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半沢直樹  第10話(最終話)

第10話(最終話)



半沢と渡真利。

「これで いよいよ大和田と決着がつけられるな」

「ああ

 よし!」

「にしても近藤のやつ 遅くねえ?」

半沢たちを裏切った近藤。
常務との会話を思い出しました。

「私は君を本行に戻すと言っているんだよ」

「本当にできるんですか?そんなことが」

「できる報告書を渡してくれたらね

 もう一度 なってみないかね

 銀行員に」

「よろしく…お願いします」

近藤は帰宅。

「ただいま。」

「お帰んなさいどうしたの? 珍しいじゃない
 
そんな顔して帰ってくるなんて」

「聞いて驚くなよ

 銀行に戻れることになった」

「えッ ほんと?」

「ああ 本決まりだ」

「でも 突然どうして?」

「まあ 色々とな」

「じゃあ 出向は?」

「もちろん無しだ」

「洋弼 洋弼 パパがね…」

スマホを握りしめる近藤。
渡真利がかけても通じない。

翌日、頭取に報告する半沢。

「もし これが事実なら銀行として 大和田常務を

  このままにしておくわけにはいかなくなるな

  この添付書類というのは?」

「タミヤ電機社長田宮基紀氏の証言です

 京橋支店からタミヤ電機に融資された3000万が

 大和田常務の妻棚橋貴子の経営する会社に

 どのような経緯で資金転貸されたかが語られてます

 要約いたしますと田宮社長が大和田常務に

 半強制的に協力させられたという内容です

 手違いで遅れておりますが

 取締役会までには必ず添付いたします」

「半沢これだけのことをするからには

  もし負けたとき 失うものは大きいぞ」

「覚悟の上です」

「分かった

 この報告書は 確かに私が受理した
 
 3日後の取締役会で議題にあげ

 審議することを約束する」

「お願いいたします」

渡真利は部下から情報をきいていました。

「確実なんだな 間違いないな?」

「はい 今朝 確かに部長が承認印を押してましたから」

半沢に報告。

「半沢! 今 人事の裏情報を聞いた。

 まだ内示も出てないそうだが」

「どうした?」

「近藤が銀行に戻ってくる

 しかも広報部だ 一体 何がどうなってんだよ」

電話しても近藤は留守。

「あいにく近藤部長は 本日お休みをいただいてますが」

「そうですか では携帯のほうにかけ直してみます

 はい 失礼します」

でも携帯もつながらない。

「半沢です 近藤 いつもの場所で待ってる

 何時まででも 待ってるからな」

剣道の道場で待つ半沢。

夜遅くになってから近藤がやってきました。

「待ってたぞ 近藤」

「半沢 俺は・・」

「早く着替えてこい」

月がうつる・・。

半沢と打ち合う近藤。

「ヤーー 面 面!」

月がまた映る。

「半沢」

「近藤 生きてくって 大変だな

 時々 思うよ

 何で銀行員なんかになっちまったんだろうって

 ノルマはキツイし 同僚とする話は

 いつも金や人事のことばかりだ

 転勤は つきもので

 そのたびに家族には つらい思いをさせる

 一つでも汚点を作ればすぐに出向だ

 お前みたいになりたくもない病気になっても

 周りのやつらから 謝罪の言葉の一つもない

  なった人間が悪いと言わんばかりに

 片道切符の島流しだ

 だが お前は自力で戻ってきた

 広報部は お前の夢だったんだろう

 それを手に入れたんだ

 いいじゃないか それで」

「半沢 でも俺は

 そのために お前らを…

 お前らを裏切ったんだぞ」

「何でだろうなあ

 裏切られた気がしない

  お前は タミヤ電機を立て直そうと必死に頑張った

 その結果 田宮社長を説得して

 証言を手に入れることができたんだ

 だったら それをどう使うかはお前の自由だ

 お前は それを使って銀行復帰を果たした

 それは お前の実力だよ

 俺が お前でも 同じことをしたと思う

 誰だって 生きていくには 金も 夢も必要だ

 お前は銀行員として 当然の選択をしただけだ

 報告書のことも気にするな

 元々 俺が一人でやるべきことに

 お前を巻き込んじまったんだからな

 お前は何も悪くない

 よかったな 銀行に戻れて」

「すまん すまん…」

泣き出す近藤。

渡真利と半沢。

「近藤を許すってことは

 近 お前が追い詰められるってことだ

 田宮社長の証言がなければ

 あんな報告書 何の役にも立たない

 むしろ いたずらに大和田常務を断罪してるだけに

 かえってよくない

 もう一度 田宮社長から証言を取るわけにはいかないよな」

「その場合 近藤が大和田と取り引きした事実も明るみに出る」

「近藤を犠牲にすることになるのか

 クソッ大和田はそこまで計算してるのかよ

 あの野郎人の弱みに つけ込みやがって

 なあ おい 何かないのかよ

 大和田の不正を決定的にする方法

 もう一度 貝瀬に

 例の内部告発を隠蔽した書類を突きつけて

 証言させるよう脅したらどうだ?

 それか 羽根専務を何とか こっちに抱き込んで…」

笑う半沢。

「フッ… やってることは一緒だな 大和田と

 結局 俺は 大和田と同じ穴のムジナなのかもしれない」

「同じじゃない

 大和田は 自分の保身のためなら

 簡単に人を切り捨てる人間だ

 でも お前は いつだって

 まずは誰かのために動いてきた

 大阪の竹下社長  藤沢未樹

 伊勢島の湯浅社長 戸越さん

 それに近藤だって

 お前に助けてもらった人間はたくさんいるんだぞ

 お前は大和田と違う

 全然 違うよ」


渡真利、いいやつ!!

「渡真利…」

「だから負けるわけにはいかないだろ

 大和田だって 今は身を守るのに必死だ

 何か一つでも お前の粗を見つけて強引に出向…」

そこへ内藤部長が。

「半沢!金融庁から頭取宛てに書面が送られてきた」

「書面?」

「先日の検査における

 お前の受け入れ態度に問題があると指摘してきたそうだ」

「黒崎ですか」

「早速 岸川部長が 次の取締役会で

 お前の処分案を議題にあげるらしい」

「随分と根回しがいいんですね」

「これは お前を出向させるために

 仕組まれたことかもしれん

 とにかく 何とか乗り切れ!

 いいな 半沢

 俺も できるかぎりのことをする」

「ありがとうございます」

部長もいい人!!!

「こういうの なんていうか知ってる?

 絶体絶命」

半沢帰宅。

「ただいま。」

「お帰りちょ ちょ ちょっ…えッ?

 痛ッ 何だよ 花」

「いいの いいの黙って ついて来て

 はい ジャジャーン
 
 花ちゃんの手作りシフォンケーキで〜す

 半沢次長 金融庁検査の長〜い戦いお疲れさまでした

 これで出向しなくて済むんでしょ?

 隆博の夏休み あと1週間あるから

 海外は もう無理なんだけど

 国内なら全然 行けるからどこにする? これ 沖縄」

「ごめんまだ どうなるか分かんないんだ

もしかすると 次の取締役会で出向が決まるかもしれない」

「何で? 伊勢島ホテルも救って
 
 金融庁検査も乗り切ったんでしょ」

「ごめんそういうことになってるんだよ」

ねじを渡す花。

「どうしたんだよ これ?」

「この前 金沢 行ったときに作らせてもらったの

 それも お義父さんのネジと一緒に持ってて

 お守りの代わりに

 黙って やられるつもりなんかないんでしょ?

 大和田なんかに

 お義母さんから全部 聞いた」

「ごめんな ずっと黙ってて」

「ううん 色んな思いはあるかもしれないけど

 ここまでやってくれた直樹を

 天国で お義父さんものすごく誇りに思ってると思う

 銀行を変えたいって話してくれたけど

 私 すごく感動したし 応援したいって思った

 私…あなたを一人の人として尊敬するわ」

「花…」

「だからさ これで負けたら負けたでいいじゃん

 直樹から見たら 銀行なんてこんなに大きいかもしれないけど

 世間から見たら こんなもんよ

 出向になれば 外から銀行 見れるわけだし

 銀行を変えていくのにいい経験になるんじゃない?

 出向が怖くて 銀行員できるか!

 そんな気持ちでさ

 大和田に ブチ当たれ」

理解のある奥さん。

頭取と半沢。

「そうか。決め手となる証言を失ったか」

「頭取は どう思われますか?この報告書の内容について」

「黒だな恐らく ここに書かれていることは事実だろう

 だが 証明できなければこれは ただの紙くずだ

 銀行員にとって最も必要なものは何だと思う?

 人を見る力だよ

 金勘定は二の次だ

 私は君という男を見て 伊勢島ホテルの全てを託した

 そして 生き延びることができた

 半沢 お前大和田常務の何を見てる?

 メガバンクの常務などという肩書を外せば

 あの男も君と同じ 一銀行員であり

 一人の弱い人間なのかもしれない

 そこを見落とすと

 彼には勝てないんではないか?」

渡真利と半沢。

「もしかすると俺達は 大和田の銀行員としての顔しか

 見ていなかったんじゃないか?

 なぜ大和田は 迂回融資なんて危ない手を使って

 妻の会社に3000万の資金を流したのか」

「確かに メガバンクの役員なら

 それくらいの金自分で用意できたはずだよな」

「だが そうはしなかった

 いや できなかったのかもしれない」

「そうか… よし 俺の持ってるネットワーク全てを使って

 大和田を丸裸にしてやる」

「頼む ラフィットのほうは近藤に調べてもらうから」

「近藤!?

 おま…

 つくづく思うよ

  お前 いいやつだよな」

「お前も 近藤も

 俺にとっては一生大事な同期の友だ


 そっちは お前達に任せる

 俺には 会って話を聞きたい人物が一人いる」

「よし じゃ 早速近藤と連絡 取ってみるよ」

「いや もう来てる」

「えッ?」

近藤がいました。

席をたち迎えにいくふたり。

「何やってんだよ 近藤。

 あと24時間しかないぞ 作戦会議だ」

「お帰り 近藤」

「お帰り」

「ただいま」

近藤の肩を抱く半沢。
涙をぬぐう近藤。

羽根専務にあいにいく半沢。

「あなたが最初に出した 120億の運用損失

 あれは ただの事故だったんでしょうかか それとも…」

「いまさら そんなこと聞いてどうするの?」

「大和田常務の不正を報告する文書に

 あなたの証言を付け加えたいと思っています」

「正義は我にあり っていう顔ね」

「羽根さん

 伊勢島が 二度と同じ問題を起こさないためにも

 大和田のような男には

 きちんと責任を取ってもらわねばならない

 そのためには あなたの証言が必要です」

「あの損失は 間違いなく事故よ

 でも それを…」

「それを大和田常務が 利用した」

「せいぜい気をつけるのね

 大和田常務には」

雷鳴がなりひびき
大雨の中を傘もなしで走る半沢。
水をはねた車から大和田がおりてきました。

「いやあ 申し訳ない

 銀行に戻るなら私の車に乗らないかね?」

「お心遣いは ありがたいですが遠慮させていただきます」

「近藤君は素直に乗ってくれたがねえ

 ではせめて クリーニング代は

 私宛てに請求書を回してくれたまえ

 泥に濡れているのが好きなら別だが」

「あのときも こんな雨の日でしたね

 25年前の金沢です

 あのときも あなたはそうやって 傘を差し

 私の父は雨に濡れ

 泥まみれではいつくばってました」

回想

「融資 継続するとあんたが言ったんやないか」

「離してください」

「産業中央銀行さんそれだけは助けてください

 お願いします!」


「あれから 随分と偉くなられて

 昔のことなど忘れてしまわれましたか?」

「確かに 私は昔金沢にいたこともあるが…

 はて 一向に君のことは思い出せないなあ

 ただ 仕事の質にこだわって経営破綻した

 哀れなネジ工場のことは何となく思い出したよ

 自動化やコストカットをいくら勧めても

 首を縦に振らない立派な職人さんだったが

 私の言うことさえ聞いていれば

 自殺などしないでも済んだのにねえ」

「その職人は 銀行を信じて土地を担保に入れたんです

  しかし 見捨てられ全てを失いました

 彼は… 私の父は

 銀行に殺されたも同然だった」
 

25年前 金沢
父の葬儀
焼香にきた大和田。

トイレでの上司と大和田の会話をきいている
少年の半沢。

「間一髪だったな
 
 コマダ工業の業績悪化が発覚したとき

 それを半沢ネジに伝えずうまいこと言って

 土地の担保を決めさせたのはさすがだな

 あれで うちは損失を出さずに済んだんだから」

「銀行員として当たり前のことをしたまでです

 銀行が潰れてしまうわけにはいきませんからね」

「今度の査定 楽しみにしとけよ」

「ありがとうございます

 何か 腹へりません?」

「飯食いに行くか」

「寿司でお願いします 課長のおごりで」

「まったくお前みたいなやつがいると

 産業中央も まだまだ安泰だ」

回想おわり

「君がどう思おうが勝手だが

  いまさら 25年も前のことをあれこれ言われてもねえ」

「銀行に時効などありませんよ

 覚えていようといるまいと

 あなたのしたことの責任はキッチリ取っていただく

 人の善意は信じますが

 やられたら やり返す

 倍返しだ

 それが私の流儀なんでね」

雨の中の倍返し宣言。

銀行に戻りタオルで頭をふく半沢に
資料をもってきてくれた渡真利。

「お前のいうとおり 大和田は真っ赤っ赤だ」

「近藤のほうは?」

「今夜中には届くはずだ」

「でも それはあくまで状況証拠だ

 大和田を追い詰める決定的な証拠を見つけないかぎり

 金融庁からの改善要求を理由にお前が飛ばされるのは

 時間の問題だ」

「分かってる」

「しかし 黒崎のやつセコイまねしてくれたもんだよ」

「なあ 渡真利 前から気になってることがある

 黒崎は 湯浅社長を辞めさ

 せ羽根専務を社長にするという大和田の提案を

 いとも簡単に了承した」

「あれだけ銀行を嫌ってたやつがおかしいっていうんだろ?」

「ああ だがそれも

 大和田常務と黒崎がつながっているなら うなずける」

「となると伊勢島の疎開資料の隠し場所を

 黒崎にリークしたのも大和田?」

「それだけは大和田がやったとは考えにくい」

「だよな あんなヤバイ資料 金融庁のもとに公になったら

 さすがに大和田も ただじゃ済まない

 そんなリークをわざわざするとは思えない」

「じゃ どうやって黒崎は見取り図にも載ってない

 機械室を突き止めたのか?」

そこへ小野寺が。

「あの そのことなんですけど

 ちょっと気になってることが

 金融庁検査の前日に 融資部から追加で疎開さしてくれって

 資料が回ってきたんです」

「その資料は…」

「はい 僕が地下2階の機械室に運びました」

「そのとき つけられた可能性もある」

「融資部の誰が持ってきたんだ?」

「横山ってやつです」

「まだ3年目の若いやつだ」

「そいつが黒崎と通じてるとは思えない」

「誰に頼まれたか 横山に聞いてみる」

岸川が大和田に報告。

「予定通り取締役会で

 半沢次長に対する処分を決議することになりました

 それを踏まえて彼には早々に 出向を命じます」

「ああ そう で 行き先は?」

「東京セントラル証券が受け入れてもいいと言ってます」

「東京セントラル…ああ 子会社のね

 あそこはいいねえ 小さいし

 半沢君もすぐ打ち解けられるでしょう」

「ただ 半沢もその取締役会で

 我々が不正を働いたなどという報告書を議題にあげるようです」

黒崎は誰かと電話中。

「あなたの要望通り

 半沢次長への改善要求書  送ってあげたわよ

  そう 次の取締役会でね

 しっかり改めさせてね

 あの小生意気な態度を」

福山をしめあげる半沢。

「横山に追加の疎開資料を届けさせたのは お前だな?」

「さあ」

「小野寺」

「はい」

「横山が話してくれたよ

 これは お前が横山に渡した追加の資料だ よく見てみろ

 伊勢島ホテル120億の損失に関する覚書

 だが 調べてみたらこんな資料は存在しなかった

 お前が偽造したな?

 ここには黙秘権なんかねえぞ!
 
 何なら お前が資料を偽造して

 銀行を追い落とそうとしたと公表したっていいんだ

 そうしたら お前は東京中央 全行員を敵に回し

 懲戒解雇 間違いなしだ」

「俺がやったって証拠はどこにある

 あるなら出してみろよ 証拠を証拠を出せよ!」

「ありました福山さんのタブレットの中に

 疎開資料を偽装したデータ」

「お前 勝手に!」

「これで お前も終わりだな」

「まッ 待て

 俺はただ 上の命令で」

「上の命令? 誰だ言え!」

「言えるわけないだろう」

「これを行内にバラまくぞ 誰だ!

大和田か?

岸川か」

反応。

「そうなんだな!」

うなずきました。

「岸川か。

 だとすると 裏で指示したのは大和田だよな

 何で自分の首 絞めるような疎開資料のリークを?

 自分の身を守れるだけの取り引き黒崎としてたのか?」

「違う これは岸川の 大和田に対する裏切りだ

 あの最後の金融庁検査のとき

 恐らく 大和田は疎開先のことは知らなかった」

「あの意味が今 やっと分かった」

「いや だけど岸川は黒崎より大和田についてたほうが

 はるかに得だよな もし 大和田が頭取になれば

 岸川が専務当確だろう 何で裏切るようなまねすんだよ」

「黒崎に弱みを握られたか

 あるいは何か特別な つながりがあるのか」

「岸川と黒崎が内通してる証拠をつかめば

 そっから大和田を切り崩すチャンスはある」

「でも今日中に つかめなければ…俺の生きる道はない」

「黒崎と岸川の関係 何か つかめたか?」

「出身地 住所 高校 大学 中学

 全てにおいて 接点がない」

「そうか なあ 半沢

 最後に もう一度だけ…」

部署に戻ると

下唇をつきだし変な顔している大和田がいました。

「いい座り心地だね。思ったよりは」

「何かご用でしょうか」

「君とは色々あったわけだが

 最後に もう一度だけ

 チャンスをあげようと思ってね」

「チャンス?」

「報告書 出すの取り下げてみないか?

 もちろん 私に非などないが

 結果が分かっているのに 審議して

 時間を費やすのは非効率的だ

 いちいち弁明するのも面倒なんだよ

  もしも報告書を取り下げた場合は

 君への処分も 目をつぶろう

  いい話だと思いませんか?」

「お断りします

 まだ業務が残っております

 おどきください」

「残念ですね」

大和田は帰っていきましたが
また戻ってきました。

「そうだ。まだ確証がないようだから
 
 一つ いい方法を教えてあげましょうか

 簡単だよ ねッ

 近藤君を切り捨てればいい

 彼は私の取り引きに応じて

 田宮社長の証言を握り潰したんだ

 それを もう一度田宮社長に証言してもらえば

 私も近藤君も おしまいだよ

 いいアイデアだろう?

 やれるもんなら やってみな」

「常務」

「うん?」

「倍返しだと言った 昼間の言葉

 撤回いたします

 やられたら やり返す

 あなたに対しては

 100倍返しだ!

 覚えておいていただこう」

100倍返し宣言。

「ゼロを倍にしても

 100倍にしても

 答えはゼロです 半沢君」
 
半沢はいつもの週刊誌記者に電話。

「そうですか ダメでしたか。」

「もう少し時間があればどうにかなるんですが

 いかんせん 相手が金融庁の有名人だ

 入り込むのに時間がかかる」

「お手間をおかけして申し訳ありませんでした

いえいえ とにかくギリギリまで探りますから

 ありがとうございます では」

渋い顔。
そこへ電話。

「もしもし どうした?」

外へでたら花がいました。

「花!ビックリしたよ 急に来るから」

「はい 手作り愛妻弁当

 どうせ今夜も夜中まで仕事なんでしょ?」

「サンキュー 花ちゃん

 腹へって 気失いそうだったんだよ」

「はい こっちがスパイノートね」

「スパイノート?」

「行きたくもない夫人会に潜入して

 聞きたくもない話散々 聞いてきたんだからね

 感謝してよ」

「でも何で?」

「言ったじゃない 直樹のこと応援したいって

 何か 大和田の弱みとか聞き出せるかなと思ったんだけど

 大した情報聞けなかったな

 ごめんね」

「いや何かの役に立つことが

 ある… かもしれない ありがとう」

ノートには仕入れた情報がかいてありました。

「大和田夫人はすごく無愛想で無口だし

 岸川夫人なら何か知ってるかなと思って

 聞き出そうとしたんだけど

 何か今 すっごく悩んでて

 娘さんの結婚のことで」

「結婚… 岸川部長の娘が?」

回想

「今度 ハワイで身内だけで結婚式するんだけど

 ちょっと訳があってあんまり人には言ってないの」


「訳ありって…」

「こっそり私にだけ教えてくれたんだけど

 相手の人が金融庁の人なんだって

 最悪よね 銀行の敵じゃない

 その金融庁の担当と銀行役員の娘が結婚するのって

 本当は よくないって岸川夫人が心配してたけど

 そうなの?」

金融庁と銀行(黒崎と岸川)が繋がった!!

「ちょっと行ってくる」

「えッ 行くって どこに?」

行きかけて戻ってきて花を抱きしめる半沢。

「ありがとう 花」

また走っていきました。

岸川をたずねた半沢。

「こんな時間にいきなり来るなんて失礼だろう」

「申し訳ございません今夜中に お話ししておきたい

 大事な用件がございまして」

「大事な用件?」

「 一つ 確認しておきたいことが」

「何が?」

「あなたの意思です

 この報告書には目を通していただけましたか?」


「ラフィットへの迂回融資事件」
「伊勢志摩ホテル内部告発事件」
に関する報告書


「ああ 一応はね」

「この内容を認めてくれるかどうか その確認です」

「そういうことか

 認めるわけないだろう

  そこに書いてあることは事実無根だ

 3000万の迂回融資だの内部告発のもみ消しだの

 根拠もなしに並べられて

 ハッキリ言って私も大和田常務も

 かなり心外な思いをさせられているよ

「岸川部長 あなたに銀行員の良心が

 少しでも残っているのなら

 自分のしてきたことを後悔しているはずです

 取締役会で この報告書を認めると証言してください

 銀行員としての自分を取り戻すんです」

「事実でないことは認められんよ

 大体な お前のほうこそ

 金融庁から指摘された問題次長のくせに

 偉そうなこと言うな!

 悪いが もうじき来客があるんだ

 さっさと帰りたまえ」

「分かりました

 では最後に祝辞を述べさせていただきます

 このたびは 娘さんのご結婚おめでとうございます

 ですが あなたも父親として

 複雑な心境なんじゃありませんか

 何せ 相手は金融庁の…」

「何で そのことを」

「奥様は随分 心配してるようですよ

 私の妻に 全てを打ち明け相談してきたそうです

 娘さんは本当に彼のことを愛しているのか

  もしかすると あなたが彼の権力ほしさに

 政略結婚をさせようとしてるんじゃないか」

「違う! 結婚は向こうから言ってきたことだ

 黒崎さんはああ見えても 実は…

 まさか」

「やはり 娘さんの結婚相手は黒崎だったんですね」

「私をハメたのか?」

「いいんですか? 岸川部長

 そういうことなら今回の黒崎の行動は 大問題です

 当行に個人的な関係があることを隠して

 金融庁検査に検査官として赴任してきたんだ

 上に知れたら ただじゃ済まない」

「それは誤解なんだ」

「ええ 誤解していました私は ずっと

 大和田常務が黒崎と通じてると思っていた

 直接の窓口はあなただったんですね

 あなたは 大和田常務にも結婚の弱みを握られ

 操り人形になるしかなかった

 違いますか?

 そんな状況によほど嫌気が差したんでしょう

 あの金融庁検査であなたは大和田を裏切った

 疎開資料の隠し場所を黒崎にリークしたんです」

「上層部が皆 吹き飛べば

 じき 頭取も夢ではない

 そう黒崎に吹き込まれでもしましたか?

 娘婿である黒崎をかわいがる気持ちは分かりますが

 金融庁と内通し 当行に不利益をもたらそうとした

 この罪は重いですよ 岸川部長

 娘さんは さぞ残念がるでしょうね

 せっかく金融庁のエリートと結婚できるはずが

 目前で水の泡だ」

「ちょっと待ってくれ」

「いいえ 待てません この件はマスコミにも流させてもらう

 そうなったら一番の被害者は娘さんですね」

「やめろ!全部 私が勝手にしたことだ

 娘は銀行や金融庁のことは何も知らない 関係ないんだ」

「関係ない娘さんを巻き込んだのはあなたと黒崎です」

「頼む 半沢君 どうか…

 どうか このことだけは口外しないでもらいたい 頼む!

 娘の幸せを壊さないでやってくれ

 このとおりだ!」

懇願する岸川。

「そこまで娘さんのことを思う気持ちがあるのなら

 あなたはまだまっとうな人間だ

 何が正しいか 判断できるはずです

 もう誰も守ってはくれませんよ

 銀行員として何をすべきか

 よ〜く考えてください 岸川部長」

外にでるとそこに黒崎が。

「驚いた。こんなところであなたと会うなんて」

「こちらこそ驚きましたよ あなたが結婚するなんて」

「バレちゃったみたいね」

「何をたくらんでるんです?

 岸川を使って 今度は内側から銀行を潰す気ですか?」

「それも悪くないわね でも

 ほ〜んとに好きになっちゃったものは

 しょうがないじゃない

 なんてね

 ほんと目障りな顔

 次から次へと私の邪魔ばかりして

 せめて結婚だけは邪魔しないでちょうだい」

「それは 岸川部長しだいです」

「もし 岸川のパパが処分を受けて

 銀行を出されるようなことになったら

 それはそれで好都合かもね

 遠慮なく行くわよ

 金融庁検査

 覚悟してなさい」

大和田の自宅。

「あら 帰ってたの。」

「ああ」

「ねえ また100万ほど用立ててもらえる?

 来週 新作の買い付けでミラノなの

 お願いね」

取締役会会議 当日

近藤は広報に復帰

「今日から こちらでお世話になる近藤です

 即戦力になれるよう精いっぱい 頑張ります

 どうぞ よろしく」

時計を確認。

「営業第二部 半沢直樹次長入りたまえ」

半沢は中へ。

「では 半沢次長

 君の報告書について説明をしなさい」

「それでは ご説明いたします

 まずは先月 行われた

 伊勢島ホテルへの200億の融資について

 京橋支店の貝瀬支店長 古里課長代理は

 伊勢島ホテルからの内部告発によって

 120億の損失が出ることを知っておりました

  にもかかわらず それをもみ消し

 何も知らなかったことにして200億の融資を進めました

 その結果当行が金融庁検査において

 多大な苦難を強いられたのは皆さんも ご存じと思いますが

 貝瀬支店長は 「上からの指示に従っただけだ」

 と申しております

 その指示をした人物はここに記載したとおりです

 大和田常務

 あなたですね」

「なぜ そんなふうに思うのか

 到底 真実とは言い難いことです

 大体 こんなことして私に 何の得があるのかな」

「あなたは 羽根専務の出した120億もの損失を利用し

 金融庁検査の混乱の責任を取らせる形で

 頭取の失脚をもくろんでいたのではないですか」

「あらまあ らしくないねえ 半沢君

  頭取の失脚?

 頭取に対して 第一 失礼だよ

 根拠が まるでない

 というか その前にあるはずがない

 だって事実とは違うんだからね

 私は やましいことは何一つ していない」

「では もう一つの件についてお伺いします

 5年前 タミヤ電機に融資された3000万の件です

 この資金は すぐにタミヤ電機から

 ラフィットという会社に転貸されました

 転貸資金も問題ですがもっと問題なのは

 このラフィットが大和田常務の奥様の会社だということです

 これは明らかに あなたが

 当時 京橋支店長だった岸川部長に命じてやらせた

 迂回融資なんじゃありませんか?

 このような事態はコンプライアンス ならびに

 金融機関役員としての信義則に違反する事実であり

 当行の社会的信用も大きく毀損するものです

 本件の対応について

 取締役会の判断を仰ぎたく存じます」

「大和田君 君の意見を聞こう」

「ええ…困りましたねえ

 さっきから次々と御託を並べて

 まったくの事実誤認としか言いようがない

 半沢次長 そうまで言うなら君は当然

 田宮社長にも確認したんだろうね

 どうなんだね?

 証言があってのことなんだろうね」

「残念ながら 田宮社長からの証言は取れませんでした」

「ああ それはそうだろう

 そんな事実はないんだから

 半沢次長は そんな一方的な調査で

 私が迂回融資をしたと言うんですか?

 ひどいなあ

 皆さんどうも私には この報告書自体が

 悪意をもって書かれた

 事実が わい曲されたものに思えてなりません

 半沢次長 もしかして君 私に何か

 恨みでもあるのかね?

 私が確認したところによりますと

 実は 妻は以前から田宮社長と知り合いで

 融資の話も だいぶ前から相談していたそうです

 今回 我が行が タミヤ電機に融資した時期とタイミングが

 偶然 妻の会社へのそれと一致していたために

 このような誤解を招く結果となってしまいました

 妻の話によれば タミヤ電機からお借りしている3000万は

 だいぶ長くなってしまったので出資に切り替えてもらうか

 一度 返済するつもりだと話していました

 不測の事態とはいえこのように 皆様に

 余計なご心配をおかけしましたことを

 深くお詫び申し上げます本当に申し訳ございませんでした

 私からの申し開きは 以上です」

「皆さん いかがかな

 結論は出たな

 次は半沢次長に対する改善要求を…」

「お待ちください

 妻が勝手にやったことだから知りません?

 大和田常務 あなた いつからそんな政治家みたいな

 見え透いた弁明をするようになったんですか?

 そんな子供だましが通用すると思ったら大間違いだ

 そもそも 返済するだの出資に切り替えるだの

  そんな話はまるで現実味がありませんね」

「私じゃない 妻がそう言ってるんだ」

「タミヤ電機は資金繰りに苦しんでる

 出資に切り替えるということは

 3000万 ドブに捨てるようなものだ

  あなたの奥様の会社も 大赤字の中

 どうやって 3000万を返済するのか

 返済原資をお聞かせ願いたい」

「妻の会社に出資してくれる先があると聞いてる」

「どこの何という会社ですか それとも個人ですか?

 具体的に お答えください」

「そんなことまでは知らんよ」

「お聞きになっていないんですね

 では今 この場で奥様に電話をして聞いてください」

「失礼だろう!」

「失礼ついでに言わせていただく

 奥様を悪く言うつもりはないが

 果たして経営者として ふさわしい才覚の持ち主でしょうか

 我々 銀行員にできるのは金の流れを追うことぐらいです

 私の仲間が あなたと奥様について

 過去5年間の金の流れを徹底的に洗い出してくれました

 5年前 ラフィットの経営は困窮し

 1000万ほどの借金を抱えました

  しかし その後も経営再建のメドは立たず

 借金は少しずつ膨れ上がっていった

 そして あなたの奥様はマチ金に手を出した」

「マチ金!?」

「いきなり昔話をしだしたと思えば何を大げさな

 急場をしのぐために そんなこともあったかもしれませんが

 それは全部 返済して 今は借金なんかないんだよ!」

「白水銀行 東京中央信金

 大同ローン トラスト金融ドットマネー

 複数の金融機関とマチ金から

 いわゆる転がしで資金を調達し続けた結果

 あなたが気づいたときには

 奥様の抱える借金は1億を超えていた

 だからあなたは当面のやりくりのために

 3000万の迂回融資を実行…」

「こじつけだ それは!」

「あなたの個人口座も全て調べさせていただきました

 東京中央銀行常務取締役ともあろう方の口座が

 預金残高はマイナスです

 今でも家には抵当がベッタリとはり付いており

 借金は まだ5000万以上…」

「ゴチャゴチャ ゴチャゴチャと 

 半沢君のそういう態度が

 金融庁から問題ありと判断されたんじゃないのか!

 この取締役会で

 処分の対象を受けるべきはお前なんだよ

 勘違いしてるんじゃない!

 伊勢島ホテルの検査を乗り切って

 調子に乗るのもいいけれどもねえ

 君の 君一人の その非常識のせいで

 我が行全体のモラルが疑われてるんだよ」

「モラル…

 この銀行に まだモラルなんてものが存在するんですか?

 私の言ってることと大和田常務の言ってること

 どちらが正しくてどちらが間違ってるか

 少し考えればどなたにでも分かるはずです

 しかし 皆さんは

 これまで ずっとこのテーブルの上で
 
 黒だと思っているものを詭弁で白に すり替え続けてきた

 その結果が今の この東京中央銀行です

 大和田常務 あなたは私に おっしゃいましたね

 メガバンクはこの国の経済を支えている

 決して潰れてはならないと

 おっしゃるとおり銀行は 決して潰れてはならない

 ですが私達は そのことにこだわるあまり いつの間にか

 自分達のことしか考えない集団に

 なっているんじゃありませんか?

 弱い者を切り捨て

 自分達の勝手な論理を平気で人に押しつける

 問題は先送りされ誰一人 責任を取ろうとしない

  くだらない派閥意識でお互いに けん制し合い

 部下は上司の顔色をうかがって

 正しいと思うことを口にしない

 そんな銀行は もう

 潰れているようなものです!

 世の中には

 本当に銀行の力を必要としてる人や

 企業が たくさんいます

 彼らを裏切り続けるなら

 私達は もう存在していないも同然じゃないですか

 これ以上 自分達を

 ごまかし続けるのは やめましょう

 黒は黒 白は白です

 そうは思いませんか?

 岸川部長」

「岸川部長も

 この報告書の当事者だったな

 君の意見も聞かせてもらおう」

「はあ… はッ はい」

「この報告書について

 何か言いたいことはあるかね」

「私は この報告書に書かれている内容については…」

「遠慮はいらないよ 岸川部長

 思ってることを 正直に言いなさい」

とにらみをきかせる大和田。

「この報告書の内容は 何一つ

 身に覚えは…」

「岸川さん

 どうなんですか 岸川部長」

今度は半沢が。

「私は この報告書の内容を…」

「頭取 岸川部長は少し体調が…」

とめようとする常務。

「今 岸川さんが話してるんだ 黙って聞け!」

「何だ その口のきき方は!私は常務だぞ 常務だ」

「すみません 大和田常務

私は…」

「おい やめろ 岸川」

「私はこの報告書に書かれていることを」

「黙れ 岸川!」

「認めます

 私は 5年前京橋支店におりましたときに

 タミヤ電機に3000万の融資を実行いたしました

 しかし それは

 大和田常務の奥様の会社を救うための転貸資金であり

 大和田常務が田宮社長にお願いし

 話がまとまっていたことです」

「岸川! 何 誤解してるんだ

 私は そんなこと何も知らん」

「伊勢島ホテルの件についてはいかがですか?」

「それも 伊勢島ホテルからの内部告発によって

 私も大和田常務も

 120億の損失が出ることを知っていました

 ですが その事実を隠蔽して

 200億の融資が実行されるように仕向けました」

「お前が勝手にやったことだろう!」

「いいえ! 全部 大和田常務の指示に従って

 私が実行いたしました」

「岸川!」

「うるさーいッ

 俺だってこんなふうになりたくなかった

  こんなふうに…」


机につっぷしてしまう岸川。

「頭取。みなさ〜ん

 岸川部長が言ってることはただのざれごとですから

 何の証拠もない!迂回融資だなんて そんな私が…」

「見苦しいですよ 大和田常務

 これはあなたがしてきたことの報いです

 散々利用してきた部下に裏切られた

 今のお気持ちは いかがですか?」

「もう その辺でいいだろう

 大和田常務 君には改めて

 処分を伝えることになると思ういいね

 異論のある者は?

 では これで…」

「まだ終わっておりません

 大和田常務 私との約束

 覚えてらっしゃいますよね」

「はあ 約束?」

「伊勢島の隠蔽を指示した人物があなたなら

 私に土下座をして詫びていただくお約束でした

 忘れたとは言わせませんよ

 さあ やってもらいましょうか

 常務ともあろうお方が

 約束を破るつもりじゃないでしょうねえ

 土下座などパフォーマンスだ いくらでもしてやる

 そう言っていたじゃありませんかさあ!」

「半沢 もうその辺でいいだろう」

「部長 これは私と大和田常務とのケジメです

 止めないでください

 土下座をしてください

 仮にも 人の上に立つ人間なら

 潔いところを見せていただきたい

 どうしました?

 部下に頭を下げるなんて常務のプライドが許さない

 もしそう思っていらっしゃるのなら

 大きな間違いだ

 あなたが謝るのは私じゃありません

 これまで あなたが雨の日に傘を取り上げ

 トカゲの尻尾として切り捨ててきた

 全ての人と 会社です

 土下座をしてください

 大和田常務…」

「半沢 そこまでだ」

「いいえ

 ここで終わらせるわけにはいきません

 地べたをなめるようにしてあなたにすがり

 けなされ さげすまれ

 それでも必死で 家族を 会社を

 大切なものを守るために

 あなたに土下座をし続けた人達の

 痛みを 怒りを 悔しさを

 あなたにも思い知っていただく」


涙を流す半沢。

父のことを思い出しました。

「土下座してください。

 やれーー!!大和田ーー!!」


あたりを見渡しすごい顔になる大和田。

「うわーー!!」

拳をにぎりしめ膝をおり
土下座しました。

半沢の握りしめていたこぶしには
父のねじと花にもらったねじが。

黙って部屋から出ていく半沢。

数日後。

頭取の部屋。

「大和田常務がお見えになりました」

「入れ

 わざわざすまないね 大和田君」

「いやあ お気遣いなくどこですか?

 北海道の科野林材ですか?

 それとも 佐世保の小宮山造船あたりですか…」

「それでは 君に対する処分を言い渡す

 大和田暁

 本日付をもって常務取締役職を解任し

 取締役への降格を命じる

 以上だ 下がりたまえ」

「なぜですか」

「うん?」

「懲戒解雇になっても文句の言えない男ですよ

 今の私は

 それだけで 済ませてよろしいんですか」

「人の価値は 金では推し量れない

 銀行員は金ではなく

 人を見るべきだ

 そういうことだ

 私は 銀行員としての君を

 尊敬していたんだよ」

外で飲む半沢と近藤と渡真利。

「降格?!」

「そうだよ」

「それだけかよ 出向は?」

「ないらしい」

「出向になった岸川部長一人が

 詰め腹を切らされたってことか」

「そう まさしくトカゲの尻尾

 それにしても やるよね さすがは中野渡頭取だよ」

「どういうことだ?」

「大和田を出向させるのは簡単だ

 でも それだと第二 第三の大和田が出てきて

 結局 派閥争いは続く可能性がある」

「確かに」

「だから頭取は 旧産業中央のトップである

 大和田を取り込むことで

 その勢力の全てを掌握したってことさ

 これで大和田は 一生中野渡頭取には逆らえない

 あとは一気に行内融和政策を進めるつもりだろ

 黒を白にしたのは 頭取なんだよ」

「本当に それでいいのか?

 半沢

 本当に これでよかったのか?」

半沢は答えず。

自宅。

「今日あたり出るんでしょ? 内示」

「うん」

「副部長になったらますます忙しくなっちゃうね」

「どうかな」

「その前に2〜3日でいいから

 休み取って 家族三人で金沢 行かない?」

「金沢? ああ いいけど」

「お義母さんにもたまには顔見せないと

 それに お義父さんにも報告することあるでしょ」

「そうだな」

「じゃあ 決まり しっかり有給 ゲットしてこいよ

 半沢副部長」

「ウッス」

「う〜ん!

 あッ 直樹 よく頑張ったね」

「うん」

銀行

「半沢 頭取がお呼びだ」

「お〜い!」

ざわつく部内。

「すぐに 頭取室へ行ってくれ」

「はい」

部長やみんなの期待を背負っていく半沢。

渡真利と近藤。

「頭取 じきじきの内示ともなれば

 サプライズ人事があってもおかしくない」

「何だよ サプライズって

 まさか 部長に昇格か?」

「これまでの半沢の功績を考えれば

 それも あり得るんじゃないか?

 さかのぼれば大阪西支店時代の5億の回収

 伊勢島ホテルの再建

 金融庁検査の危機回避

 加えて 大和田の不正断罪

 これだけ揃ってりゃ

 二階級特進くらいあったって不思議じゃない

 今の半沢は 中野渡頭取の懐刀みたいなもんだからな

 これで 次期取締役候補のラインに乗ったのは間違いない」

「本当に あいつが頭取になる日が来るかもしれないな」

「なあ」

頭取室に入る半沢。

「半沢。今回は本当によくやってくれた

 頭取として礼を言わせてもらう」

「いいえ」

「ただし 最後のは ちょっとやりすぎだ 反省しろ」

「はい 申し訳ございませんでした」

「では 君に辞令を伝える

 ぜひとも 受理してもらいたい」

「はい」

「半沢直樹次長

  営業企画部 部長職として

 東京セントラル証券への

 出向を命じる!」


半沢の顔からだんだん目がアップに!!



おっと!!
大和田常務に土下座させて100倍返しは
できたものの
この終わり方のすっきりしない感は

おのれ、ディケイド!!並み!!

当然続きをやる気満々なんだろうけど!

異例の大出世かと思われた半沢がまさかの出向。
銀行にしたらこんな危険な男
おいとけないですよねえ。
あの場にいた頭取以下役員もここまで
のぼりつめてきたからには、不正までは
していなくても大和田と似たり寄ったりのことして
出世街道歩んできたんだろうし。
銀行の今のやり方をまっこうから否定し
銀行にうらみを持つ男は排除されるでしょ。
あの土下座はやりすぎだったし。
私怨をおしだしすぎ・・。

出向先でどんな活躍をして
どんな経緯でまた銀行に戻ってくるのか
興味深いです。

同期3人の友情はよかったなあ。
裏切った近藤を責めない半沢・・・。
ほんとに人間できてる。
最初から最後まで大きな力になってくれた渡真利。
渡真利の存在なしでは切り抜けられなかった場面が
いっぱいだったよ。

花ちゃんはものわかりよすぎるいい奥さんで
理想の妻像かな〜とも思いましたが
最終回にはでてくると思われた座敷わらしのこどもは??
(つーか子どもいる設定必要だったの・・)

最終回にびっくりしたのは黒崎の結婚!
岸川の娘と結婚て黒崎いくつなの?!!
あのしゃべり方とあの性格の黒崎と
よく結婚しようという気になったなあ・・娘さん!!
黒崎が「好きになったもんはしょうがない」と
言ってたけどこの人どんな顔で愛をささやくのw

終わりはともかく半沢の倍返し
存分に楽しませてもらいました。
楽しいドラマでした。


続編をやるなら映画じゃなくて二期でお願いします。
続きは映画でっていうのすごく多いけど
映画は全国上映といいながら
実際は全国ではやってないから
みずにおわった続編のなんと多いことか。
ATARUもやってないよー(田舎)




半沢直樹…堺雅人
半沢花…上戸彩
渡真利忍…及川光博
黒崎駿一…片岡愛之助
近藤直弼…滝藤賢一   
内藤寛…吉田鋼太郎
岸川慎吾…森田順平
貝瀬郁夫…川原和久
古里則夫…手塚とおる
田宮基紀…前川泰之
野田英幸…利重剛
湯浅威…駿河太郎   
羽根夏子…倍賞美津子
半沢慎之助…笑福亭鶴瓶   
中野渡頭取…北大路欣也
大和田常務…香川照之














2013.09.23 Monday 10:03 | comments(2) | trackbacks(19) | 
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ルル (2013/09/27 9:02 AM)
こんにちワン(^^)
TBを2回送ってしまったと思うのですが、、
お手数かけました<(_ _)>

>銀行にしたらこんな危険な男
おいとけないですよねえ。

ですよね。スカッとを予想してたんで
ガクっとはきましたが。

当初は監督が華麗なる〜の方だったんで
期待してなかったんですが
気がつけばハマってましたw

秋も直に始まりますねー。
ツイッター共々宜しくお願いします(^^)
honey (2013/09/27 12:59 PM)
>ルルさん
 
 こんにちは。
 
 TB、大丈夫なにでお気になさらず。

 倍返しですっきり・・でしたが
 最後のあれはやっぱりやりすぎに
 みえましたねえ。
 大阪支店長の時と違って
 こちらは役員揃った席ですし。

 こちらこそどうぞよろしくです(^^)
 
 









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最後に笑うのが誰か----------!?前回のラストで近藤が・・・って形にはなったので、これも作戦かと思ったんですけどね。いやぁ、最後の倍返し・・・ならぬ100倍返しのシーンは息をの...
| ◆◇黒衣の貴婦人の徒然日記◇◆ | 2013/09/23 8:08 PM |
「半沢直樹」不屈の男・・・大和田常務に復讐を果たした半沢は中野渡頭取に危険人物として頭取健在の内は銀行から飛ばされる事になった
「半沢直樹」最終話は半沢は大和田常務を追い込む決定的な証拠を掴んだが、大和田常務が近藤に銀行復帰を持ちかけられ近藤は銀行復帰を選び大和田常務を追い詰める手段を失う。こ ...
| オールマイティにコメンテート | 2013/09/24 5:38 AM |
半沢直樹 最終回
原作者もおっしゃられてたけれど、まさに銀行を舞台にしたチャンバラ。ドラマチックな照明と、盛り上げ音楽が効いてました 「100倍返しなるか最後に土下座するのは誰だ! 〜衝撃の結末!!友情か?裏切りか?」 …思いっきり続編作る気まんまんな雰囲気のラスト
| のほほん便り | 2013/09/24 8:36 AM |
日曜劇場「半沢直樹」最終話
最終話「100倍返しなるか 最後に土下座するのは誰だ! 〜衝撃の結末!! 友情か?裏切りか?」                        視聴率42.2%
| またり、すばるくん。 | 2013/09/24 11:33 AM |
半沢直樹(終)
100倍返しなるか最後に土下座するのは誰だ! 〜衝撃の結末!!友情か?裏切りか? 視聴率は 42.2%・・・前回(35.9)より
| ドラ☆カフェ | 2013/09/24 4:44 PM |
半沢直樹 最終話:100倍返しなるか最後に土下座するのは誰だ!〜衝撃の結末!!友情か?裏切りか?
しゅ、しゅ、出向!?Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン との結末にしばし呆然・・・ 勧善懲悪を期待してた身には、何じゃこりゃな展開だったけど、これってTBSが欲を出して 続編や映画化に繋げるための作戦? それとも半沢の能力を買ってた頭取なので、かわいい子には旅
| あるがまま・・・ | 2013/09/24 11:03 PM |
《半沢直樹−第二部》#10(最終話)
大和田と岸川に目の前で、銀行員に戻りたくないかと迫られてはさす がの近藤も、半沢を裏切る形になってしまった。 大和田常務の悪事の報告書が出来上がったが、添付の田宮社長の分が 近藤から届かなかった。中野渡頭取は、これだけの告発をするには、 負けたとき失うも
| まぁ、お茶でも | 2013/09/24 11:12 PM |
半沢直樹の最終回視聴率は? あの終わり方はよくわからない
昨日ついに「半沢直樹」終了。平均視聴率40%超え確実と予測されるなか、ネットでは90%だとか、54.4%の速報だとかいろんな情報が飛び交ってますね。o(^▽^)o個人的にはち ...
| 自分なりの判断のご紹介:ミラー | 2013/09/25 5:41 PM |
倍返しだぁ!
ドラマ「半沢直樹」を見ました。 TBSにて 日曜9時からやってました 視聴率を含め、話題になった本作 最終回は40%越えですからね、ミタを抜いての! そんなわけで、内容、ストーリーは面白く 銀行員の話ながらわかりやすく 毎話 しっかりと見せてくれて 引き込まれ
| 笑う社会人の生活 | 2013/10/12 5:16 PM |