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相棒 season11 第6話「交番巡査・甲斐享」

 第6話「交番巡査・甲斐享」



享(成宮寛貴)がかつて関わったストーカー事件の
被害者・深雪(石原あつ美)が、惨殺される。
6年前、享は深雪に硫酸をかけた元恋人の久保(小林高鹿)を
逮捕した。深雪の遺体を発見したのは、当時、深雪と交際中で、
事件後に結婚した夫の奥山(賀集利樹)だった。調べると、
久保は既に出所しており、その後の足取りは分からない。
一方、右京(水谷豊)は、奥山の出張を知っていたかのような
犯人の行動に対して疑問を抱く。




角田さんの仕事を手伝う右京さんとカイトくん。
カイトくんはまだ刑事課がどうのと
こだわっていますが、最近の警官は
交番勤務とか内勤とか休みがちゃんとしている場所が
人気で勤務時間不規則な刑事課は不人気らしい。
カイトくんが刑事課に憧れるのは
子供の時に見てた刑事ドラマの影響・・。

そこへ前の所属の上司から電話で
6年前のストーカー事件で知り合った
深雪さんが殺されたとの知らせ。

「殺された?

 誰が殺されたんですか?」

殺されたという言葉にくいつく右京さん。

なくなったのは奥山深雪さん。
直接の死因は頸部を切った事による出血性のショック死。
そのあとも 犯人は全身を4か所にわたり刺し続けていて
被害者に強い恨みを持つ者の犯行との見方。

家族のものではないと思われる指紋が
いくつかありますが、犯行後に拭き取ろうとしたらしく
いずれも断片。

身内は夫と現在入院中の息子。
大阪に出張にいって帰ってきた夫が第一発見者。
夫は犯行時刻には大阪でセミナーに出席していたとのこと。。

伊丹さんたちがいるところに
右京さんも登場。

「どこで嗅ぎつけてきたんですか?」

「今日は 僕はカイトくんのお供で来ました。」

カイトくんの顔をみて泣きだす夫 奥山さん。

「甲斐さん・・。

 深雪が・・深雪が・・!」

回想。

交番時代のカイトくん。
事件もなく平和だと話していると
女性が襲われたとの知らせがはいり
交番をとびだし、カイトくんがかけつけると
そこには苦しむ深雪さんと今の夫である奥山さん。

現在。
6年前の事件のことを話すカイトくん。

「奥山さんと出会ったの6年前のストーカー事件なんです。

 深雪さん元彼に つきまとわれていて

 奥山さんと付き合って少ししてから

 その元彼に硫酸かけられたんです。
 
 逮捕したのは俺です。」

「久保亮二 逮捕当時25歳元プログラマー。

  殺人未遂で 懲役5年の判決を受けていますねぇ。」

「けど 3年半で仮出所して 

 今じゃ観察期間も終わってます。

 保護観察所に問い合わせてみましたが

 斡旋された仕事もとっくに辞めていて

 足取りはつかめませんでした。

 この男が 深雪さんを殺したのではないかと。」

でも右京さんはそれには反対のようで。

「この事件のあと 奥山さんは

 引っ越しをしているんですねぇ。

 仮にこの久保が犯人だとして

 どうやって 深雪さんの

 居場所をつかんだのでしょうね。」

「どっかで調べたんじゃないですか?」

「居場所だけではありません。

 なぜ あの日 あの時間を狙ったのでしょうねぇ。

 平日 午後6時といえば

 家族がうちにいてもおかしくない時間です。

 現に奥山さんは普段ならば

  帰宅しているとおっしゃっていました。

 まるで 奥山さんの出張を

 知っていたかのようですねぇ。」

「じゃあ 犯行前に

 奥山さんの事を調べてたって事すか?」

「その辺り ちょっと探ってみましょうか。」

「はい。」

「ところで 君はなぜ

 現場で久保の話をしなかったのですか?」

「そりゃ… まだ久保が犯人だって

 決まったわけじゃないし。」

「それだけですか?」

「奥山さんがいたからです。

 下手な事を言えば 自分で

 久保の事を捜そうとするんじゃないかと思って…。」

またまた6年前。
深雪さんは病室で、
カイトくんに嘆く奥山さん。

「深雪… 前の男によく暴力を振るわれていたんです。

 ひと月前にも呼び出されてケガして帰ってきて…。

 いいから連絡を絶てって僕が言いました。

 相手にしたらつけ上がるだけだからって。

 それが こんな事に…。

 深雪のためみたいな事言いましたけど

 本当は 前の男に会われるのが嫌だったんです。

 僕のせいで 深雪が…。」

「自分を責める必要はありませんよ。

 理由はどうあれ こんな事していいはずがない。」

「久保の行方はまだ つかめてないそうですね。
 
 深雪 大丈夫なんですか!?」

「心配しないでください。

 僕ら警察が全力を挙げて捜し出します。」

「お願いします!

 今度 深雪の前に現れたら…

 僕自身 何をするかわかりませんから…。」

カイトくんは刑事課まで出向き
久保のことはどうなっているのか
たずねますが、刑事課の対応は冷たい。

「こっちは予定どおり きっちり休めるお巡りと違って

 何日もろくに寝てねえんだ!」

「おい。犯人許せねえって気持ちは買うが

 縄張りを荒らすのはよくないぞ。

 部署のメンツってのがあるんだから。」

「あの事件 最初に現着したのは

 俺だって知ってますよね。」

「だからって お前のヤマって話じゃないだろう。」

「俺が犯人逃がしたんです!

 現場に向かう途中通行人とぶつかったんです。

 手配書 見るまで気づかなかったんですけど

 確かに久保でした。」

「聞いたよ…。仕方ないだろう。

 あの状況じゃ誰だって現着を優先する。」

「どこか挙動不審なところがあったんです。

 とっさに事件と結びつける事も出来たはずです。」

「ちょっと来い。

いいか?

 久保が 硫酸なんかぶっかけたのは

 深雪さんの見た目が変われば

 奥山さんが捨てて 自分のもとへ

 戻ってくると思っての事だ。」

「どうして そんな事わかるんですか?」

「久保の部屋を家宅捜索したら

 そう書かれたメモが見つかった。

 ただのメモじゃない。見方によりゃ遺書だ。」

「遺書?」

「彼女がもとへ戻ってこなかったら

 殺して自分も死ぬって書かれてた。

 心中のつもりらしい。

  久保は また彼女を狙うだろう。

 そして 次に久保が現れるとしたら

 深雪さんが退院した時だ。

 そこを狙うつもりだった。」

現在。
カイトくんと右京さんは奥山さんの
会社に話をききに。

奥山さんからかかってきた電話の
後ろから新大阪というアナウンスが
きこえてきたとのこと。
さらに、久保の写真をみせても見覚えなし。

「あの… ひょっとして奥山くん

  疑われてるんじゃ…。」

「いえいえ。 この手の質問は 

 関係者全員にしていますので。」

「ああ そうですよね。

 子供さんの手術が終わったばかりで

 奥さんの手が一番必要な時期にこんな事になって…。」

「お子さんが手術したんですか?」

「 ええ。 でも無事 成功したらしいですよ。」

米沢さんから報告をきくことに。

「なんとか繋ぎ合わせてみました。

  前科者照合したところ出てきたのは この男です。」

「久保亮二ですね。」

「もう ご存じで?」

「ええ まあ。」

「相変わらず早いですなぁ…。」

「奥山さんのアリバイ取ってたみたいですけど

 捜査本部はそっちも疑ってんすか?」

「初動捜査の一環でしょう。

 最初の捜査会議から久保の事件や

 被害者が地元の警察に相談していた事など

 出てきてましたから。

 奥山さんについては裏も取れてますし。

 これなんですけども…。

 セミナー会場の様子をビデオで記録したものです。

 それから 奥山さんが会社にかけた電話の

 発信基地も大阪でした。」

「こちらは?」

「こちらはセミナー会場の廊下の防犯カメラの映像です。

 大阪府警に依頼して入手しました。」

「ターゲットは久保ですね。」

「祐天寺警察署の管内で

 久保らしき人物の情報を得たという事なので

 確保は目前でしょう。

 しかし 問題はここからでしょうなぁ…。」

「問題?」

「ええ。ご存じのとおり 立件するためには

 司法が定めた特徴点の一致が 12点以上必要です。

 この指紋は断片の寄せ集めですからねぇ…。」

「証拠能力がない。」

「徹夜で作業したんですけども残念ながら…。」

「ところで こちらの指紋は

 6年前の事件で採取されたものですねぇ。

 なぜ 左右3本ずつなのでしょう?」

「遺留品から採ったものでして。

 6年前 お二人は公園で

 旅行の写真を見ていたそうです。

 そこに 突然 久保が現れて写真を奪い

 このような感じで破り捨てた。

 そして 硫酸をかけた…。」

「なるほど。

 その時に付いた指紋というわけですか。」

「その時には きれいに採れたんで

 問題はなかったんですが

 今回は もし久保が否認したら

 他に物証がないときついでしょうな…。」

6年前を思い出すカイトくん。
両親と奥山さん。

「いい加減に目を覚ませ!

 結婚するって何を言ってるんだ?

 お前は 奥山家の跡取りなんだぞ!」

「こういう事が起こるっていうのはね

 女の方にも原因があるのよ!」

「静かにしてくれよ…。

 深雪に聞こえたら どうするんだ。」

そこへカイトくんが・・。

「奥山さん…。」

「言う事を聞かんなら 会社も継がせられんからな。」

とかえっていく両親。
床に落ちていた、やぶられた写真を返しました。

「お見苦しいところを…。」

「あっ いえ…。」

深雪の病室に入るカイトくん。

「ごめんなさい こんな格好で…。」

「あっ いえ。

 もうすぐ退院出来るって聞きました。」

「私… 退院しても大丈夫なんでしょうか?

 まだ捕まってないんですよね?久保。」

「ええ。

 その事で相談があって来ました。」

深雪さんの偽物をつかって
久保をつかまえようとするカイトくん。
まんまとあらえわれた久保に
ナイフをつきつけられますが
拳銃をつきつけました。

でもあとで当然怒られた。

「拳銃 向けられたってわめいてたぞ。」

「抵抗したので威嚇しただけです。」

「日本の警察官に

 そんな事認められると思ってるのか。」

「正当防衛です。それに発砲はしていません。」

「当たり前だろうが!

お前も そそのかされて 

 刑事ごっこなんかやってんじゃねえよ。」

「すいません…。」

回想おわり。

「何か気になる点でも?」

「あっ いや…ちょっと 昔の事を思い出して…。」

はりこみをするトリオ。

「もう2時間っすね…。」

「本当に ここに寝泊まりしてんのかな?」

「もう 目障りだな〜!

 おい なんとかしろ。」

伊丹さんが目障りだな〜〜というのは
右京さんとカイトくん。
すぐそばに同じく車ではりこみしていました。

「帰ってください」といわれているところに
久保が出てきました。

カイトくんも協力して
伊丹さんたちが久保を確保。

上のほうはなんとしても立件するつもり。

「久保の身柄を確保したようで 現在 取り調べ中です。」

「そうか よくやった。」

「はあ。 ただ まだ物証が…。」

「関係ない。」

「は?」

「一刻も早く落とすように伝えろ。

 ガイシャは 警察に相談していたにもかかわらず

 殺された。マスコミが騒ぐと まずい。

 早急に解決して批判を避けねばならん。」

「はっ!」

伊丹さんたちにこわ〜い目つきで
にらまれながらせめられる久保。

「深雪さんは3週間前 警察に相談している。」

「つけ回してたのお前だよな?」

「知りませんよ。」

「19日の午後6時 どこにいた?

 今さら黙秘なんて通用すると思うなよ。

 ほら…。 ほらぁ!」

「深雪さんの自宅の最寄りの駅だ。

 監視カメラの映像だ。時刻は 午後5時半。

 犯行時刻直前だ!」

「どうして お前が ここにいるんだ?

  ああっ!?」

伊丹さんコワイ。

「深雪に 呼び出されたんですよ。」

携帯をみせる久保。

「もう つきまとうのはやめてください。

 話があるなら11月19日の

 午後5時半祐天寺駅で待ってます。

 それで終わりにしましょう。返事はしないで。

 夫や子供に迷惑かけたくありません。」

「で 行ったのか。」

「ただ 会ってひと言 言いたかっただけです。

 俺は つきまとってなんかいないって。

 3年半も刑務所にいて 気持ち変わったんですよ。」

「それを信じろってのか。」

「だったら 僕がやったって証拠でもあるんですか?」

「あのなぁ 現場にはな・・。」

「おい」

隣の部屋でみているカイトくんと右京さん。

「指紋の話は出来ないんですね。」

「このままではらちがあかないようですねぇ。

行きますよ。」

とでていくふたり。

息子の病院にいる奥山さん。
息子には母のことは話さず
ちょっと留守にしていると説明。

そこへやってきた右京さんとカイトくん。

「ひょっとして 大輝くんには深雪さんの事 まだ…。」

「聞こえてましたか…。

 まだ 体調が安定したばかりなんです。

 ショックでまた悪くなってしまうと思うと 怖くて言えなくて…。」

「どのようなご病気ですか?」

「再生不良性貧血です。

 検査をしたら 奇跡的に

 深雪の造血細胞と適合したんで 移植したんです。

 やっと よくなってこれなら

 学校にも行けるねって言ってたのに…。」

「あの 奥山さん…。」

「聞きました。

 深雪を殺したの…久保だったそうですね。」

「今 取り調べ中です。」

「犯行は認めてるんですか?」

「現状では否認しています。」

「なら 釈放してください!そしたら 僕が…!」

と興奮。

「奥山さん…。」

「我々も 犯人は 久保で ほぼ間違いないと思っています。

 ですが 現場から見つかった指紋だけでは

 証拠として 不十分なんです。」

「なんでもいいんです。

 もう一度 家に帰ってみて

 少しでも証拠になりそうなものが見つかったら

 連絡くれませんか。」

「それさえあれば 久保を立件する事が出来ます。」

「このまま 警察に任せていいんですかね?」

「はい?」

「聞きましたよ。

 今回… 深雪警察に相談したんですってね。

 でも 深雪は殺されてしまった。

 警察は 何もしてくれなかったって事じゃないですか!

 甲斐さん…。裁判の時も そうだったでしょ?

 人を殺す人間を

 なんで 5年程度の判決で済ませたんだ…!」

泣き崩れる奥山さん。

右京さんとカイトくん。

「久保が落とせないかも なんて話 

 教えてよかったんですか?」

「奥山さんにですか?」

「これで もし 釈放なんかされたら 本当に殺しかねませんよ。」

そこに米沢さんが。

「お二人にはご報告しとこうかと思いまして。

 久保なんですがなんとか立件出来そうです。

 明日 検察に身柄を引き渡します。」

「何か出てきましたか?」

「ええ。先ほど 凶器が発見されまして。

 久保がいた駅周辺の排水溝の隙間に

 滑り込ませてあったそうです。

 今度は特徴点 12点以上 一致しました。

 今回 凶器から採取された指紋。

 こちらが6年前の指紋…。」

「一致しましたか…。」

「奥山さんに この事 知らせてあげてもいいですか?」

「君は よほど奥山さんの事が 気がかりなようですね。」

「俺は あの2人が 

 どんな思いで一緒になったか知ってますから…。」

回想。
ふたりの結婚式。

「本日は お忙しい中

 僕たちの結婚式に来てくださりありがとうございました。

 深雪は… 必ず幸せにします。

 必ず…。

 未熟な2人ですが…どうか よろしくお願いします。」

涙ぐみながら挨拶する奥山さんと奥さんに
拍手する列席者の中にはカイトくんも。

両親に息子のことを頼む奥山さん。

「預かってって 大輝を?」

「病気の事だってあるし 仕事だって忙しくなる。

 俺一人じゃ面倒見る自信がないんだ。」

「そりゃ… 私は構わないけど。」

「大輝の事は心配するな。

  ただ… お前も まだ若いんだ。

  もう一度ちゃんとした相手を探して 一からやり直せ。」

祖父母は息子のところに。

「大輝。 覚えてるか?

 おばあちゃんと おじいちゃんだ。

 退院したらしばらくの間 一緒に暮らすんだ。」

「帰ったら 退院祝いしなくちゃね。フフ…。」

息子の手を握る奥山さん。

「元気でな。」

なんか不吉。

病院からでてきた奥山さんを
待っていた右京さんたち。

「息子さん もうすぐ退院だそうですねぇ。」

「おかげさまで。

 久保は… どうなりました?」

「その話なんですが

 久保の指紋が付いた凶器が見つかったんです。」

「 え?」

「今度は十分な証拠能力があります。」

「そうですか…。 」

「よかった。

 これで深雪も少しは浮かばれます。」

「再犯ですし 今度こそ出て来れないと思います。」

「ありがとうございました。」

「ああひとつ… よろしいでしょうか。

 どうしても引っかかっている事がありまして。」

と質問する右京さん。

「なんでしょうか。」

屋上へいって話をすることに。

「今回見つかった久保の指紋ですが

 薬指と小指は 擦れてほとんど消えかかっていました。

 つまり はっきりと残っていたのは 

 3本だけなんです。」

「それが どうしたんですか?」

「深雪さんが殺害された部屋から見つかった指紋も3本

 そして 6年前久保が残した指紋も 同じく3本。

 これ… 妙だと思いませんか?」

「いや そういう事もあるんじゃないですか?」

「そう言って 偶然で片付けてしまっていいものかどうか

 どうも腑に落ちないんですよ。

 そこで あれこれと考えを思い巡らせているうちに

 ある考えに たどり着きました。

  もし 今回見つかった3本の指紋が

 全て同じ指紋のコピーだったとしたらどうでしょう。

 つまり 何者かが 今回の事件を久保の犯行に

 見せかけるために

 6年前の指紋から複製したという事です。」

「指紋を複製?

 そんな事 一体 誰が…。」と笑うカイトくん。

「証拠品が 持ち主に返却される事は 

 知ってますよねぇ。」

「え…?」

「 ええ。 そうなんです。

 あなたならばそれが出来るんですよ 奥山さん。

 最近では ネットなどを通じて
 
 一般の人間でも指紋採取の道具を

 手に入れる事が可能です。

 指紋のデータさえあれば 偽の指紋を作る事が出来ます。」

「なんで僕が そんな事をしないといけないんです。」

「もちろん…深雪さんを殺したのは あなただからですよ。」

「なっ 何言ってるんですか 杉下さん!」

「君には受け入れがたいかもしれません。

 しかし 残念ながらそれが真相です。」

「えっ ちょっ…ちょっと待ってください。

 奥山さんが犯行時刻に 大阪で

 セミナーを受けていた事 確認しましたよね。」

「アリバイならばさほど難しい事ではありません。

 あなたは 時間どおりに会場に行き

 あえて監視カメラに顔を映しておき

 すぐに会場を出て 東京に向かう。

 セミナーの最中は

 髪型と背格好の似た身代わりを立てて

 ご自分が着ていたコートを脇に置かせたんです。

 つまりあの映像に映っていたのは

 あなたではなかったという事ですよ。」

「だったら 電話は?

 発信した基地局も大阪だったはずです。」

「携帯電話 よろしいですか?

 あなたは 大阪に残った協力者に

 ご自分の携帯を渡しておき大阪駅から

  東京にいる自分の上司に電話をかけさせる。

 そして その協力者は自分の電話を

 あなたと繋ぎ あとは こうするだけです。」

携帯をかさねあわせる右京さん。

「これで 東京にいながら 大阪の基地局を使って

 会話をする事が出来るというわけです。

 その後は 速達で携帯を返送する。

 ああ そういえば…あなたは警察への通報は

 深雪さんの携帯からなさったそうですねぇ。

  手元に ご自分の携帯が

 なかったからではありませんか?」

「じゃあ 久保は?

 久保は 深雪さんにつきまとっていた。」

「深雪さん自身 はっきりと確認したわけではありません。

 もし つきまとっていた男が

 顔を隠した奥山さんだったとしたら…?

  さて 続けましょう。

 東京の自宅に戻り深雪さんを殺害した あなたは…。

  久保の犯行に見せかけるための

 工作を施したというわけです。

 それから 犯行時刻の久保のアリバイを無くすために

 あなたは事前に深雪さんの携帯を使って

 久保を誘い出すメールを送っていますねぇ。

 日時と場所を指定するメールを送り

 すぐに送信済みメールを消去する。

 向こうからのメールは自動的に

 拒否される設定になっていましたから

 あなたは深雪さんに気づかれずに

 久保を誘い出す事が出来るというわけです。」

「甲斐さん… まさか 甲斐さんまで

 そんなふうに考えてるんですか?」

「ああ いや… 俺は…。」

「まだ認めませんか?

 では あなたは なぜ一度 現場に残した指紋を

 わざわざ拭き取って

 断片的にしか残さなかったのでしょう。

 恐らく あなたは不安だったのでしょうねぇ。

 果たして 偽物の指紋で警察を騙し通せるものかどうか。

 だからあえて不鮮明な指紋を残す事で

 少しでもごまかす事をしたんですよ。

 あなたが不安になるのも無理はありません。

 だって あなたは犯罪のプロではないのですから。

  しかし 慣れない事はやるものではありませんねぇ。

 あなたは致命的なミスを犯していました。」

「ミス…?」

「3本の指紋のうち 1本は

 久保のものではなかったんですよ。

 調べたところうちの捜査員の指紋でした。

 恐らく 証拠品を扱う際に誤って

 素手で触ってしまったのでしょうねぇ。

 それを あなたは久保のものだと思い込んで

 指紋を作ってしまったというわけです。」

「違う…。 違う!」

「6年前に 捜査員が誤って付けてしまった指紋が

 今回の凶器にも また付いていた。

 おかしいですねぇ…。」

「奥山さん?」

「まだ あなたは

 言い逃れ出来ると思いますか?」


ときつい口調でいう右京さん。

「深雪は…ずっと僕を騙していたんです。」

回想。

「検査結果は すぐ出ますから。」

「はい。」

「大輝の造血細胞移植のために

 深雪と2人で適合検査を受けました。

 HLAという遺伝子の検査です。

 HLAは 両親から 

 半分ずつ受け継がれるものだそうです。

 完全には一致しないにしても

 僕の結果だけは

 ただの一つも一致していなかったんです。

 気になって深雪には言わず親子鑑定を受けました。

 大輝は 僕の子じゃなかった…。

 時期からして 考えられるのは 久保しかいません。

 6年前 深雪は久保と会って

 ケガをして帰ってきた事がありました。

 暴力を振るわれただけだと言っていたけど

 本当は 何かあったんです。」

「そんな…。」

「なのに… 深雪は言わなかった。

 そんな大事な事 言えなかったじゃ済まない!

 僕は必死に働いて 久保の子供を養ってたんですよ!

 僕は 出来る限り 深雪を大切にしてきた。

  だから親と縁を切ってまで結婚して…。

  だけど… 結婚したあとも

 事件の記憶は消えない…。

 深雪には言わなかったけど

 ずっと…苦しみから耐えてきてたんです。

 なのに…。

 だからこそ 許せなかった…!」

「奥山さん。

 その 悲痛な言葉は

 裁判での情状酌量を狙うものですか?

 ああ そう。

 まだ あなたの協力者について

 触れていませんでしたねぇ。

 明らかに あなたと共犯になるとわかっていながら

 ここまで あなたに協力する。

 それは一体 どんな人物なのでしょう?

 ちなみにあなたの身代わりになった男

 彼は恐らく 真の協力者に

 ただ連れて来られただけでしょう。

  あの映像で 少しでも

 あなたの身代わりの顔が映ってしまえば

 逆に あなたがセミナー会場にいなかった事の

 証拠になってしまう。

 しかし あなたにはそうならない

 絶対的な自信がありました。

 なぜならば あの映像を撮影し
 
 編集した人物こそが…あなたの真の協力者だからです。

 すでに大阪府警に連絡をして 身柄を確保してもらいました。

 名前は 井上祥代。

 3年前 大阪本社に入社。

 あなたの事を とても慕っていたそうですねぇ。

 外に愛人を作ったのは

 あなたの言う 苦しみからですか?」

「愛人?」

「井上祥代の供述によれば

 あなたとの関係が始まったのが2年前

 大輝くんが発病したのが去年。

 これは 何を意味するのでしょう。

 親子関係の事実が発覚する前に

 奥山さんあなたの深雪さんに対する愛情は

 すでに冷めていたのではありませんか?」

「そんな…。

 嘘でしょう?

 あんなに…

 あんなに深雪さんの事を愛してたじゃないですか。」

ショックをうけるカイトくん。

「自分でも… 驚いてます。」

「じゃあ どうして…!」

「理由は… ありません。

 ただ…人の気持ちは変わるんですよ。

 どうしようもなく…変わるんです。」


6年前の結婚式のとき
カイトくんにお礼を言っていた奥山さん。

「甲斐さん。

 今まで本当にありがとうございました。」

「末永く お幸せに。」

「約束します。」

しっかり握手したふたり。


「最後に ひとつだけ。

 あなたは 深雪さんが どれほど苦しんだか

 考えた事がありましたか?

 どれほど孤独だったか 

 考えた事がありましたか?

 誰よりも苦しかったのは

 深雪さんだったと…僕は思いますよ。」


泣きだす奥山さん。

「行きましょうか。」

「はい…。」

カイトくんのほうをふりむき頭をさげる奥山さん。

職場に戻ったふたり。

「では 僕は約束があるのでお先に失礼します。」

「よく平気で あんな嘘がつけますね。」

「はい?」

「指紋の話です。

 久保の指紋に警察官の指紋が混ざってたなんて。」

「いささか 乱暴だったのは認めます。」

「いつ わかったんですか?」

「強いて言えば…彼の着ていたシャツでしょうか。

 出張帰りだというのに

 あまりにも はっきりと

 アイロンがけのあとが残っていました。

 新幹線やセミナーで長い時間

背もたれに寄りかかっていたはずなのに…。

 恐らく 犯行の際に 返り血を浴びたために

 着替えたのだろうと思いました。」

「じゃあ 最初から…。」

「もちろん 最初は違和感を感じる程度でしたが。

 それから もうひとつ。

 セミナーの写真のシャツには

 薄いストライプが入っていました。

 しかし 殺害現場で見た奥山のシャツは 真っ白でした。」

「どうして黙ってたんですか?」

「奥山に 我々の目が

 久保に向いているように思わせたかったんです。

 しかし 我々には決め手がない。

 そう伝えれば きっと何か

  強引な事をしてくるだろうと思いました。」

「指紋の付いた凶器を出させるために

 俺を利用したんですか?」

「君は どこかで 

 犯人が奥山であってほしくないと

 望んでいる節がありました。

 そんな君に 僕の考えを話せば

 捜査の邪魔になるような事をしかねないと

 思ったものですからねぇ。」

「あんた!」

「いいですか?

 我々は 殺人事件の捜査をしていたんですよ。

 人が人を殺すんですよ。

 そのような事件で

 私情を挟む事は決して許されません。

 我々の仕事は…犯罪者を捕まえる事です。」


右京さんがきっぱりいう言葉に
カイトくんは反論もできず。

ものにやつあたりしたあと
頭をかかえてため息。

花の里にきているカイトパパと右京さん。

「へえ…! カイトさんの お父さんなんですか?」

「杉下くんの 行きつけのお店をのぞいてみたくてねぇ。」

「ゆっくりしていってください。」

「ありがとう。

 聞いたよ。また 倅が 迷惑かけたんだってね。」

「迷惑というほどでは…。」

「個人の思い入れから犯人を見誤るなんてのは

 相変わらず 警察官としての本質が出来てないんだ。

 ひとつ聞いていいかな。」

「はい?」

「君もそうなんだけどね

 どうして みんな  

 あんな男を欲しがるんだろうかねぇ。

 刑事課に引っ張り上げられたと聞いた時も

 私には わからなかった。」

「むしろ 警察官としての…

 いえ それ以前に人としての

 基本が出来ているからでしょうか。」

「本当に どうも 君は…倅に甘すぎるね。」

「えっ?」

「あっ いや 酒の事じゃない。これはいい。」

彼女とカイトくん。

「悦子さぁ…。」

「うん。」

「今の仕事 自分に向いてないかもとか思った事ある?」

「あるよ。」

「そんな時 どうするの?」

「享も頑張ってるんだろうなって

 そう思って… 乗り切ってる。

 辞めたきゃ辞めれば?

 だからって捨てたりしないからさ。」

彼女を抱きしめるカイトくん。

「何 急に。 何?」

「別に…。」

「もう。 人が見てる。 見てるって。」

「いいじゃん。」

「馬鹿。

見て… ちょっと 放せ!」

「フフ… いいじゃない。」

ラブラブ・・。
右京さんはまだ花の里でひとり飲んでました。



交番時代のカイトくんの思い出。
前の女子高生のときはよかったけど
今回は苦いものに変わってしまいました。

あの旦那さんも最初に熱弁してたような理由なら
多少気持ちもわかるけど、その前に不倫してたって・・。
それならその証拠をつきつけて離婚すれば
いいだけのことじゃないの?
祖父母もあんなこという人たちだし
息子の血が流れてないって知ったら
面倒みなさそうで、息子が一番かわいそう。

右京さん、強引でしたが
間違った方向をみて真実から目をそらす
カイトくんを導くため・・ちょっと厳しいけど
やっぱり今回も教育してた。

カイトパパこそなんであんなに息子に
厳しいんですかねえ・・。





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| - | 2012/11/22 9:06 AM |
ドラマ「相棒season11」第6話 あらすじ感想...
人の想い---------------!!いやぁ、実に救いのない、でもカイトには必要な事件だった今回。これは刑事になるなら、誰もが通る道ではあるんだろう。右京の最後の言葉が重かった。そして...
| ◆◇黒衣の貴婦人の徒然日記◇◆ | 2012/11/22 9:07 AM |
相棒 season11 (第6話・11/21) 感想
テレビ朝日系ドラマ『相棒 season11』(公式)の第6話『交番巡査・甲斐享』の感想。 今回のようにタイプが違う二人が描かれてこそ「相棒」だ! 脚本は徳永富彦氏で、今回も彼らしい事件はベタだ...
| ディレクターの目線blog@FC2 | 2012/11/22 10:11 AM |
「相棒 season 11」第6話
両手の3本ずつの指紋。 6年前の事件の記憶。 第6話『交番巡査・甲斐享』ネタバレです。 相棒season11 オリジナルサウンドトラック (初回生産限定) (2枚組ALBUM)〜近日発売 予約可〜池 頼広ハッツ・アンリミテッド by G-Tools
| 三毛猫《sannkeneko》の気ままにドラマ | 2012/11/22 10:55 AM |
相棒season11 第6話
享(成宮寛貴)のところに、元上司の中根署の堀江(山口良一)から連絡が入ります。 かつて享が交番勤務のころに扱ったストーカー事件の被害者・深雪(石原あつ美)が、自宅で何者かに殺害されたというもの...
| ぷち丸くんの日常日記 | 2012/11/22 2:42 PM |
「相棒Eleven」第6話
 第6話「交番巡査・甲斐享」特命係に配属され、相変わらず暇な享は右京とともに角田課長に頼まれ組対五課の手伝いをしていた。そんな中、享の元上司である中根署の堀江から連絡が...
| 日々“是”精進! | 2012/11/22 2:57 PM |
相棒 season11 第6話 交番巡査・甲斐享
カイトくんの過去にまつわる話。 テコ入れ来ました!そろそろ判定の時期に? 公式HPよりあらすじ 特命係に配属され、相変わらず暇な享(成宮寛貴)は右京(水谷豊)とともに角田課長(山西惇)に頼ま...
| 帰ってきた二次元に愛をこめて☆ | 2012/11/22 4:45 PM |
『相棒 eleven』 第6話「交番巡査・甲斐享」
事件関係者に感情移入する享 捜査に私情を挟んではいけないと戒める右京  右京の叱責に憤る享だが、それは自分の未熟さに対する怒りであった。  右京は享を人としての基本が出来ていると認めていた。  『相棒』は理論的で遵法主義の右京、直情型で人情家の亀山の対
| 英の放電日記 | 2012/11/22 8:31 PM |
【相棒season11】第6話視聴率と感想&相棒パン2...
「交番巡査・甲斐享」12月1日(土)より、紅茶味の「相棒パン」の第2弾が発売されるそうです。丁度、1年前に発売された第1弾の相棒パン、結構、おいしかったですけどね。今回のはど...
| ショコラの日記帳 | 2012/11/22 10:14 PM |
相棒11「交通巡査・甲斐享」
かなりビターだったけれど、いかにも相棒らしいオハナシでした。 享(成宮寛貴)の交番時代のストーカー事件が、ついに最悪の結末に。当惑し、炸裂する、彼の若さ。 でも、右京さん(水谷豊)の冷静さと眼力が、真実をあぶりだし、交番勤務でなく、刑事としてのプ
| のほほん便り | 2012/11/23 2:20 PM |
相棒 season11 第06話 感想
 相棒 season11  第06話  『交番巡査・甲斐享』 感想  次のページへ
| 荒野の出来事 | 2012/11/23 6:31 PM |