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ビブリア古書堂の事件手帖 第7話

第7話



 篠川栞子(剛力彩芽)は太宰治の『晩年』を抱えたまま、
病院の屋上で笠井菊哉(田中圭)と対峙していた。
駆けつけた五浦大輔(AKIRA)はふたりの間に割って入ろうとするが、笠井の

手には鋭いハサミが握られていた。
笠井は、本は傷つけないが人間には容赦しないから『晩年』を
渡せと迫る。
 笠井は『晩年』を手に入れるためならどんな犠牲を払っても
構わないと鬼気迫る表情で栞子に詰め寄る。栞子は、自分は
笠井とは違う、自分には古い本よりも大事なことがあると言い、
ライターを取り出すと、この本がすべての元凶だと火をつけようする。
 後日、ビブリア古書堂に買い取り希望の須崎(井浦新)がやってきて、
髪が短くて物静かな女性店員はいないかと大輔に尋ねる。
栞子が戻ってくると、須崎は足塚不二雄の『UTOPIA 最後の世界大戦』
はいくらで買い取るか、と聞いた。その言葉に表情を変えた栞子に、
鶴書房版の初版でしかも美本だと言う須崎。栞子は、実物を
見た上だが、100万円単位になるのでは、と返す。すると、須崎は
満足そうな表情を浮かべ、車を移動してくると言って外へ出て行く。
しかしその後、何時間経っても須崎は戻ってこなかった。
 その後、栞子と大輔は買い取り表の住所を頼りに須崎を訪ねた。
ふたりを部屋に入れた須崎は、膨大な古書漫画のコレクションを
見せるとともに、栞子の母・智恵子(安田成美)と自分の接点を
語りはじめ…。




前半は先週の続き。
後半はまた別のエピソードで
二本立てみたいなかんじでした。

屋上にやってきて晩年をわたせとせまる笠井。

「長谷の文学館でその本と 対面したときは

 感動で 体が震えたよ。それから 毎日 毎日

 再会できる日を 夢 見てここまで きたんだ。

 もう 二度と 離れる気はないよ。」

「何でだよ?

 たかが 本でここまですること ないだろ!」

「たかが?

 この本は 他の本とは違う。特別なんだ!

 こんな 完璧な形で残ってるなんて奇跡としか 言いようがない。
 
 その価値が 分からないなんてこっちの方が 理解に苦しむね。」

「だからって 人から 無理やり奪って いいっていうのか?」

「別に いいんじゃないか?この本にだって 書いてあるだろ。

 「自信モテ 生キヨ生キトシ 生クルモノスベテ コレ 罪ノ子ナレバ」

 これは 僕のような人間を祝福する言葉だ。

 僕はね 本さえあれば他には 何も いらない。

 家族も 友人も 財産も。名前だって いらない。

 だから たとえどんな犠牲を払っても

 何年 何十年かかったとしても絶対に この本が欲しいんだよ!

 この女だって僕と 似たようなもんさ。

 同じ においがする。」

「私は あなたとは違います。

 私には 古い本より大切なことがあります。

 だから もう 終わりにするべきなんです。

 たぶん 太宰は誰かを励ますために

 本に メッセージを書いて贈ったんです。

 なのに この本のせいで私は ケガをしました。

 70年の時を経てこの本は 太宰が生きていたころとは

  程遠い 誰も幸せにならないものになってしまった。

 この本が 全ての元凶なんです。だから…。

 全てを 終わりにします。」

本に火をつけてそれを屋上から投げ捨てた栞子。

こんな危ない!!下に人がいたらどうすんの・・。

本を求めて屋上から落ちんばかりの笠井を
引きとめた大輔まで危なくみえました。

下に落ちた本は燃え
逮捕された笠井。

面会にいった大輔に晩年への情熱をかたる笠井。

「あの 『晩年』 もともとは僕の祖父の 持ち物だったんだ。

 祖父は 熱心な 古書のコレクターだった。

 でも あるとき会社の経営が 危うくなって

 コレクションを 全て売り払ってしまった。

 その中に あの 『晩年』も入っていたんだ。

 あれだけは 命に代えても手放すべきでは なかった。

 気付いたら 祖父の代わりにあの 『晩年』を 取り戻すことが

 僕の使命だと 感じるようになっていったんだ。

 あの女は 僕と 同類だと思ってた。

 でも ただの 勘違いだった。

  あの女は 本に愛情など 持ってなかったんだ。」

「篠川さんは 誰よりも本を愛してる。」

「古書を愛する人間なら絶対に 燃やしたりなんかしない!

 たとえ どんな手を使っても

 自分の手元に残そうとするはずだ。」

その話をきいた大輔は栞子の病室へ。

「あのとき 燃やした本あれ 偽物ですよね?

 篠川さん。

 本物の『晩年』は 金庫の中にあるんじゃないんですか?」

「どうして 分かったんですか?」

「ふと 疑問に思ったんです。

 僕が 危険を知らせるメールを 送ったのに

 どうして 病院のスタッフに助けを求めなかったんだろう?

  どうして 人けのない屋上へ逃げたりしたんだろうって。」

前回、視聴者につっこまれていた部分。

「それで もしかしたら 全部 わざとやってたんじゃないかって。

 篠川さんは『晩年』を燃やすところを

 あの男に見せたかったんじゃないかってそう思ったんです。

  でも ただ 呼びつけて本を燃やしても不自然に 思われるだけです。

  だから あいつが『晩年』の在りかを 突き止めて

 病院へ 奪いに来るようにしむけた。

  違いますか?

 あなたは 『晩年』の復刻版を何冊か 持ってると言ってましたよね?

 店に展示するものとここで 燃やすものを2冊 用意していたんです。

 店に出すものにはあえて いいかげんな偽装しかしなかった。

  笠井さんや 志田さんに偽物だと 見抜かせるためです。

 本当の目的は。

 あの男に本物の『晩年』の在りかを質問させることだったんです。

 そして 読みどおり 僕はあいつに 情報を渡してしまった。

 一方で あなたは燃やす方の 復刻版には念入りな偽装を施したんです。

 紙を古びた感じに 加工して見返しに きちんと 太宰の直筆をまねて

 書き込んで。

 あの男が いつ 来てもいいように待ち伏せていた。

 でも そこへ 僕からのメールが 届いた。

 だから あなたは屋上で あいつの到着を待ち

 何らかの方法で屋上へと おびき寄せたんです。

 あのとき 僕らは『晩年』が 本物だと完全に 信じこんでいました。

 僕も あの男も あなたにすっかり だまされていたんです。」

「だましたりして申し訳ありません。」

「いつから 分かってたんですか?笠井さんが 犯人だって。」

「あの男から 送られてきた脅迫メールです。」

「「大庭 葉蔵」?」

「大庭 葉蔵というのは『晩年』の中に 収録されている『道化の華』という

  短編の主人公の名前です。」

「えっ?」

「犯人は 小説から取った 名前を偽名に 使っていたんです。」

「まさか。」

「そうなんです。あのとき 大庭 葉蔵と笠井 菊哉が

 同一人物であることを確信したんです。」

「何で? 何で一人で やろうとしたんですか?

 最初から 話してくれれば僕が 事情を全部 分かっていれば

 あんな 危険な目に遭わずに済んだのに!

 何で 黙ってたんですか!?」

「あなたは 本を読まないから

 私の気持ちが分からないかもしれない。

 そう思ったんです。

 たかが 本のことだから。」

やっぱりこの発言がひっかかってたか。

《たかが 本のために人を傷つけるなんて》
《たかが 本でここまですること ないだろ!》

大輔ショック。

「あの。 本当に 申し訳ありま…。」

「謝らないでください。

 あなたの言うとおりです。僕は 本を読まない。

 あなたの 本に対する思いも何も分かっていない。

 最低です。 こんな男が古書店で 働いてるだなんて。」

「あなたの。

  あなたの 何よりも大切にしているものを

 「たかが」だなんて情けないです。

 ホントに 申し訳ありません。」

大輔の推理もさえており
笠井がこのあともう本に執着しないようにする
栞子の作戦もうまくいきましたが
二人の間には微妙な溝ができてしまいました。

そして今度は店に買い取りをたのみにきたお客。

「今日は 女性の店員さんはいらっしゃらないんですか?

 髪が短くて 物静かな。」

と栞子さんを指名し

「足塚 不二雄の『UTOPIA 最後の世界大戦』は

 幾らで 買っていただけますか?

 初版で 美本だとしたら?」

と質問。

「実物を拝見してみないと分かりませんが

 100万単位の金額にはなるかと思います。」

「『UTOPIA』を お持ちなんですか?」

車を移動させてくる間に
本の査定をお願いしますといったまま
戻って来なかった男性。
残されたのは書きかけの住所のみ。

気になった栞子さんは本を届けにいくことに。

『UTOPIA』の作者 足塚 不二雄は
藤子・F・不二雄と藤子 不二雄 Aのデビュー当時の ペンネームで
足塚という名字は 手塚 治虫にちなんで 付けられたそう。
手より 足の方がずっと 下にあるという意味らしい。

住所は途中までしか書いてないのに
部屋を特定する栞子。

間違いなく須崎さんの部屋でした。

「どうぞ。 お入りください。

 ぜひ 聞いてほしい話があるんです。」

「失礼ですが 何の話でしょうか?」

「もちろん…。

 『UTOPIA』のことですよ。」

「どうやって ここ突き止めたんですか?

 一軒一軒訪ね回ったわけじゃないですよね?」

「須崎さんが 持ち込まれた本ですが

 どれも 背が焼けていて天に ほこりが かぶっていました。

 おそらく 強い日差しを浴びる本棚に

 長い間並べられていたんでしょう。

 それに どの本にも 油のにおいが染み付いていました。

 ということは 揚げ物や 炒め物のにおいが 届いてしまう場所。

 キッチンに置かれていたんじゃないかと。

 換気が行き届かないことを考えると

 古い建物の可能性が 高いです。

 ですから西に向いた 大きな窓があって

 薄いカーテンが かかっていて日差しが差し込む位置に

 本棚が置いてある家を 捜したんです。」

本がかかわるとものすごい名探偵・・。

「じゃあ あのときもきっと そうだったんだな。」

「あのとき?」

「あなたに 見ていただきたいものがあります。」

みせられたの先日 他界したという父のコレクション。

「ここにある 漫画を 全て ビブリア古書堂に

 お売りしたいと思っています。

値段は そちらの言い値で構いません。」

「どうして うちに?

 これが 私の あなたのお母さんへの気持ちです。」

UTOPIAの実物をみせてもらった
栞子がページをめくる様子から
興奮してるのがみてとれる。

でも中にビブリア古書堂の値札が
はさんでありました。

「父が ずっと探し求めていた『UTOPIA』が初めて
 
  売りに出されたのは


 私が 10歳のときでした。とても 手の出せる金額では

 なかったようですが父は 一目でいいから

 本物を見てみたいと言って

 東京へ 出掛けていきました。ところが 店に着いてみると

 本は 何者かに万引された後だったとかでひどく がっかりして

 帰ってきました。長年 恋い焦がれてきた本にあと 一歩のところで

 対面できなかったことが よほどショックだったんでしょう。

 しばらく ふさぎ込んでしまって酒ばかり 飲んでいたのを覚えています。

 それから 2週間ほどたったころでしょうか。

 父が 気分転換に ドライブに行こうと 言いだしました。

 それでいらなくなった 本を売って食事代の足しにすることになったんです。
 私は うれしくなって押し入れから段ボール箱を 引っ張り出して

 本を詰めるのを 手伝いました。父は 私を 車の中で待たせ

  一人で店に入っていったんですがすぐに 慌てた様子で

 戻ってきました。その手に握られていた 本を見て 私は


 言葉を失いました。なぜなら それが『UTOPIA』だったからです。

 まさか 幻の1冊といわれた本が2,000円で 売ってるなんて。

 興奮した父は 持ち込んだ本のことを すっかり 忘れて

 店を 飛び出してしまったんです。

 ビブリア古書堂の店主はこの本の価値のことを

 知らなかったんでしょうね。

 結局 父は 運転どころではなくなってしまい

 ドライブは 中止になりました。借りた車を 返しに行ってる間

 私は ここで 留守番をしていたんですが そのとき。」

チャイムがなりました。

「誰かと思いドアを開けると栞子の母。

「お忘れになった本を届けに来ました。

これ 書いたのあなたの お父さん?」

「父は 昨日の私と同じように買い取り票に

 住所を途中まで 書いたところで本を置いて

 帰ってしまったんです。

 それなのに あなたの お母さんはこの部屋を 突き止めて

 わざわざ 本を届けてくださった。なぜ そんなことが できたのか

 いくら 考えても分からなかったんです。

 そのことがどうしても 気になって本の買い取りを 口実に。」

「あなたが 出ていらしたとき一瞬 お母さんかと思いました。

 よく 似ていらっしゃるから。

  ひょっとしたら あなたならあのときと 同じことができるかも

 しれないとつい 感傷じみたまねをしてしまったんです。

 笑わないでくださいね。

 あなたの お母さんは私の初恋の人なんです。」

「程なく 帰宅した父に彼女は 経緯を説明し。」

「買い取り票の住所を 頼りにどうにか

  ここまでたどりつくことができました。

 本を お返しできてよかったです。

 さっき 息子さんに見せていただいたんですが

 須崎さんは 素晴らしいコレクションを お持ちなんですね。

 私 『UTOPIA』のことで分からないことがあるんです。

 ぜひ教えていただけませんか?」

という栞子の母。

「藤子 不二雄マニアというのがまだ 数少なかった時代ですから

 父から 知識を得ようとされたんでしょう。

 それから 2人は長いこと 話をしていました。


 大人同士の話だからと 私は追い出されてしまいましたが。

 お母さんは勉強熱心な方だったんですね。

  それで 父は コレクションの一部を

 ビブリア古書堂に 売ったんですよ。

 父が コレクションを手放すなんてめったに ないことなんです。

 きっと あなたの お母さんの善意が うれしかったんでしょう。」

「善意?」

「はい。 後になってビブリア古書堂の店主は善意の。

  ああ。 何とかだって。」

「善意の第三者。」

「あっ。 そうそう。そう言ってました。」

「どうかしたんですか?」

「あっ。 いえ。

 見せていただいてありがとうございました。

 それからお父さまの コレクション。

 喜んで買い取らせていただきます。」

「ありがとうございます。

 ここまで本を届けさせた おわびと

 父に 『UTOPIA』を売ってくださったことへのお礼です。

 どうぞ お持ちになってください。」

店に戻ったふたり。

「すてきな人だったんですね。篠川さんの お母さんって。

 それ 持ってきたんですか?」

本にはさんであった値札。

「許可は 頂きました。

 これは 回収しないといけなかったんです。」

「えっ?」

「こんな値札を 付けるなんて信じられない。」

「もう 昔の話じゃないですか。値付けに 失敗したからって。」

「そうじゃありません。

 これはそういうことではないんです。」

「どういうことですか?

 篠川さん?

 何か 変ですよ。 お母さんのことで何か あるなら…。」

「やめてください!母のことは 話したくありません!」

めずらしくきつい口調に大輔もびっくり。

「あっ。 すいません。余計なこと 言いました。

 じゃあ 帰りますね。それじゃ また あした。」

「待ってください!

 私の 古書に関する知識は

 全て 母に教えこまれたものです。

 もちろん 古書漫画についても同じです。

 その母が 『UTOPIA』を2,000円で 売るなんて

 絶対に あり得ません。

 それに この値札 不自然なんです。」

「えっ?」

「うちの店では 函のない本には値札を

 のり付けすることになってますよね?」

「ああ。 確かに。」

「でも これは ただ挟んであっただけでした。

 私には あの本がうちの棚に 並んでいたとは

 どうしても 思えないんです。」

「でも…。」

「須崎さんから 聞いた話によると あの人は

 父親が 『UTOPIA』を買ったところを見たわけではありません。

  ただ 本を持って 店から戻ってきた姿を 見ただけです。

 状況から 考え合わせると 本の出どころは 一つしか ありません。

 須崎さんの父親がうちに持ち込んだ 本の中に

 『UTOPIA』が紛れ込んでいたんです。」

「もともと持っていたってことですか?」

「おそらく 手に入れたのはその何週間か 前のことです。

 でも それを隠さなければならない理由があったんです。」

「理由?」

「須崎さんから 聞いたんですが。」

「万引?あっ!」

「これから 話すことは全て 私の臆測です。

 須崎さんの父親は 東京まで『UTOPIA』を 見に行きました。

 子供のころから 恋い焦がれていた幻の1冊を 前にして

 どうにも 衝動を抑えきれずに手を出してしまったんでしょう。


 もちろん 彼は 強い罪の意識にさいなまれました。

 しばらくは ふさぎ込みお酒を飲んでも気が晴れませんでした。

 盗んできた本は押し入れの 段ボール箱の底に

 隠してあったんだと思います。

 おそらく その段ボール箱に須崎さんが 売りに行く本を重ねて

  入れてしまったんです。

 彼は 母が『UTOPIA』を 取り出すのを見て

 きっと 心臓が止まるほど驚いたはずです。」


「足塚 不二雄さんの『UTOPIA』ですね?

 初めて 見ました。あっ。 でも この間古書店から

 盗まれたって新聞に載ってましたよ。

 ご存じですか?」

「取り乱した 父親は大事な本を抱えて

 慌てて店から 逃げ出したんです。

 買い取り票には 住所を途中まで 書いただけだし

 身元が分かることはないと


 高を くくっていたんでしょうね。

 ところが あっさり 居場所を突き止められてしまった。」

「ええ。」

「母の目的は 本を届けることではありませんでした。」


 「私 『UTOPIA』のことで分からないことがあるんです。

  ぜひ教えていただけませんか?」

「教えてほしいというのは

 全てを 白状しろという意味だったんでしょう。

 わざわざ 須崎さんを外に出したのは

 子供に 聞かせられる話ではなかったからです。

 きっと 父親に対して 厳しい要求を突き付けたんだと思います。」

「『UTOPIA』を 渡せとか?」

「盗品を売買するのはリスクが 高いので

 それは 避けたでしょう。」

「じゃあ…。」

「 『UTOPIA』のことを黙っている代わりに

 他のコレクションを渡せと言ったんです。」

「えっ?」

「あの部屋にあったコレクションには

 あまり 古いものはありませんでした。

 それに。」

「昔は 他の雑誌や別冊付録なんかもたくさん ありました。」

といっていた須崎。

「1960年代までは月刊漫画誌の 付録として

 別冊の漫画が 付くのが普通でした。

  それらは 当時でも 相当な高値が付いていたはずです。」

「まさか。」

「はい。母が 全て引き取っていったんだと思います。

 もちろん 須崎さんの父親は抵抗したはずです。

 だから 説得の切り札として

 母は その値札を書くことにしたんです。」

「 どういうことですか?」

「五浦さん。

  善意の第三者の意味を知っていますか?」

「いいえ。」

「例えば うちに盗品が 持ち込まれたとします。

 私が そうとは知らずに買い取って

 他の客に 売ったとしても罪にはなりません。

  事件のことは 何も知らない第三者ですから。

 それを 民法上では善意の第三者と 呼ぶんです。」

「それで?」

「もし その値札が本物と見なされた場合

 『UTOPIA』を うちに売った人間が

 他にいるということになるんです。

 つまり 母は 架空の犯人をつくりあげたんです。

 私の母は そういう人なんです。」

その母は行方不明。

「いなくなったんです。10年前に。」

「えっ?」

「理由は 分かりません。

 ホントに ある日 突然何も言わずに消えてしまったんです。

  最後に見た母はいつものように ここに座って

 コーヒーを 飲みながら本を読んでいました。

 気が付くと カップと 本だけが無造作に 残されていて

 何だか ふと 用事を思い立って

 ふらっと 出掛けただけみたいなそんな感じでした。」

「すいません。言葉が出なくて。」

「いいんです。もう 諦めましたから。」

「五浦さん。

 この間は 傷つけてしまってホントに ごめんなさい。

 これからはあなたのことを 信じます。

 だから。だから 許してもらえませんか?」

「謝らないでください。

 ここで働かないかって 誘われて

 一緒に 古書にまつわる謎を解いて

 それだけで 何となく分かり合えたと思ってた僕の方が

  悪いんですから。」

「それは…。」

「ああ。今のは 皮肉でも 何でもなくて。

 信用されなくて当たり前なんですよ。

 だって 僕は あなたにとって 一番 大切な本のことを

 何も分かろうとしなかったんだから。

 だから 僕も 努力します。

 そして いつか ちゃんと 本が読めるようになりたいんです。」

「五浦さんが 本を読めるようになったら私も うれしいです。」

栞子、いい笑顔。


その後は買い取った本を店頭に並べて
なごやかな雰囲気。



前半の笠井みたいに執着する人には
いっそ本をうんと高値で売ってしまったら・・
と思った。本さえあれば幸せなんだろうし。

後半は栞子の母がやさしい顔しておそろしい。
須崎さんの息子さんのほうが何も知らずに
父のことも栞子の母のことも
きれいなままの思い出なのが救われるかな・・。






篠川栞子: 剛力彩芽  五浦大輔: AKIRA 
笠井菊哉: 田中圭  藤波明生: 鈴木浩介 
横田奈津実: 北川弘美  篠川文也: ジェシー(ジャニーズJr.) 
小菅奈緒: 水野絵梨奈  佐々木亜弥: トリンドル玲奈 
橋本さやか: 内藤理沙  篠川智恵子: 安田成美 
五浦恵理: 松坂慶子 

志田肇: 高橋克実 







2013.02.25 Monday 22:56 | comments(0) | trackbacks(3) | 
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