<< January 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
amazon
楽天ブックス他
楽天ほか

鍵のかかった部屋 エピソード8

エピソード8



榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)、芹沢豪(佐藤浩市)と
ともに、遺体となって発見された人気漫画家・中田文恵(渡辺めぐみ)
の自宅にやってくる。玄関でまず榎本らを出迎えたのは
激しく吠える犬だった。案内した文恵の姪・友香(志田未来)は、
この犬は文恵以外の人間が通ると必ず吠えるのだ、と説明した。
文恵には、橘麻美(岩佐真悠子)と安西理佳子(MEGUMI)という
アシスタントがいて、自宅兼作業場の文恵の家に毎日
通って来ていた。文恵が亡くなった日、麻美は朝から
午後5時頃まで仕事をして帰宅、その後、午後10時頃に
やってきた理佳子が作業場で死亡している文恵を発見、
通報したという。 現場は、玄関とすべての窓に鍵がかかった
密室だった。アシスタントは合鍵を持っているが、
犬に吠えられずに入室することは不可能だった。
近隣住民の証言で、午後5時に麻美が帰宅してから
午後10時に理佳子がやって来るまでの間、犬は一度も
吠えなかったとわかった。 警察は、酔った文恵が
資料につまずいて転倒、その拍子に棚から落下した置物が
頭を直撃し死亡したと推定。純子らが友香から話を聞いていると、
自分はやっていないと、麻美が入ってきた。その後、庭で
犬が吠える声がして、今度は理佳子がやってきた。
犬が苦手だという理佳子は、超音波で犬を撃退する道具を
持っていた。 別室での検証を終えた榎本は、もうひとつだけ
確認したいことがあると言い…。




「たとえ 家じゅう全ての ドアと

 窓の鍵が 掛かっていたとしても

 玄関の合鍵を 持っている人物が

 存在するなら

 その家は 密室とは言えません。

 ここで ある女性の遺体が発見されたとき

 この家は そのような状態でした。

 しかし この家は ある理由で

 密室になっていたんです。

 では その理由とは

 何だったのでしょうか?

 人が 1日で得る情報量の約 8割は

 目から入ってくるといわれていますが

 今回の事件だけは決して

  目で追ってはいけません。

 におい。 音。 感情。

 見えないものにこそ

 真実が 隠されています。」



コメンテーターとしてめざましテレビに出演している芹沢。
テレビをみている純子と里奈。

「あれだけテレビには 出たくないって言ってたのに

 いざ出たら これだもんね。」

「先生が成功する理由分かります。」

「では 続いての コーナーは

 気になるニュースの 裏側を取材する

 ニュース キャッチup!です。

 『事故か 他殺か?謎の密室事件』

 これは 3日前に亡くなられた人気漫画家

 中田 文恵さんの事故のことなんですが

 どうも この事件 他殺の可能性があるらしいんです。

 その点に関しては 中田さんの めいごさんであり

 タレントでもある 中田 友香さんに詳しく

  お話を伺ってみましょう。中田さん。」

「よろしく お願いいたします。」と友香。

「中田さん。 まず 他殺の可能性があると思われた

 理由というのは?」

「叔母の遺体が発見されたときそこは 密室でした。

 だから 警察は 一人でお酒を飲んでいた 叔母が

 物にぶつかり 大理石の置き時計が頭に落ちてきた

 不運な事故と判断したようです。

 でも 引っ掛かる点が一つだけ あるんです。」

「その引っ掛かる点というのは?」

「はい。 死亡推定時刻は6月5日 午後 6時から

 午後 8時ごろ。遺体発見は

 同日 午後 10時11分となっています。」

「叔母の死亡推定時刻はそのとおりなんですが

 6時すぎに 私は叔母と 電話で話しているんです。

 そのとき 叔母はこう言いました。

 今 アシスタントと2人で 飲んでいるって。」

「それだと 警察の判断と食い違いますよね?」

「警察は 密室を理由に叔母の発言は

 酔っていたためのものだというんですが

 もし それが ホントだとしたら。」

「事故に見せ掛けた密室殺人で あるという可能性も。」

「はい。」

「なるほど。 事故か 他殺か?」

「うーん。あっ。 そういえば 芹沢先生。

 先生は密室殺人を 解決されたことがおありでしたよね?」

「あっ。 ええ まあ。」

「私も 週刊誌で先生の記事 拝見しました。

 これまでにだいたい 何件くらい?」

「あっ いや。大したこと ないっすよ。 あの。

 7件ぐらい。」

「7件も!?」

「そんなに?」

「企業法務専門の弁護士先生かと思ってましたけれども

 幅広く 活動されてるんですね。」

「あっ。 いや あの。企業法務が 専門なんですが

 企業法務しか 受けないような 

 拝金主義の弁護士と 違いまして

 私が 依頼を受ける基準はですね

 そのう 大きいとか小さいとかじゃなく
 
 その方が どれだけ 困ってるか。

 そういうことが私の信条でございます。 はい。」

「じゃあお願いしても いいですか?」と友香。

「はい?」

「独り身の叔母は小さいころから私を

  本当の娘のようにかわいがってくれました。

 私も 叔母が大好きでした。」

「いや。 ちょっと…。」

「不審な点が 残るかぎり私は 叔母の死を

 受け入れることが できません。だから お願いします。

 叔母の死を 調べてください。お願いします。」

頭をさげる友香を前に断れない。

「お顔を上げて。

 お任せください。

 必ずや 真実を

 白日の下にさらしてみせます。

 正義の名に懸けて。」


テレビにむかって決め顔。

だけど純子たちには愚痴。

「どうして 俺が こんな面倒な案件

 やんなきゃなんないんだよ?」


「私に言われても 困ります。

 引き受けたのは芹沢さんなんですから。」

「ともかく 一刻も早く解決しよう。 あいつ 呼べ。」

「あいつ?」

「あいつったら あいつでしょう。」

もちろん榎本!

「それでは まず 中田さんが亡くなった日のことについて

 教えていただけますか?」

友香が説明。

「叔母の家は自宅 兼 作業場で2人 いる アシスタントが

 毎日 通っています。ただ その日は 午前 9時から

 仕事をしていた橘 麻美さんが 午後 5時ごろに

 帰ったそうです。もう一人の 安西 理佳子さんは

 夜から 作業を始めようと午後 10時ごろに

 来たらしいんですが そこで 合鍵を忘れたことに気付き

 庭に回って 作業場にいる 叔母を呼ぼうとしたところ…。」

倒れている先生を発見した理佳子が通報。

「理佳子さんが通報したのは午後 10時11分。

 その 5分後の 10時16分に救急隊が 到着しました。

 そのとき 玄関は もちろん 全ての窓には

  鍵が掛かっていました。つまり 密室だったんです。」

「ちょっと 待ってください。

 さっき 合鍵って 言いました?」

「はい。作業場ですから

  アシスタントの方は合鍵を持っています。」

「それでは 密室とは言えませんね。」

「そうじゃないんですよ。

 確かに アシスタントの人は自由に 出入りができました。

 それでも あの家は完全な密室だったんです。」

現場の家に案内してもらいました。

「こちらです。」

「よし。 行くぞ。」

「芹沢さん また気合 入ってますね。」

「当たり前だろ。

 テレビの前であんなこと 言っちまったんだ。

 いいかげんな 調査はでき…。」

そこで犬にほえられました。

「うおっ! あっ!びっくりした!」

「これです。数カ月前に 叔母が飼い始めた 犬なんですが

 叔母以外の人間が通ると必ず 吠えかかるんです。

 吠える声が うるさいって頻繁に 苦情があるんですけど。

 近所の人たちの 証言によると 事件のあった日の夜は

 麻美さんが帰ってから理佳子さんがやって来るまでの間

 犬の声は 一度も聞こえなかったらしいんです。」

「その間 あの。そこの玄関 通った人間

 誰も いなかったんですか?」

「はい。」

「なるほど。だから 密室なんですね。」

「もし 他殺なら 犯人はどこから 出入りしたのか?

 それが この事件の謎なんです。」

「では どうぞ 中へ。

 現場は 遺体発見時の状態をそのまま 保存しています。

 自由に 調べてください。」

「あの。通報を受けた 救急隊はどっから 入ったんですか?」

「玄関です。初めは 窓を破って入ろうとしたらしいんですが

 近くに住んでいるもう一人の アシスタントさんが

 駆け付けてきたので その合鍵を使って 入ったそうです。」

「ここは 叔母たちの作業部屋です。」

「中田さん かなり いい時計をお持ちだったんですね。」

時計のコレクションがいっぱい。

「叔母は かなりの コレクターで。」

「私も そうだったんですけどね 先日 空き巣に入られまして。

 インフィニティにロングアイランド。

 あっ。 トノウ・カーベックスのメンズも 持ってらしたんだ。

 時計 一つだけ 止まってますよ。」

「それ 叔母が 一番大切にしてた 時計なんですが

 叔母が亡くなった夜に止まったみたいなんです。」

「あっ。 ホントだ。5日の 10時15分で 止まってる。」

「あの。 このトノウ・カーベックスどちらで…。」

「もしかしたら 叔母の怨念が止めたんじゃないかって。」

「まさか。友香さん。」

「中田さんは どちらでお亡くなりになってたんですか?」

「あちらです。

 これは あくまで警察の推察ですが

 叔母は 酔っていたようで。それで 資料に つまずいて

 棚に ぶつかり その弾みで。」

大きな置き時計。

「ああ。 これ かなり 重たいですね。」

「私が 電話をしたとき 叔母は ここで

 アシスタントと 2人で飲んでいると 言っていました。

 でも…。」

「グラスが 一つしか なかったら一人で

 飲んでるように見えますね。

 密室の中で 一人酒。

 これなら 警察も事故だと 判断するでしょうね。」

「逆に もし これが 他殺なら 

 犯人は 中田先生を置き時計で殺した後

 偽装工作したってことになりますね。」

「私は やってませんよ。」とそこへやってきた麻美。

「私は 先生を尊敬してたし

 先生は 私の才能を誰よりも 認めてくれてた。

 そんな私が 先生を殺すなんて絶対に あり得ない。

 それだけ 弁護士先生に伝えたくて 来たんです。

 後で 色々 聞かれるの面倒だから。」

そのとき犬の吠える音がきこえました。

「あっちへ 行ってよ もう。ちょっと。あっ。」と理佳子。

「ちょっ。何やってるんですか?そんなもん使わないでくださいよ。」

と何かとりあげる麻美。

「ごめんなさい。 つい。」

「それは 何ですか?」

「あっ。 これK9キャンセラーといって

 犬にしか 聞こえない超音波を使って

 犬を撃退する 外国の機械です。私 犬が 苦手で。」

「で 何しに来たんですか?理佳子さん。」

「友香ちゃんに 弁護士の先生が来るって 聞いて。

 あっ。 初めまして。中田の 一番弟子の

 安西 理佳子と申します。

 私は 先生を信じて10年も 付いてきました。

 芹沢先生。 お願いします。亡くなった 中田先生。

 そして 友香ちゃんのためにも

 ぜひ 真相を解明してください。」

「できるだけのことはやってみます。」

「ホントにそう思ってんですか?」と麻美。

不穏な空気・・の中、榎本の声。

「終わりました。

 あと もう一つだけ 確認しておきたいことがあります。」

隣の家にききこみ。

「中田さんの遺体が発見されたときまで

 犬の声が 一度もしなかったということですが

 間違いありませんか?」

「間違いありませんね。今度 夜に吠えたら

 苦情の一つでも 言ってやろうと思って

 ずっと 張ってたんですよ。それで いざ 吠えたと思ったら

 今回の事件。遺体が 発見されたときでした。」

「そうですか。ありがとうございました。」

「ちょっと 待って。警備会社の人だよな?

 うちにも 防犯カメラ付けてくれないかな?

 この辺 泥棒が多くて物騒なんだよ。」

「分かりました。すぐに 担当の者を手配します。」

そして榎本の部屋へ。

「2人とも ちょっと話 聞いてくれ。

 まずは 俺の所見から 述べる。

 今回の事件は 間違いなく 事故だ。

 ただし これは調査を 早く 終えたいから

 言ってるわけじゃない。

 理由は 大きく分けて 2つ ある。

 まずは 中田さんは 死ぬ直前まで酒を飲んでた。

 だから 乱雑に積まれた 資料に足を取られて

 転倒する可能性は十二分に ある。

 そこに高さ 約 2mの棚の上から5kg近い 置き時計が

 後頭部に落下。

 不運なことだがそれで 命を落としたとしても不思議はない。

 次に 隣人の証言だ。

 事件があった夜遺体が発見される 直前まで

 犬が鳴かなかったということは

 誰一人 訪問客はいなかったということだ。

 つまり 中田さんが死んだとき

 中田さんの家には警察の判断どおり

 彼女しかいなかったということになる。

 加えて 言うならばアシスタントの言動にも

 さして 怪しい点は見当たらなかった。

 以上のことから 今回は事故だと 判断いたしました。」

「ただ そう言い切るためには

 あそこが 完全な密室だったという証明が 必要ですよね?」

「そのとおり。 で どうだったんだ?榎本。 あの家は。」

「全ての窓には クレセント錠と防犯用の 鍵付きサブロックが

 掛かっていました。これが 友香さんが言ってたとおり

 事件当時のままであるならばこの状態の中

 玄関以外の窓から 出入りして中田さんを殺すということは

 絶対に できません。」

「だとすれば 犯人がいたとすると

 玄関を通るしか なかったわけだ。」

「そういうことになりますね。

「これで完全な密室が 証明されました。

 今回の事件は 事故で 間違いなし。

 異議 ないね?

 異議 ないね?はい。 じゃあ 解散。」


芹沢w

「ちょっと 待ってください。」

「何だよ?」

「私は この事件他殺だと思います。」

「フッ。 今 俺がさ散々 説明してきただろ。

 これは 明らかに 事故なんだよ。何 聞いてたんだ? お前。」

「いや。 私も さっきまではそう思ってました。

 でも これ 見てください。」

「何だよ? これ。」

「現場にあったレシートの内容です。

 レシートによると事件のあった日

 中田先生は午後 5時45分に 駅前のスーパーで

 ビールを 4本 購入しています。

 でも その日の お昼すぎに中田先生は

 出版のお祝い品として 同じ銘柄のビールを

 受け取ってるんですよ。」

「お前さ 何 言いたいんだよ?」

「ビールを買ったのは先生ではなく 別の人間。

 つまり 犯人が 先生が 一人で
 
 お酒を飲んでいたという 状況を

 偽装するためにお酒を買ってきたんですよ。

 だけど すでにビールがあることを 知らずに

 同じものを 買ってきてしまった。

 やっぱり あの場には犯人がいたんです。」

「仮にだ。 仮に 百歩 譲ってお前の言うとおりだとしよう。

 じゃあ その犯人はさどっから 出はいりしたんだよ?」

「それは…。」

「榎本が 言ってただろ。

 あそこは完全な密室だったんだよ。

 その時点で もう他殺の線は 消えたんだ。」

「言ってませんよ。」

「えっ?」

「僕は 完全な密室だなんて 一言も言ってません。」

「じゃあ お前も 事故じゃなかったって言うのかよ?」

「はい。おそらく 他殺だと思われます。」

「そうですよね? 榎本さん。」

「じゃあ 根拠は?」

「玄関の補助錠です。」

「補助錠?」

「中田さんは 通報を受けた救急隊によって

 最初に 死亡が確認されています。

 その救急隊は 玄関のドアから中に入ったそうです。

 そのとき もし 玄関に補助錠が掛かっていれば

 通常は その鍵を破壊して中に入ります。

 しかし 補助錠には 傷 一つ付いていませんでした。

 ということは そのとき 補助錠は

 掛けられていなかったことになりますが 

 これが あまりにも不自然なんです。」

「どこが?」

「中田さんの家がある 辺りは非常に 泥棒が多い エリアです。

 防犯のために 番犬を置き玄関の鍵を ピッキングに非常に強い

 10列からなるダブルピンタンブラー方式を採用した

 ディンプルキーに新しく 交換していました。

 さらには 玄関内の補助錠や全ての窓に 取り付けられた

 鍵付きサブロック。

 つまり 中田さんは 非常に防犯意識が高い人なんです。

 そんな中田さんが 一番警戒しなくてはならない

 玄関の補助錠だけを一人でいた夜に

 掛け忘れるとは 思えません。」

「芹沢さん。 やっぱりこの事件は 他殺なんですよ。」

「補助錠が どうであれ 玄関を通らなければならなかった以上は

 犬がいたんだから 密室なんだよ。

 そんな中で どうやって犯人が 殺人を犯せるんだい?」

「今は まだ 分かりません。

 ただ それが 他殺であるならば

 破れない 密室なんて

 この世に 存在しません。」

 
「かあー。 何だよ? その言い方。気に入らないな。 おい。

 詭弁だよ 詭弁。俺は 納得しないからな。 えっ?

 密室が 破れない以上 他殺じゃないんです!

 ああ。 もう 事故だよ 事故。あれは どう見たって

 誰が見たってお前 事故じゃないかよ。

 もう 何で そんなことも分かんないのかな? ホントによ。」

とでていってしまう芹沢ですが
事務所に戻るとマスコミがおしかけていました。

「芹沢さん。 その後中田 文恵先生の事件のことでは

 何か 分かりましたか?」

「落ち着いてください!落ち着いてください!」

「過去に 7件もの密室殺人事件を 解決してきた

 芹沢先生が 動くということは

 今回も 他殺ということですよね?」

「結論を 急がないでください!」

「われわれは 芹沢さんが犯人を暴くことを

 期待していいんですよね?」

「期待?」

「そうです。期待してます。

 もちろん 何か引っ掛かってるんでしょ? 」

「先生。ホントは 分かってるんでしょ?」

「芹沢先生。 どうなんですか?」

「一言でいいので お願いします。」

うなずく芹沢。

「おおー。」

「ということはやっぱり この事件は?」

「他殺です。」

wwwww

「やっぱり そうか。」

「それでは 先生。どのように家に 出入りしたんでしょうか?

 犯人は。」

「密室の謎はもう 解けてるんですよね?」

「解けてるんでしょうね。」

「そこまでは あの まだ。」

「あっ。 まだ?「えっ?」

「そうか。 そうですか。じゃあ。 じゃあ また。」

「失礼します。」「分かったら。 失礼します。」

記者たちがひきあげていきました。

「ちょっと 待ってください。

 ただそれが 他殺であるならば

 破れない 密室なんて

 この世に 存在しません。」


さっきの榎本のセリフをパクったーー!!

また記者たちが群がりました。

「おおー。やっぱり 何か つかんでますね?」

「教えてください。」

「いや いや いや。まあ あの。

 私 芹沢 豪が必ずや

 皆さんが満足する 答えを導きだしてみせます。」

「おおー。 さすがです。」

「そもそも 芹沢先生。なぜ そこまで密室に

 こだわるんですか?」

「あっ いや。 私がこだわってるわけじゃないんですよ。

 まあ 何ていうか私の仕事に対する 姿勢。

 いや。 人生観かな。そういうふうに…。」

芹沢、榎本たちのもとへ
お弁当を持ってやってきました。

「おーい。」

「あっ。芹沢さん。 どうしたんですか?」

「ご飯 持ってきたよ。おなか 減っただろ。」

「何か 珍しいですね。」

「そんなこと ないよ。

 2人ともさ こんな時間まで頑張ってるんだから。

 それで どうなの?密室の謎は 解けたのかな?」

「それが 全然。今回は やっぱり

 芹沢さんの言うとおり事故なのかもしれません。」

「えっ?」

「芹沢さんが 言ってたことも もっともですし。」

「おいおい おいおい。待てよ 待てよ 待てよ。

 冗談じゃないよ。

  どう見たってお前 あれは 他殺だろうが。」



「えっ? さっきまでは

 あれほど 事故だって。」


「さっきまではさっきまでなんだよ!」

www

「結論を 急ぐなよ。ゆっくり 考えろ。

 ビールにしろ 玄関の補助錠にしろ

 現場は 不自然なことだらけだ。

 それから あの 2人のアシスタントな。

 あの2人だってさ 自分たちは犯人じゃないみたいなこと

 わざわざ 言いに来てさ。ああー。

 あれ 今 考えたら怪しさの塊だな。

 これだけ 条件が揃ってんのに

 お前は まだ事故だと言えんのか?

 誰が どう見たって 他殺だろうが。」

「でも まだ 密室の謎が。」

「密室の謎なんてさこの際 どうでもいいんだよ。

 大事なのはな 動機なんだよ 動機。

 容疑者の動機を探って

 誰が 犯人なのかを特定すればいいんだ!」

「そうですよね。 このまま 黙って考えてても

  仕方ないですもんね。

 私 友香さんに話 聞いてきます。

 いただきます。」

「お茶 入れようね。」

サービスのいい芹沢。

友香に話をきく純子。

「理佳子さんは 叔母に付いてもう 10年になります。

 叔母は 仕事には大変 厳しかったので

 多くの人が 辞めていきました。

 でも 理佳子さんだけは叔母を慕い

 ずっと 一番弟子としてアシスタントを務めてきました。

 一方の麻美さんは 1年前に入ったばかりなんですが

 とても 優秀な方で 珍しく 叔母から目を掛けられていました。

 私の知るかぎりでは叔母との関係は 良好でしたから

 2人が 叔母を殺す動機がまったく 見当たらないんです。」

「ちなみにアシスタント同士の関係は?」

「たぶん 最悪だったと思います。叔母は 今まで

 理佳子さんに任せていた 大事な仕事を

 だんだんと 麻美さんに任せるようになっていきました。

 さらには 理佳子さんが一度も 任されたことがない

 キャラクターデザインまでも。

 10年 やっていた 理佳子さんは

 入ったばかりの人に抜かれて

 相当 悔しかったんだと思います。それで…。」


わざとインクをこぼしたり・・。

「ただ 麻美さんもああいう性格ですから。」

先生にほめられたあとに

「まだやってるんですか?

 先生 さっきぼそっと言ってましたよ

 10年 やってんのに使えねえって」

と理佳子につぶやいたり。

それをきいた芹沢。

「なるほど。アシスタント同士は お互いを

 疎ましいと 思っていたとしても

 2人が 中田先生を殺す理由はなかったってことか。」

「色々 調べてはみたんですけど。」

「必ず 何か あるはずなんだ。」

そこへ入ってきた里奈。

「芹沢さん! 青砥さん!大変です!」

現場の部屋に空き巣が入ったらしく
荒らされて部屋はめちゃめちゃ。

「ひどいな こりゃ。」

「さっき 来たらこうなってて。たぶん あそこの窓から。」

「榎本さん この辺は 泥棒が多いって 言ってましたもんね。」

「ハァー。 せっかく事件時の状態を 保存してたのに。」

「時計は とられてない。

 あれ?これ K9って…。」

「理佳子さんのじゃ?」

「そうか。事件があった 状態のときに

 何か 犯人を特定するような重要な手掛かりが あったんだよ。

 安西 理佳子は それを消すために家ん中を 荒らしたんだ。

 この事件やっぱり 他殺だったんだよ。」

さっきひろったものを理佳子にわたす純子。

友香に話をきく榎本。

「部屋が荒らされたのはいつごろか 分かりますか?」

「昨日は 叔母の遺品整理をしていて。

 夕方 4時くらいに一度 出掛けて

 夜 9時に 戻ってきたらこうなっていました。」

理佳子と純子。

「間違いありません。これは 私のです。

 でも 私は 部屋を荒らしてなんか いません。

 やっぱり 泥棒の仕業だと思います。」

「じゃあ どうして これが?」

「皆さんと お会いしたときに落としたんだと思います。

 私 あれ以来あそこには 行っていませんので。」

「それは ホントですか?

 昨日の 夕方 4時から夜の 9時までの間

 どこで 何をしてました?」

「あっ。駅前の 漫画喫茶にいました。」

芹沢も待つ榎本の部屋に戻ってきた純子。

「おい。 どうだった?」

「理佳子さんの アリバイは完璧でした。」

「ハァー。 また振り出しに 戻っちまったか。」

「完全に 行き詰まりましたね。

 犯人が 分からない以上 やっぱり 密室の謎を

 先に解いた方がいいのかもしれません。」

「密室か。要するに 犬に吠えられずに

 どうやって 犯人が玄関を 出入りできたかが

 分かりゃいいんだよな?」

「それが 一番の謎ですからね。」

「分かった。

 犬はさ 外見じゃなくてにおいで 判断するよな?

 だから 犯人は中田さんの衣類を 身にまとって

 犬の横を 通り抜けたんだよ。

 中田さんの においがするから犬は吠えるはずがない。」

「でも 犯人が 自分の服を着てたら

 中田先生は どう思いますかね?

 それに 犬の嗅覚は 人間の数万倍とも いわれてますから

 他人の服を着てても嗅ぎ分けられると思います。」

「だったら これは どうだい?

 別の敷地から中田さんの家の下まで

 穴 だーんと掘るんだ。『大脱走』みたいに。」

「ホントに そう思ってますか?」

「これなら どうだよ?バウリンガルだ。

 バウリンガルってあったじゃないか。 ほら。

 犬と会話ができるっていう 機械。

 なあ? あれ 使うんだよ。

 犬は 必ず 犯人を見てるはずだ。

 だからさ あの機械を使って聞くんだよ。

 『どうして 吠えなかったの?

 犯人の名前は 何?』って。

 そうすりゃさ。そう… そうすりゃさ。

 犬が 人間の名前 分かるのかよ?」


芹沢・・・。

「芹沢さん。 これだけ 調べても分からないってことは

 もしかしたら 今回の事件は

 ホントに事故なのかもしれませんね。」

「まさか。

 まさか そんなわけないだろ。そんなわけ。」

「他殺です。

 破れない 密室なんてこの世に 存在しません。」

とコメントする芹沢がテレビにうつっていました。

「終わった。 終わっちまったよ

 俺の弁護士人生。

 信用を得るためには

 長い年月 かかるけど

 失うときは 一瞬だよ。フッ。 ヘヘッ。 フッ。」


「犯人が 分かりました。」

「ホント?ホントに?」

「ええ。 間違いありません。」

「ああ。 よくやった。

 榎本。 ホントに よくやった。礼を言うよ。

 で 中田先生 殺したのは誰なんだ?」

「いえ。 分かったのは 

 中田さんの家を 荒らした犯人です。」

「そっちなのか。」

「先日 中田さんの お隣さんが

 東京総合セキュリティの

 マイホームカメラシステムを導入しました。

 防犯カメラの 撮影範囲は中田家の玄関周りも 含まれます。

 それで 今昨日の 夕方 4時から夜の 9時までの映像を

 調べてみました。」

「じゃあ それに 家を荒らした泥棒が

 映ってたってことですか?」

「そうです。 正確には泥棒では ありませんが。

 犯人は この人です。」

「麻美さん!?

 だとしたら 麻美さんが証拠隠滅のために 家を荒らして。

 そして その罪を理佳子さんに かぶせようと

 ストラップを残したってことですかね?」

「そうか。 分かったぞ。 おい。」

「えっ?」

「密室は 破れました。今度は 間違いない。

 どうして 俺たちはこんな簡単なことに

 気付かなかったんだよ!」

「どういうことですか?」

「あんときのことよく 思い出してみろよ。

 俺たちは 犬が鳴くことによって

 安西 理佳子の到着には気付くことができた。しかし…。」

「橘 麻美の到着には気付けなかった。」

「そういえば あのとき犬の鳴き声は しませんでした。」

「つまりだな 橘 麻美に犬は懐いてたんだよ。」

「でも あの犬って 中田先生以外には懐かないんじゃ?」

「それは 違います。

 実際には餌で 手なずけられない犬はほとんど いません。」

「そう。だから 橘 麻美に 犬が懐いていても 不思議じゃない。

 懐いた相手に 犬は吠えない。」

「じゃあ 麻美さんには犯行が 可能だったってことですね?」

「そう。犯人は 橘 麻美で 間違いない。」

「すごい 芹沢さん!」

と二人が喜びますが・・。

「それも 違います。

 事件の犯人は麻美さんでは ありません。」

と榎本。

「えっ?」

「何でだよ? 犯行が可能なのは彼女しか いないだろ!?」

「確かに 麻美さんには犯行が可能です。

 しかし 麻美さんが犯人ではないということは

 すでに 青砥さんによって証明されています。」

「私が?」

「例の ビールです。犯人は ビールが届いてることを

 知らずに 同じものを買ってきてしまったんだと思われます。

 そのビールが届いたのは午後 1時から 3時の間。

 しかし その日は午前 9時から 午後 5時まで

 麻美さんが 作業をしていました。

 つまり 麻美さんがビールが届いたことを

 知らないはずが ないんです。

 だから 麻美さんは犯人では ありません。」

「じゃあ どうして 麻美さんは

 家を荒らしたりしたんですか?」

麻美本人にききました。

「私が?あれ 泥棒の仕業ですよね?

 だいたい 犬が私に 懐いてたのだって

 犬が好きで毎日 餌 あげてたら

 勝手に 懐いちゃっただけですし。」

「6月12日の 午後 8時12分。

 あなたが中田さんのお宅に 忍び込む姿が

 隣の家に設置された防犯カメラに 映ってたんですよ。

 中田さんのお宅を 荒らしたのはあなたですね?」

「この事件の犯人はあいつです。

 だから 一刻も早く捕まえてほしくて。 それで。

 ああすれば 皆さんの疑いの目があいつに いくと思って。」

「でも 麻美さん。そもそも どうして 理佳子さんが

 犯人だと思ったんですか?

 もしかして 何か 隠してます?」

話をきいて帰る3人。

「これで 動機は 分かったな。」

「後は 密室の謎をどう解くかですね。

 うわっ。 ああー。」

「どうしたの?」

「これ もしかして モスキート?」

「俺も さっき 刺されたよ。」

「いや。 違いますよ。

 若い人にしか 聞こえない高周波の音を出す 機械です。

 公園とか コンビニとかにたむろする 若者を

 追い出すために使われたりするんですよ。

 やっぱり芹沢さんぐらいの年になると

 ホントに 聞こえないんですね。」

「あっ。 これ。これ モスキートなんだ。」

きこえるふりしたww

「分かります?」

「うわっ。 何か さっきからさ何か 俺も

 何か 出てけ 出てけみたいなそんなこと

 言われてるような気がすんだよな。 これ もう。

 うわっ。 嫌 もう。 くっ。何… 何だよ? もう。 ああー。

 チッ。 ああー。 ああー。

 うわー。 きついな 今日の。ああー。 ああー! ううっ。」

榎本がいつもの指を動かすポーズ。

「あれ? 榎本。 それ あれか?いつもの きたか? おい。」

「あっ。 芹沢さん。 耳は?」

「えっ?ああ! うわっ。 モスキート。ううっ。

 もう 許してくれよ。 おい。かあー。 くっ。」

笑いすぎて涙でる!

鍵があきました。

「そうか。そうだったのか。

 密室は 破れました。」


理佳子を現場によびました。

「お話って 何でしょうか?」

「ようやく 分かりました。

 あなたが中田先生を殺した理由が。」

「あっ。何を言いだすかと思ったら。」

「あなたは 本当に 残酷な方です。

 10年も 面倒を見てくれた先生を殺してしまうなんて。

 理佳子さん。あなた 中田先生から

 アシスタントを首にされる予定だったんですね。

 あなたは 麻美さんに激しく 嫉妬心を抱き。

 先生が 麻美さんを残して 

 いつか 自分を見捨てるんじゃないかという

 恐怖心を 持っていた。

 でも 10年の信頼関係がある。

 だから どこかで 安心はしていた。

 しかし…。」

『これ 聞きました?アシスタントを

 もう一人 増やすってわけじゃないらしいですよ。

  先生 前にも 言ってましたよ。

 役立たずの 理佳子さんの代わりは いくらでもいる

 そろそろ 代え時だって。じゃ お疲れさまです』

他にもいろいろ言われた言葉が頭の中をぐるぐると。

「その瞬間 10年 かけて

 築き上げてきたものを全て 失った。

 だから あなたは 先生を恨んだ。

 先生に対する 思いが強かった分

 その反動で 憎しみも強くなり。

 そして殺意が 芽生えた。」

「ハァー。なるほど。

 確かに そう考えれば 私には動機があるかもしれません。」

「理佳子さん。どうして もっと先生を 信じることが

 できなかったんですか?

 確かに 先生は アシスタントを募集するつもりでした。

 でも あなたを 首にするつもりはなかったんですよ。

 あれは 全部麻美さんの嘘なんです。

 先生を尊敬する 麻美さんは 長い年月をかけて 築いた
 
 あなたと 先生の関係をうらやんでいた。

 つまり麻美さんも あなたに 嫉妬して

 嘘をつき続けていただけなんです。

 だから 中田先生を殺す必要なんてまったく なかったのに。」

「嘘よ。そんなの 嘘に決まってるでしょ!

 あなたの話は 何もかもでたらめ!

 想像に すぎないわ!」

「そのとおりです。

 実際のところあなたが 何を思っていたのか

 私には 分かりません。

 でも あなたが中田先生を殺したことは紛れもない 事実です。」

「事実?だったら 説明してよ。

 この密室で 私が どうやって中田先生を殺したのか?」

「この家の玄関から出入りするには

 必ず 犬の前を通らなくてはなりません。

 ある意味では 犬自体が鍵となっています。

 この鍵を どう処理するのか?

 これが 今回の事件のポイントです。

 まず 殺害計画を実行するには当然ですが

 犬に吠えられてはいけません。

 そのために 犯人は あらかじめ

 犬を餌付けして 懐かせました。

 そして 事件当日 犯人は堂々と 玄関から出入りし

 犯行に及んだのです。」

「そうね。そう考えれば 犯行は可能ね。

 でも あなたも 知ってるわよね?

 私が 犬に吠えられてたことを。」

「話は まだ 終わっていません。

 このトリックには続きが あるんです。

 犬に懐かれてることを知られると

 それが 証拠となり 犯人として 疑われます。

 だから 犯人は中田さんを殺害後

 再び 犬に嫌われることでその証拠を消したんです。」

「面白い発想だけど そんなことできるわけないじゃない。」

「簡単に できます。これを使えば。

 愛情や 怒り。

 犬は 人間と ほぼ同じ感情を持つと いわれています。

 だから 犬も 人間と同じで

 信用を得るためには

 長い年月が かかりますが

 失うときは 一瞬なんです。

 
 つまり 犯人は中田さんを殺した後

 一度 家を出ていきました。

 それから 数時間後再び やって来て

  犬撃退用のK9キャンセラーを使い

 一瞬のうちに 嫌われたんです。

 ただ 犬が吠えれば

 その場にいたことを 誰かに目撃される 恐れがあります。

 そのまま 何もせずに 帰ると

 かえって 怪しまれるので

 犯人は あえて 第一発見者を装うことにしたんです。」

「あなたの言いたいことはよく 分かった。

 でも それは私に 犯行が可能であることを

 示してるだけで私が 犯人である証拠にはならない!

 それとも 他に 何か証拠でも あるっていうの?」

「確かに あなたが犯人であるという証拠など ありません。」

「フッ。 そうよね?そうに決まってるわよ。

 だって 私 犯人じゃないから。」

「しかし中田さんが亡くなった後

 あなたが K9キャンセラーを使ったという 証拠なら
 
 あります。」

「そんな証拠 どこにあんのよ?」

「これです。」

「そんな時計が 何だっていうの?」

「中田さんは 多くの時計コレクションを 持っていました。

 その中でも お気に入りだったこの時計だけ

 なぜか 中田さんが亡くなった6月5日の

  10時15分で止まっていました。

 しかし これは 中田さんの怨念で止まったわけでは ありません。

 そこには ちゃんとした理由があったんです。」

「理由?」

「あらゆる物体には それぞれに固有の周波数があり

 それと同じ 周波数の音波を照射すると

 故障する場合が あるんです。先ほど 調べたところ

 止まった時計の 心臓部に当たるクオーツと

 K9キャンセラーが 発生させる周波数は まったく 同じでした。

 つまり 時計が止まった理由は

 6月5日 午後 10時15分に

 ここで 超音波を発するK9キャンセラーが

 使用されたことにより クオーツが故障したからなんです。

 その4分前の 10時11分。

 あなたは 中田さんの遺体を発見し ここで 通報しています。

 それから 5分後の 10時16分に

 救急隊が 到着するまであなたは ここで 一人きりでした。

 つまり 10時15分に ここでK9キャンセラーを 使ったのは

 あなたしか あり得ないんです。

 このK9キャンセラーは 外国製で出力が 強かったため

 庭で 使ったにもかかわらずその超音波が 作業場内まで

 届いてしまったんでしょう。」

「」そういえば 使ったわ。あっ。 今 思い出した。

 でも それが 何だっていうのよ?

 そんなの 何の証拠にもならない。

 残念だったわね。私は ただ犬が吠えて

 ずっとうるさかったから 使っただけ。

 嫌われるためなんかに使ったんじゃない!」

「それは ホントですか?」

と出てきた芹沢。

「あなたは犬が吠えて うるさいから

 K9キャンセラーを 使った。それに 間違いありませんね?」

「ええ。つまり あなたが家に到着したときから

犬は ずっと 吠え続けてた。」

「そう。」

「中田さんの遺体を発見されたときも。」

「そうよ。」

「そして あなたが通報したときも。」

「だから そうだって言ってるじゃない!」

「ああ。 失礼しました。ああ。 通報したときもね。」

そのときの音声をきかせる芹沢。

「もしもし? すぐに救急車の手配を お願いします。

 先生が。 先生が家の中で 倒れてるんです。」

 「分かりました。 まずは…」

「何? これ。」

「あなたはご存じないかもしれませんが

 119番 通報は全て 記録されてるんですよ。

 それで 今 私は災害救急情報センターに行って
 
 通話記録のデータを取ってきたんです。

 まあ ちょっと 根回しが色々 あったもんで

 少し 遅れてしまいましたが。

 あなた 今 通報したときには

 犬は鳴いていたとおっしゃいましたよね?

 しかし この通話記録には

 あなたのそばに いたはずの犬の声は 一切 入ってません。

 あなたの証言とは明らかに 食い違ってる。

 つまりあなたが 通報したときには犬は

 まだ あなたに懐いていた。

 すなわち これは あなたが…。」

「もう いい!

ハァー。 もう いいから。」


事件解決後、またまたテレビ出演。

「まさか そんなところに解決の糸口を 見いだすとは。

 さすが 芹沢先生。見事な 解決劇ですね。

 でも 解決は やはり 困難を極めたと 伺っておりますが。」

「確かに ここまでは 簡単な道のりじゃありませんでした。

 しかし 私はこうして 密室を破り
 
 犬のみぞ 知る事実を 解明したんです。」

「素晴らしい。」

「ホントに すごいですね。」

「犬のみぞ 知る。

 犬の味噌汁じゃありませんよ。皆さん。

 アッハハハ!

 ハハハハハ! ハハハ…。」


空気が寒い・・・。


榎本と純子。

「榎本さん。」

「はい。」

「私 今回の一件で見直しちゃいました。

 普段は おとなしいけど いざとなったら

 すっごく 頼りになるなって。」

「そうですか。」

「ホントに 頭いいんですね犬って。」

ここも空気が固まった・・。

「フッ。私も 飼おっかなぁ。

 何か 賢い犬って 知ってます?」

「知りません。」

「あれ? 犬 詳しかったですよね?」

「知りません。」

「何か 怒ってません?」

「知りません。」

「怒ってますよね?」

「知りません。」

「私 変なこと 言いました?」

「知りません。

 知りません。」



今回、いつもに増して芹沢さんがおかしくて
笑いっぱなしでした。
いちいち言動をかえるのがおかしくておかしくて。
穴を掘るとか挙句の果てにはバウリンガルまでw
事件解決までテレビの密着取材はいってなくて
よかったね〜。

志田未来ちゃん、ますます大人っぽくきれいに
なってましたがもったいないつかわれかただったな。

榎本はあそこで気を悪くしてるってことは
ちょっとは脈ありだったりするんでしょうか。
今のところ、あの二人の間に恋が発展しそうもないけど。



榎本径: 大野智 
青砥純子: 戸田恵梨香 
池端誠一: 風間杜夫 
日下部雅友: 堀部圭亮 
円山: 浜田晃 
水城里奈: 能年玲奈 
芹沢豪: 佐藤浩市
鴻野 宇梶剛士


2012.06.04 Monday 23:21 | comments(0) | trackbacks(14) | 
<< BLEACH―ブリーチ― 55巻 | main | ちはやふる 第22首「うつりにけりないたづらに」 >>









鍵のかかった部屋 #08
『芹沢、めざましテレビで大失言!?』
| ぐ〜たらにっき | 2012/06/04 11:26 PM |
「鍵のかかった部屋」解決する3つの鍵8番犬の密室!犬の嫌う音を利用した殺人事件の結末は誘導犯のお咎めなしの結末にやり切れない解決となった
「鍵のかかった部屋」第8話は芹沢が番組で人気漫画家が殺された事件でその姪からの依頼に断れず引き受ける事になった。姪から事件現場に訪れた榎本らはそこが玄関に犬がいるため ...
| オールマイティにコメンテート | 2012/06/04 11:26 PM |
【鍵のかかった部屋】第8話
この家は、ある理由で密室になっていたのです。 では、その理由とは何だったのでしょうか? 人が1日で得る情報量の約8割は目から入ってくるといわれていますが、今回の事件だけは 決して目で追ってはいけ...
| ドラマ@見取り八段・実0段 | 2012/06/04 11:31 PM |
鍵のかかった部屋 第8話「犬のみぞ知る」感想
鍵が閉まってても、鍵を持ってる人がいたら密室じゃありません! 今回の事件は、見えないものが鍵! 目を閉じて見る〜(*⊃∀⊂*) 人気漫画家の自殺事件は、他殺!? 人気漫画家・中田文恵の姪・友香(志...
| 空色きゃんでぃ | 2012/06/05 2:45 AM |
ドラマ「鍵のかかった部屋」 第8話 あら...
密室の理由とは-------?目で追ってはいけないという今回の事件。見えないものにこそ、真実が隠されている--------。今回は芹沢がTVに出演。この時点で今回の主役は芹沢決定〜♪だった...
| ◆◇黒衣の貴婦人の徒然日記◇◆ | 2012/06/05 2:51 AM |
女(志田未来)と女(岩佐真悠子)と女(MEGUMI)と私(戸田恵梨香)と彼(大野智)
これでもかと・・・キャスティングで押してくるこのドラマ。まるで月9のようだが・・・あっ・・・月9だった。 MEGUMIは「都市伝説の女」に続くメイン・ゲストである。 髪形もメイクも変えて、一瞬だれだか分からない女として登場である。本質的にそうなのにさらにそうす
| キッドのブログinココログ | 2012/06/05 4:40 AM |
鍵のかかった部屋 第8話の感想
フジテレビ系列で放送の「鍵のかかった部屋」第8話の感想など前回、芹沢豪(佐藤浩市さん)の存在する意味が無いと書いてしまい、大変失礼しました。「鍵のかかった部屋」第7話の感想はこちらこの第8話、芹沢豪(佐藤浩市さん)は、コミカルな役どころで楽しませてくれ
| オタクと呼ばないで | 2012/06/05 6:35 AM |
鍵のかかった部屋「犬のみぞ知る」
前回の田舎出張バージョンでは、芹沢(佐藤浩市)が留守だった分、今回は、存分に芹沢劇場! かぎりなく、彼が主役の感でした。 本筋ミステリーの絶好スパイスとして、役者力!な、お茶目さを堪能。ころころ変わる態度と表情、を眺めてるだけでも楽しめました。主役
| のほほん便り | 2012/06/05 8:52 AM |
鍵のかかった部屋 (第8話・6/4) 感想
4/16からフジテレビで始まったドラマ『鍵のかかった部屋』(公式)の第8話『犬のみぞ知る(芹沢、めざましテレビで大失言!?)』の感想。また、貴志祐介氏の原作推理小説は未読。 なお、本作を面白い...
| ディレクターの目線blog@FC2 | 2012/06/05 9:35 AM |
家族のうた最終回&鍵のかかった部屋八話感想
■家族のうた八話 長年の社宅を出て行くことになる早川正義ことオダギリジョー。こころ、みつき、りく、ヒデじい達も引越し荷造り。でも、楽しそうだ。予算的にはワンルームが限界。。5人だと、どう考えても狭すぎる。曲作るスペース確保できねえな(苦笑) でも、事
| NelsonTouchBlog | 2012/06/05 10:51 AM |
鍵のかかった部屋 第8話「犬のみぞ知る」〜青砥純子の思わせぶり事件を解決できない榎本
鍵のかかった部屋 第8話「犬のみぞ知る」 『めざましテレビ』で、見栄を張りまくりの芹沢(佐藤浩市)。 密室事件を7件も解決したと言ってしまい、人気漫画家・中田文恵死亡事件を引き受ける羽目に・・・。 人前では毛利小五郎のように調子がいいのに、影では「
| 世事熟視〜コソダチP | 2012/06/05 11:04 AM |
「鍵のかかった部屋」 第8話 犬のみぞ知る
 今回は「芹沢、やっちまったな」の巻。 「めざましテレビ」に出演し、いつものビッグマウスに拍車がかかった芹沢(佐藤浩市)は、生放送中にタレントの中田友香(志田未来)か ...
| トリ猫家族 | 2012/06/05 2:55 PM |
ステキな組み合わせ〜志田未来の無駄遣い(鍵のかかった部屋#8)
ドラマネタは、「デカワンコ新春スペシャル」以来・・・多忙につき、次回は未定(爆)『鍵のかかった部屋』  あらすじ ・トリック他殺です! ただそれが他殺であるならば、 ...
| |あんぱ的日々放談|∇ ̄●)ο | 2012/06/05 5:11 PM |
『鍵のかかった部屋』 第8話「犬のみぞ知る」
犬の鳴き声が、密室の鍵  いろいろなパターンをよく考えるものだ。  しかし、犬を手懐ければ、密室は破れてしまうので頼りない密室であった。  ところが、単に犬を手懐けるだけでは、鍵を開けただけにしかならず、鍵をかける必要がある。そこで、犬に嫌われ吠えられ
| 英の放電日記 | 2012/06/06 10:30 PM |