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半沢直樹 第2話

 第2話



「東京中央銀行 大阪西支店融資課長の半沢直樹は

 浅野支店長の指示に従い

 西大阪スチールから5億円の融資契約を取り付けた。

 しかし表向きは優良企業に見えた西大阪スチールは

 実は 莫大な負債を隠すために粉飾決算しており

 銀行から融資を受けた直後に倒産。

 半沢達は 5億円の融資をまんまと騙し取られてしまった。

 浅野支店長は その全責任を

 しかし 半沢は真っ向から対立し

 何としても5億円を取り返し

 ぬれぎぬを晴らすと誓うのだった。

 それは 半沢がバンカーとして生き残る

 唯一の道だった。」


聞き取り調査から4時間後。

支店長と副支店長と半沢。

「どういうつもりだ 半沢。

 聞き取り調査で お前はあの融資の失敗が

 自分の責任ではないと言ったそうじゃないか!」

「本部の連中は 明らかに

 あの5億の貸し倒れを

 我が大阪西支店の責任にしようとしていました

  そうではないとハッキリ申し上げたにすぎません」

「支店の責任!?」

「私は事実を申し上げたまでです」

「融資課長である君の責任で5億の損失を出した

 事実はそれ以上でも それ以下でもない」

「江島君 彼には彼の考えがあるのでしょう

 しかし 今回のことで

 本部の君に対する評価はあまり良いとはいえません

 汚名返上するなら急いだほうがいい

 でないと私もさすがに かばいきれませんよ」

「もちろん このまま無抵抗で我が支店に全責任を

 押しつけられるようなことだけはさせないつもりですから

  どうぞ ご安心ください浅野支店長」

竹下社長とあいました。

「こんなボロボロやったんか

 西大阪スチールはようもここまでごまかしてくれたもんや」

「3年分の裏帳簿だけでは

 銀行の人間でも本当の金の流れは分かりません

  こちらの帳簿と照らし合わせてもらえませんか?」

「そんなこと お安いご用や

 状況 かなり悪いんか?」

「はあ…」

「あッ?どうしました?」

「変やな これうち こんな儲かってへんで

 うちの売り上げは西大阪スチールから5億程度やった

 そやのに 向こうが支払ったんは…

 7億!?2億 どっかに消えとる」

「帳簿 お願いします!」

東田は優雅な隠遁生活。

「全部 計画どおりだったな」

半沢たち。

「これを見るかぎり 東田は3年以上前から水増しをしてます

  つまり 3年がかりで着々と金をため込み

 準備をしてた」

「準備?」

「恐らく 西大阪スチールの倒産は計画的です

 うちから5億の融資を騙し取った後

 まるで計ったように倒産したのも

 これだけ国税が動いているのもそれなら うなずけます

 東田は会社を立て直すことではなく

 わざと潰すことで利益を得ようと考えたんです」

「ほんなら何か?

 東田は 俺を利用して

 計画倒産やってたっちゅうんかい

 おまけに 会社まで潰されて…

 俺から 騙し取った金は

 あいつの懐にあるってことか」

あたりのものを叩きつけて怒りを発散する竹下。
怒らせたら怖い・・。

「半沢はん わしは学のない男や

 やっぱり騙された わしが

 アホやったんやろか」

「いいえ 騙したほうが悪いんです

 決まってるじゃないですか 竹下さん」

「半沢はん

 改めて お願いするわ

 東田 見つけ出して金 回収しようや」

「こちらこそ お願いしまっせ

 社長はん!」

「 一つ お願いがあるんやけどな」

「はい」

「気色悪い大阪弁はやめてくれへんか?」

気色悪い大阪弁w

帰宅した半沢をむかえる花。

「ただいま〜」

「お帰り〜。頼んでたお土産 テラ・セゾンのラスク」

「あ〜ッ」

「え〜ッ」

「ごめん」

「明日のお茶会に持っていくって言っちゃったのに」

「花ちゃん 花ちゃん…
 
 うまいッ 花ちゃん これすんごい うまい!」

「やっぱ こんな安もんじゃダメか

 明日 朝イチで買いに行かなきゃ」

「副支店長の奥さんだろ?そこまで気を使うことないよ」

「使うわよ!それが ここのルールなんだから」

「花ちゃん」

「うん?」

「気にならないのか?聞き取り調査が どうだったか」

「どうせ またやっちまったんでしょ 顔見れば分かる

 だから こうやって副支店長夫人のご機嫌 取ろうと思ってるのよ

 直樹がそんなんだから私が少しでもフォローしないと」

「そんなんで何とかなる問題じゃないよ」

「分かってるわよ

 けど 私にできるのはこれくらいだから

 あとは直樹に頑張ってもらうしかないから…

 難しいことはよく分かんないけどさ

 ぜってえ負けんじゃねえぞ!

 直樹の道連れで これ以上遠くに行くのはイヤだからね」

「道連れ…」

「あ〜あ

 融通の利かない銀行員と結婚なんかすんじゃなかった

 転勤ばっか 引っ越しばっかいいことゼロ

 あ〜あ!」

いい嫁のようなそうでもないようなw

国税

「東田の行方は いまだ不明現在 行動を共にする

 特殊関係人藤沢未樹の関連住所 当たってます」

「たまりは?」

「一つ 気になることが」

「何?」

「去年の7月3日 西大阪スチールのメインバンクの口座から

 5千万の使途不明金が引き出されております」

「5千万? お小遣いにしちゃ 大きいわね

 何に使われたか徹底的に洗い出しなさい!」

半沢の職場。

「課長 ちょっと これ見てもらえますか?

 為替担当の山村さんが見つけてくれたんですけど」

「東田満!?」

「日付は1年ほど前

 振込先は東亜細亜リゾート 金額は…5千万!?」

「以前 うちの個人口座から振り込んだようです」

「メインバンクでもない うちに口座を持ってたのか?」

「はい 今は解約されてますが」

「この東亜細亜リゾートって

 海外の不動産投資物件を手がけているところですね」

「不動産投資?つまり東田は 海外のどこかに

 5千万の物件を購入したってことか?」

「その物件を差し押さえたら 5億回収の大きな前進になります
 
 東亜細亜リゾートって会社に行って話を聞いてくる」

しかし半沢の邪魔をする副支店長。

「半沢 これを あさってまでに

 支店長会議で発表するレポートにまとめてくれと

 浅野支店長からのご指示だ

 5億もいいが 通常の業務をおろそかにされては困るんだよね」

「でしたら 自分が」

「中西! 人のことを心配する暇があったら

 大口の融資案件でも取ってこい」

「副支店長」

「お前らも さっさと外回りにでも行かんか

 課長が課長なら 部下も部下だ

 次の人事では 課そのものの刷新を考えなければならんな」

いやな副支店長・・。

「どうして あんなこと…」

「もし課長が5億 取り返せたら支店にとっても悪いことじゃない」

「支店長達が邪魔するなんて」

「いいか 支店長は回収は絶対不可能とよんで

 本部で 全ての責任は課長にあると悪く言えば 大騒ぎをした

 それなのに課長が5億 回収して正当性が認められでもしてみろ

 あの騒ぎは何だと 今度は支店長が責任を

 問われかねないからな」

「そんな…」

「しばらく おとなしくしてるこったヘタに自己主張すると

  とばっちり食うぞ… お前もだ」

作業する半沢に竹下から電話。

「もしもし」

「半沢はん やっと見つけたで 1件やけど」

「分かりました すぐ行きます場所は?」


「東田が どれほどの金をため込んでいるか把握するため

 竹下は西大阪スチールの下請け企業で

 竹下金属と同じように 支払いを水増しされていた会社がないか

 しらみつぶしに調べていた

 そこは 西大阪スチールのせいで連鎖倒産した

 淡路鋼材という下請け会社だった」

いっしょにその会社の板橋にあいにきた半沢。

「半沢はん こっちや こっち」

「竹下さんから 決算書見せてもらって驚きました

 うちも3年で3億 水増しされてたなんて」

「他にも何軒か回ってみたんやけど

 東田が露骨に水増ししてたんはつきあいの古かった

 うちと板橋はんところだけやった」

「うちの会社の弱みにつけ込み散々 仕入れ値をたたいてきて

 それでもギリギリ踏ん張ってたのに

 いきなり倒産されて

 そこまでは許せます

 でも 裏でこんな汚いことをしてたなんて…」

「板橋はんの気持ちよう分かんで うちも一緒や

 なあ 三人で力合わせて

 東田から ちょっとでも回収できるようにしようや

 この話 得はあっても損はないで」

「分かりました

 微力ながら協力さしてください板橋はん

 東田から金を取り返せるんなら 何だってやりますよ」

「おおきに」

「心強いです 早速ですが これを見てもらえますか

 東田は海外に 5千万の投資物件を購入したらしいんです」

「5千万!?」

「そういう話を東田から聞いたことはありませんか?」

「海外に別荘ですか…

 いや 初耳ですね」

「そうですか 場所さえ分かれば

 すぐにでも差し押さえることができるんですが」

「計画倒産しときながら

 海外で悠々と暮らすつもりか あの東田のガキめ!」

「いいえ そうはさせません

 必ず 場所を突き止めて

 たとえ5千万でもキッチリ回収してみせます」

東田の別荘をさぐるため代理店にやってきました。

「マレーシアかケアンズなんかも いいかもな」

「どちらも人気ですよ 失礼ですが

 ご予算はおいくらぐらいをお考えですか?」

「5千万くらいです」

「それでしたらかなりいい物件が選べますよ

 ちなみに うちはどなたかのご紹介で?」

「ええ西大阪スチールの東田社長です」

「ああ そうですか」

「そういえば 東田さん

 どこに買ったって言ってましたっけねえ」

「あなた 債権者の方ですか?

 西大阪スチールが倒産してから そうやって

 東田社長のことを聞きに来る債権者の方は後を絶ちません」

「いえ 私は…」

「どんな方であれ

 お客様の個人情報をお教えするわけにはいきません

 社の信用にかかわりますのでどうぞお帰りください」

しっかりした会社・・と思ったら東田と通じてた。
すぐさま東田に連絡する店員。

「もしもし」

「来たか?」

「はい」

「うまく追い返したか?」

「今 帰りました

 東田さん あまり面倒なことを持ち込まれては困りますよ」

「それだけの見返り払ってるやろうが!

 あの物件は これから値が何倍にも膨れ上がる見込みなんだよ

 銀行なんかに取られてたまるか

 これからも よろしく頼むよ」

東田は未樹といっしょに板橋と食事中。

「半沢が来たそうだ あんたが言ったとおりだったよ」

「まったく焦りましたよ あの竹下と半沢 二人が来たときは

  いきなり計画倒産や

 例の別荘のことまで突きつけられて」

「協力するっつったのファインプレーだよ

 これで向こうの動きも丸見えだ

  ああ ついでによ

  あいつが持ってるうちの会社の関係書類一式

  隙見て パクって全部 処分してくれよ」

「裏帳簿とかですか?」

「そういうとっから いつ足元すくわれっか分かんねえからよ

 それに今 大事な書類を持ち出してなくしたとなったら

 あいつは銀行員として終わりだ

 無性に腹立つ ああいう男は

 必ず息の根 止めてやるぜ!」

国税

「東田の5千万の使途不明金ですが

  どうやら 東京中央銀行を経由してどこかへ流れたようです」

「東京中央銀行?」

「はい 当時東田は

 大阪西支店に個人口座を持っていたらしく…」

「相模 だったら なぜこの前 見落としたの?」

「申し訳ありません すでに解約されていた口座のため

 気付かず…」

「今度 失敗したら 潰すわよ」

黒崎、怖い・・。

本店

「大和田常務 大和田常務!

 なぜ私が 銀行を出なければならないんですか」

「いきなり失礼じゃないか」

「常務が人事部に働きかけ私を出向させようとしてると…」

「旧館廊下に警備員を」

「介護が必要な母親を残して地方に転勤することはできません

  お願いします 常務どうか処分を取り消してください

  お願いします!」

「おい いい加減に…」

「やめなさい

 事情は よく分かりました」

「常務…」

「岸川君」

「はい」

「再度 検討をしてあげなさい」

「本当ですかありがとうございます!」

文句をつけた行員はかえっていきました。

「よろしいのですか?あのような約束をして

 やはり 一度 決めた人事を取り消すというのは…」

「それに倉島は中野渡派の中堅ですし」

「岸川君 なぜ警備員を

 呼ばなくてはならないことが起きるんですか?」

「申し訳ありません」

「彼が処分を受けるのは彼が問題を起こしたからで

 その責任を理解させていないからこういうことになるんです

 しっかりとした業務の遂行を徹底してください」

「早急に対応いたします」

「まあまあ それでも

 出向先は地方に行かないよう

 取り計らってあげなさい

 介護は大変ですからねえ」

「はい」

「それで小木曽君 話というのは?」

「はッ はい 実は大阪西支店における

 5億の融資事故の件で ご相談が」

「先日の聞き取り調査君 半沢課長に見事

 してやられたそうじゃないか」

「申し訳ありません」

「それで?」

「常務からも 彼の処分について

 人事部に働きかけていただければと」

「その件は 浅野支店長に全て一任しました

 今は私が口出しすることではないと思いますよ」

「いや 常務… 半沢というのは非常識極まりない男でして

 同期の行員に調査したところ

 頭取になるなどと公言してるとか」

「ほう…」

「まったく 身の程知らずというか何というか」

「まあ 銀行に入ったからには

 頭取を目指すのは

 当然のことじゃないかね?」

半沢の職場。

「おはようございます

 これが朝イチでもらってきた小田切産業の現物です

 印鑑照合しといてください」

「分かりました」

「課長 昨日 どうでした 海外物件のこと分かりましたか?」

「東田の名前を出した途端追い返されたよ 顧客の個人…」

そのときまた国税が。

「また国税だ 今 下に来た」

「お願いします」

「失礼」「どいてちょうだい」「失礼」

「これはこれは先日は お疲れさまでした」

「追加で調べたいことができたの また ご協力よろしくね」

「では こちらへ」

「いい… 相模!」

「はい出してもらう書類あるから言うぞ

 個人口座 2658300から2658370までの入出金記録」

「2658300から370」

半沢が東田のものと確認。

「あいつらも気付いたな」

「じゃ 全部 国税に…」

「原本は山村のところか?」

「保管庫です まさか…」

「成長したね」

「ありがとうございます では業務課 融資課…」

「いいわ!時間の無駄だから直接 取りに行きます 場所は?」

「お待ちください 過去2年分ですとかなりの量になります

 こちらで用意いたしましょうか」

とすすみでる半沢。

「気にしないで

 それとも何か不都合でも?」

「いいえ」

「中西 すぐに保管庫にご案内しろ 垣内 個人口座記録だ」

「はい」

「保管庫は裏にあります 下の階からのほうが近いので

 ご面倒ですが また下のほうへお願いします こちらです」

「おい 何で下…」

「いいですよ自分らで行くと言ってんです

 思いっきり遠回りさしてやりましょうや」

「こちらです」

中西が国税をつれていくと半沢は裏から走る!

「垣内 頼みがある」


「こちらからまいります 

 あの トイレはよろしいですか」

「いいから さっさと案内して」

「はい」

先に保管庫で調べている半沢。
国税も到着。

「どこ?」

「一番奥が保管庫です」

「ああ 早く 鍵開けて」

「はい」

「あなた ここでいいわ」

「はい」

「ここ?そうです」

問題の伝票を抜いて出てきた半沢。

「課長… 国税相手に こんなことして

  バレたらヤバイですよ」

「 どのみち 今の俺にはもう後がない」

怒って上にきた黒崎たち。

「どういうこと ここの伝票番号 抜けてるんだけど」

「おい 山村」

「そんなはずは…」

「そんなずさんな管理じゃ困るぞ」

「申し訳ありません」

「もういいわ 口座記録はまだなの?」

「それが 朝からシステムエラーが起きてるらしく

 修復には しばらくかかるかと」

「何をしてる 大事なときに」

「あなた達 何を隠そうとしてるの?」

「隠すだなんて とんでもない」

「あの融資課長は?」

「どうしても外せない用で外出しました」

「彼のデスク ここよね」

半沢の机のひきだしをさがす黒崎。

「何してるんですか!」

「これも捜査の一環よ!」

「あの 半沢が何か…」

「特別に教えてあげるわ

 我々が追ってるのは西大阪スチールと

 東田の巨額な脱税

 これ内緒よ

 今日中に口座記録を提出しなさい

 できなければ このことを

 金融庁に報告します」

板橋たちにあった半沢。

「国税局!?」

「ですから もう時間がありません

 今日中に東田の物件を突き止めなければ

 国税に全部 持っていかれます」

「何とかならないんですか」

「銀行が国税局に逆らうことはできません

 何か新しい情報はありませんか?」

「かなりガードが固いわ

  みんな あいつの名前 聞いたら固く口を閉ざしおる

 どうも先回りしてるみたいねんけどなあ」

「半沢さん 一度東田に関する書類を

 全部 見せてもらえませんか

 もしかしたら 海外の別荘に関するヒントがあるかもしれません

 わずかな可能性でも諦めずに頑張りましょうよ」

と提案する板橋。

「そやなあ」

「私は一度 戻って以前 うちで働いていた者達に

 何か東田に関して知らないか聞いてみます」

「分かりました では夕方の5時にもう一度 集まりましょう」

「はい」

「じゃあ 後ほど」

「今日中はキッツイなあ

 半沢はん 何か他に当てあんのかいな?」

板橋は東田に電話。

「何ッ 国税が気付いた?」

「もうすぐ動くそうです

 そしたら 例の別荘差し押さえられてしまう!」

「ギャーギャー騒ぐな 大丈夫だ」

「あんたに協力したら 5千万の別荘を

 私に譲る約束だったじゃないか

 海外で のんびり暮らせるって話だったから

 支払いの水増しにも計画倒産にも協力したんだぞ」

「まあ落ち着け それより

 あいつらが持ってる書類全部 処分したのか?」

「夕方5時に 竹下のところで受け取ることになってますから」

「夕方5時 さっさと頼むぞ」

「別荘… ほんとに大丈夫なんでしょうね」

「もちろんだ」

渡真利から半沢に電話。

「何だ?」

「生きてますか?崖っぷち 半沢君」

「悪いが 話してる暇はない 切るぞ」

「何かあったのかよ?海外に 東田名義の不動産が?

 おい その物件 絶対 押さえろよ」

「簡単に言うな 場所が分からなきゃどうもできない」

「なあ いいかお前が聞き取り調査で暴れた後

 当然 その処分をどうするかって話が持ち上がった

 小木曽達は すぐに出向させろって息巻いたようだが

 それを止めた人物がいる

 だ〜れだ?

 大和田常務」

『なかなか骨のある男じゃないかその半沢君は

 頭取を目指す上昇志向に

 君を簡単に論破する技能と知恵と度胸を兼ね備えている

 彼が 本当に5億回収できるかどうか

 私は楽しみですけどねえ

 君達も そう思いませんか?』

「これは お前にとってまたとない追い風だ

 何せ俺達 旧産業中央出身のトップが

 お前をかばったんだからな

 おい 分かってんのかよたとえ5千万でも回収できれば

 大和田常務が助けてくれるかもしれないんだ」

「どうかな 追い風は得てしてすぐに向かい風に変わる」

「そのとおりだよ だからこそ急げ

 大和田常務がお前に興味を持ってるうちに
 
 何がなんでも結果を出しなさいよ

 聞いてんの?」

「なあ 近藤はどうしてる?

 あいつ 大丈夫か?」

「今は 人事部預かりだよ もうすぐ出向先が決まる

 毎日毎日人事部の座敷牢に入れられて

 どうでもいい名簿 作らされてる」

近藤さん、また壊れそうな顔・・。

「ほんとに ひでえことしやがって」
「半沢 今のお前は人のことを心配してる場合じゃない

 上を目指すんだろ?

 だったら 余計なこと考えんなよ

 近藤の分も お前は生き残れ」

「もちろん そのつもりだ」

支店長はテレビ電話。

「まったく 大和田常務の気まぐれにも困ったものです」

「どのみち 半沢が5億を回収するのは不可能だろうが

 処分をあまり先延ばしにするのも周囲に示しがつかない」

「おっしゃるとおりです」

「そこでだ 小木曽君

 近々 当支店に裁量臨店を行ってはどうかな」

「裁量臨店… なるほど」

半沢。

「西大阪スチールのファイルと 頼まれた口座の

 出入り明細コピーです」

「すまない 支店長達に見つかると面倒だからな」

「課長 8時には国税に東田の口座記録を提出します

 あと4時間 引き延ばせるのはそれが限界です」

「分かった

 垣内もし このことで何か言われても

 全部 俺の責任だと言ってかまわないからな」

「ありがとうございます

 けど そんな言葉は信用できませんね」

「えッ?」

「ここは銀行ですから

 部下の手柄は上司のもの

 上司の失敗は 部下の責任

 あなたが一番分かってることじゃないですか」

「確かにな

 でも俺は

 そうはなりたくない」

板橋にその書類をみせました。

「東田と西大阪スチールに関するものはこれで全てです」

「拝見します」

「8時までに国税に提出する大事なものもあるので

 すぐに確認していただけますか」

「分かりました

じゃあ あっちでじっくり目を通してきます」

「お願いします」

すみのほうにいく板橋。

「もう時間ないなあ 腹立つけど

 今回は国税に譲るしかないやろ 東田の隠し金
 が まだ他にもあることを祈るしかないわ」

板橋、書類の入った袋をわざと奪われました。

「わあッ ああ〜!」

「どうした!」

「おい 大丈夫か?」

「東田の手下か?」

「恐らく…」

「とにかく私は すぐに銀行に戻って国税への対処をします

 バイクのナンバーです警察に伝えてください」

「分かった」

「ほんとに すいません」

「相手が一枚上手だったそれだけのことです」

「半沢はん…それでは」

板橋は仲間と待ち合わせ。

「ヒイッ!」

「バカ野郎!5時15分に来いって言っただろう

 10分 早いんだよ
 
 それに 思いっきり突き飛ばしやがって

 3針も頭 縫ったじゃねえか」

「すんません」

「ほらッ 行けよ お前は  バカ!」

うけとった書類を燃やす板橋。

「ヒ〜ッ アチッ」

そこへ半沢と竹下が。

「何を燃やしてるんですか?板橋さん」

「なぜ ここに?」

「何を燃やしとんのや」

「あッ… こッ これは別に何でもありません

 個人的なもんで」

「そんな答え 納得できんやろ

 無理ありすぎるわ この裏切りもん」

「最初に違和感を覚えたのは

 あなたが東田の海外の物件を

 別荘と決めつけて呼んだときです」

「海外への投資物件としか言わなかったのに

 あなたは ゴルフ場でも土地でもなく別荘だと断言した

 その物件を知っていたからじゃないんですか」

「いや〜 それは たまたまで…」

「次にタクシーです」

「タクシー?」

「昼間 竹下さんの工場からあなたはタクシーで帰りましたね

 ここまで いくらかかりました?

 恐らく 1万じゃきかないでしょう

とても会社が倒産して

 借金を抱えた人の金遣いとは思えません」

「それは 昔のクセで つい」

「あなた 息子さん名義で

 うちの三ノ宮支店に口座を持っていますね

 とても小学生には多すぎる額が

 5月16日に振り込まれています

 送金した相手は倒産する直前の西大阪スチールでした

 あんたが東田とつながっている何よりの証拠だ

 さあ 板橋

  知ってることを全部吐いてもらうぞ

 まず 東田は海外のどこに別荘を買ったのか

 そして今やつは どこにいるのか?」

「さあな

 いまさら たかが銀行員に何ができる

 あの大切な大切な書類は

 全部 灰になりましたよ

 お前は 銀行員としても

 おしまいだ」

「その書類っちゅうのはこれのことか?

 ほんま人が悪いわ 半沢はん

 俺も騙されたがな

 まさか偽物の書類を渡してるやなんてな」

「そんな…」

「家族はこのことを知ってるのか? 板橋

 確かに たかが銀行員にできるのは金の流れを追うことぐらいだ

 だから俺は あんたの汚い金の流れを徹底的に調べ上げ

 それを全部 家族にぶちまけてやる」

「まッ 待ってくれ」

「もちろん 何も知らず ここで働いていた従業員達にも
 
 教えてやらないとな

 自分達が職を失った その裏で

 あんた一人私腹を肥やしていたと知ったら

 みんな さぞ喜ぶだろうよ

  あんたに復讐するという生き甲斐ができたってな

 そして その後で警察に届け出る

 これ以上ない証拠を揃えてな」

半沢が本領発揮。

「分かったから もうやめてくれよ

 もう全部 全部しゃべるから

 東田が別荘 買ったのは

  ハワイのオアフ島だ

 詳しい場所と向こうの管理会社の住所はここだ」

「東田は今 どこにいる?」

「それは ほんとに知らない

 会社が倒産してから 外で会うか

 電話でしか連絡取ってなかった」

「だったら 今すぐ電話して居場所を聞き出せ

 朝までに聞き出せなかったらお前がしたこと

 全部ぶちまけるぞ」

国税

「統括! 東京中央から東田の口座記録 送られてきました」

「遅いッ」

「あった… 5千万

 銀行が隠そうとしていた獲物はこれなのね」

半沢は渡真利に電話。

「渡真利 至急動いてもらいたい案件がある」

「例の東田の物件場所 分かったのか?

 ハワイ? もっと詳しく」

「詳細は 追ってメールする」

「分かった法務部の部長は よく知ってる

 ハワイとの時差は19時間だよな

 まだいるかもしれないからちょっと行ってみる」

「頼む 国税も動くはずだ 何とか先に押さえてくれ」

「竹下さん」

「うん?」

「腹減りましたね」

「半沢はん 俺

 あんたのことよう分からんようなった

 ほんまは ものごっつい悪いやつちゃうかなって

 な〜んてな

 別に それでもかまへん

 何もかんも 正しいやつなんておらんもんな ハハッ」

またまた国税

「大阪国税局です 

 お尋ねしたいことがあるんですが動かないで!」

「統括! 東田の海外物件はハワイ オアフ島です」

「すぐに現地当局へ連絡!」

半沢と渡真利。

「どうだった?」

「押さえたぞやったな 半沢

  5千万 回収だ 回収した

 今 法務部長が現地と詰めてくれてる

 これで どうにか首の皮一枚 つながったな」

「お前のおかげだ」

「いやいや 今度おごってね」

「店ごと貸し切ってやる

 すまん キャッチが入った」

国税にもその情報が。

「先を越されたって?

 急いで調べて!これは…

 早く!」

「はい」

「統括!東田の居場所が特定できました」

半沢も東田の居場所をきいているところ。

「神戸市須磨海外2の3の11

 海沿いのデカイ家や

 行ったら すぐ分かる

 よっしゃ 現地集合やで」

「分かりました 今から向かいます

 東田の居場所が分かった 行ってくる」

しかしまた邪魔をする副支店長。

「どこに行く気だ?」

「東田の居場所を突き止めました 身柄を押さえます」

「どうあがいたところでいまさら手遅れなんだよ

  そんなことより 頼んでおいた資料できあがったのか?」

「そんなこと?」

「今日の支店長会議で使うと言っておいたはずだぞ

 できてるのか できてないのかどっちなんだ?」

「申し訳ありません」

「会議は昼だ 今から至急 やりたまえ」

「しかし 今は…」

「これは命令だ!」

フロアに響くほどの大声を出す副支店長。

でもそこで半沢の部下たちが援軍。

「課長!今日の支店長会議の資料チェックお願いします」

「私も 頼まれていた収益進捗のデータです

 確認 お願いします」

「僕もです 昨日のファイルまとめておきました

 副支店長これで問題ないでしょうか」

「ああ…」

「課長 今日は外回りの予定ではなかったですか

 早く行ってください」

「すまない」

半沢は竹下といっしょに東田のところへ。

「半沢はん」

「はい」

「はよ来い」

未樹といっしょにいる東田。

チャイムがなって未樹がでました。

「はい」

「板橋です」

「玄関 開いてんのかよ?」

「やっぱり捨ててよかったよ あの家も 板橋のことも

  ヘタすりゃ 足がつくとこだった」

「ほんと ひどい人達」

「ちょっと家が小さくなったけどな

 あんたの言うとおりにしてよかったよ」

半沢たちがやってきた家にはもう
東田たちはおらず。

「半沢はん 上には誰もおらんわ」

「また逃げられたか」

黒崎もきていました。

「ほんとチョロチョロ チョロチョロ

 目障りね 半沢融資課長さん

 あなたが余計な手出しするから

 また逃げられちゃったじゃないの

 この落とし前どうつけてくれるつもり?」

「先に来たのは そちらでしょう

 国税局のやり方が問題なのでは?」

「おだまりなさい!

 私達の仕事は国民の血税を守る誇り高いもの

 私利私欲のためだけに金をかき集める あなた達銀行に

 非難される覚えはありません

 しょせん あなた達は汚い金貸し」

「そのとおりです

 ですが東田から5億を回収するまで

 一歩も引くわけにはいきません」

「その元気 いつまで続くかしらね」

そこへ渡真利から電話。

「どうした?」

「半沢 すまん

 ハワイの物件 国税に持ってかれた」

「どういうことだ?」

「あの黒崎って野郎が 法務部長を何かのネタで ゆすったらしい」

回想

「大田法務部長」

「はい」

「あなたの息子さんの経営してる飲食店

 かなりの申告漏れの噂があるみたいよ」

「えッ?」

「分かってるわよね

 譲ってちょうだい! ハワイ」


「恨まないでね

 これが私達の仕事なの」

「恨みはしません

 ただ…

 この借りは 倍にして返します

 やられたら やり返す

 倍返しだ!

 それが私の流儀なんでね」





倍返しの相手が増えた!!

5000万の物件回収しても
5億には足りないからそれだけでは
すまないけど、その5億も国税に
もっていかれてしまった。
半沢の窮地が続けば続くほど
あとの倍返しを爽快にみられるんだろうな。
巻き返しが楽しみ。

近藤さんはなんとかしてあげてほしいなあ。
もう出向ってきまってるならさっさと出向させて
そちらでマイペースで仕事したほうがまし。
あんな部屋におしこめてたらまた精神病んでしまう。
それを狙ってるのか、銀行。


次回は一週お休みで28日!



2013.07.15 Monday 09:21 | comments(0) | trackbacks(12) | 
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| のほほん便り | 2013/07/16 4:50 PM |