこに携帯メール。

そしてすずがいました。




谷口先生、小学生かと思うような
レベルの低い行為・・。
だけど祐太を前にすると
どんどん落ち込むという気持ちはわかる。
ああいう場でとっさに応急処置ができると
かっこいいんだけど(水川あさみさんは
医龍でもやってなかったっけ)
みんながみんなそういうタイプじゃないし
救命救急にはむかなくても
あのやさしい雰囲気があう診療科もあるはず。
最後にはちゃんと事故にあった人を
蘇生させられてたし、自信と経験は
徐々に積んでいくのがいいと思う。

祐太が医者になった理由はすずのためじゃなくて
すずの事件はあくまでもきっかけ。
サラリーマンで上司の方針にさからうのは難しいでしょう。
(錦戸君が前にやってたドラマでは
 逆らって他の人守ったら自分が首になってた。)

でもずっと親しくしてきた相手を切ってその相手を切って
自殺してしまったのを平然と受け止められるほど
非人間的じゃないし、
悔んで、病んでもおかしくないところを
人を助けられる仕事を、
と医者をこころざしてしまうのはすごい。
それだけの能力(学力)もあってのことですが。

一度失敗しているからこそ、今は多少、障害があっても
新見先生や佐伯教授に何を言われても
へこたれないんでしょうね。




紺野祐太 草なぎ剛
沢村瑞希 水川あさみ
下田健太郎 八乙女 光
谷口篤志  桐山 漣

葛城すず   ミムラ

佐伯毅彦   松平健
森下和明   田辺誠一
新見  悟   斎藤 工
中島  保   鈴木涼介
相澤直美   真飛  聖











2012.05.16 Wednesday 08:53 | comments(0) | trackbacks(2) | 
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