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失恋ショコラティエ 第3話

第3話



『紗絵子さんが店に来なくなって ひとつき半

 ずっと 会わずにいると心の中が 曖昧になってくる』

「よし。 完璧。開店しますね。 シェフ。」

「お願いします。」

『彼女の顔を 思い浮かべてもこんな顔だったっけって

 自信 なくなったり

 俺 何で 好きだったんだろうって思ったり

 でも このまま 二度と会えないかもしれないなんて思うと

  たまらない

 やっぱり 会いたいよ』

お店にやってきたのは紗絵子さんじゃなくえれな。

「爽太君。」

お店に入るなり爽太をハグ。

「あれ? えれな。」

「たっだいま。」

「あっ。 アハハ。えっ?ハワイロケは?」

「今 さっき 成田に着いてすぐ 来ちゃった。

 爽太君の顔が 見たくて。

 ねえ? ハグして。 ハグ。

 彼氏みたいに おかえりって して。」

「おかえり。」

冷たい目でみている薫子さん。

「あれ 何もなかったとかって嘘だよね?」

「さあ。 僕は 何も。」

しらばっくれるオリヴィエ。

「っていうか 焼けてないね。」

「そんなことないよ。」

「もう 油断しちゃって背中なんか 真っ赤っかだよ。

 ほら。 見て。」

「あっ。 ホントだ。」

「やってるよね?とっくに 抱いてるでしょ?」

「さあ。 僕は 何も。」

「ねえ? 爽太君。今日 夜ご飯 行かない?

 お土産もあるし写真も 見せてあげる。」

「うん。 いいよ。 じゃあ終わったら こっちから 連絡…。」

そこへタイミング良く紗絵子さんが。

『何で?何で 今なんだ?』

紗絵子に気付くえれな。

「もしかして 彼女?まずかったね。 ごめん。」

「いや。」

『まずくない。むしろ チャンスだ

 今こそ悪い男に ならなきゃ』

顔を近づけてそっと囁く。

「後で 話すから。」

「分かった。じゃあ また 夜にね。」

「うん。」

「仕事 頑張ってね。」

「ありがとう。」


すれちがいざまに紗絵子の顔をみていくえれな。

爽太、内心はドッキドキ。

『この音を 聞かれちゃ駄目だ。冷静を装え

 それで いつも 紗絵子さんが俺に するように

 相手にしてるようなしてないような

 微妙な態度で 気を引くんだ』

「あの。いらっしゃい。 紗絵子さん。

 久しぶりだね。元気だった?」

「うん。 元気だったよ。

  爽太君のメール 見て 新作って 書いてあったから

 居ても立ってもいられなくなって。」

「うれしいよ。」

「さっきの子。」

『きた』

「すっごい スタイル よくて美人だね。

 もしかして モデルさん?

 あっ。 彼女が 前 言ってたいい感じになってるって人?」

「いや。」

『こういうとき。こういうとき

 悪い男はどう答えるのが 正解なんだ?』

「いい感じっていうか あの子は。」

『あれだ 有名人とかがもう 明らかに そうなのに

 そうとは言えないから使う あの言葉』

「ただの 友達だよ。」

「えー? 友達?

 友達は あんな べたべたしないよ。嘘だ。」

「いや。 彼女お父さんだか おじいさんだかが

 ポルトガル人だから誰にでも あんな感じなんだよ。

 六道さんとも普通に キスしてたしね。」

『さらっと かわす 俺グッジョブじゃね?』

「えっ?六道さんって あの六道さん?

 えー?何か すごいね 爽太君。

 有名人とも 普通にお付き合いがあるんだね。

 あっ あっ。 でも同業者だから 当たり前か。」

『紗絵子さん 戸惑ってる?動揺してる?

 もしかして もしかして主導権 俺?』

「新作 試してみてよ。

 紗絵子さんに食べてもらいたかったんだ。」

「へえー。 何か 今までの爽太君のチョコと

 少し 雰囲気が違う。」

「そう?」

「あのね。 ホントはね新作がなくても 来たかったんだ。

 もっと 早く。でも…。」

『何だ? その目は。 天然?天然で そそってんの?

 そ… それとも。いや 待て。 冷静になれ 俺』

「あっ。あのとき ごめんね。

 友達のことを 断った上に何か きつい言い方 しちゃって。

 俺 別に 怒ってないからね。」

「よかった。」

『よしよし。今までの俺とは 違うぞ

 この冷却期間は 確実に俺を成長させたんだ』

「でも あれは いいんだ。断ってもらって よかったかも。

 友達に 頼まれたから一応 伝えただけで。

 ホントは 私も あんまり気が進まなかったんだ。

 だって。 フッ。

 何か 微妙じゃない?

 元カレを 友達に 紹介するなんて。」

『元カレ?』

「フフッ。」

『それって 俺のこと?俺が 元カレ?

 えっ? えっ?何? その2階級特進

 あの2カ月弱の 二股期間を
 
 付き合ってたって認めてくれるの?

 いつの間に 昇格?』


まいあがる爽太に声をかける薫子さん。

「シェフ。 お電話です。」

「えっ?あっ あっ あっ あっ あっ。ああ。

  ちょ… ちょっと 待ってて。

 すぐ 戻るから。 あっ。他のも 見てて。 すぐ 戻るから。

 あっ あっ あっ あっ あっ…。」

動揺しまくり・・。

えれなとあう爽太。

「ねえ?彼女 大丈夫だった?誤解したんじゃない?」

「大丈夫 大丈夫。

 何せ 元カレだからさ。」

「えっ? 何?いや。 問題 なかったよ。

 にこにこして 帰ったし。」

「そっか。」

「うん。」

「でも よかったね。彼女 また お店に来てくれて。」

「うん。」

「会えてれば何だかんだ 幸せだもんね。

 この先もつながっていられるってことだし。フフッ。」

「 そうだね。」

「フフフ。よかった。」

「 うん。」

オリヴィエが帰宅するとまつりが出かけるところ。

「ただいま。」

「あっ。 おかえり。」

「あれ? 出掛けるの?こんな時間に?」

「うん。 ちょっと。」

「あっ。例の彼氏に 会いに行くんだね。」

「フフフ。「彼女 帰ったからこれから 来なよ」だって。

 会いたいとか ずっとまつりのこと 考えてるとか

 もう そんなことばっか言うんだよ。もう ひどくない?

 でも私も 会いたい。

 もう ずっと ずっとあの人のこと 考えちゃう。

 ひどいよね 私。

 友達の彼氏って 分かってて。最低だよ。」

「まつりちゃんはかわいそうだね。

 そこまで 好きな人に会いに行くんでしょ?

 なのに そんな顔 するなんてさ。

 まつりちゃんはかわいそうだよ。」


仕事場で爽太に話すオリヴィエ。

「どした?」

「あのさ。 爽太。」

「うん。」

「僕は 恋をしたよ。」

「えっ? えっ? 誰に?」

「うーん。」

「誰だよ?ちょっ。

  いつの間にそんなことになったんだよ?

 えっ?俺に 言えないような相手?

 っていうか その感じだとうまくいってないわけ?」

「ハァー。片思いって 苦しいね。

  爽太なら 分かるでしょ?」

「そりゃあ 分かるけど。」

『まさか オリヴィエまでとは思わなかった

 何で よりによってみんな 片思いなんだよ?

 いい大人が じたばたしてホント バカみたいだ

 みんな さっさと…』

街ゆくカップルをながめているえれな。

お店番している薫子さん。

「すいません。」

「はい。」

『やめちゃえばいいのに。片思いなんか…

 俺だけで 十分だよ』


薫子さんがお店の外にいると
紗絵子さんの声がきこえました。
友だちと電話中。

「合コンで使える テク?

 私 そんなの 全然 持ってないよ。

 アドバイスって いったって。えー? あっ。

 じゃあ ヒール 低めの靴履いていくとか?

 ほら。 男の人って 結構身長差 気にしてたりするからね。

 後ね 今の時季 寒いからちょっと 薄着で 行ってみたら?」

『はあ?寒かったら

  厚着するでしょ?バカなの?』


「そうすると 夜 お店 出たときにこう

 「寒い。 ぷるぷる」ってしてたら。

 ウフッ。 男の人が上着 貸してくれたりするよ。」

「はうっ。」

『考えたこともなかった

 これが。

 これが 20代半ばで 結婚した女と

 30 過ぎて

 結婚のけの字もない 女の差なの?』


薫子さん、ショーックw

「アハッ。 そう そう そう。

 ウフフ。 うんうん。 ウフフ。」

お店に戻った薫子さん。

「どしたの?」

「えっ?あっ いや。 ううん。何でもない。」

電話を終えて店に戻ってきた紗絵子さん。

「あっ?」

「ああ。 ごめんね。せっかくの アミティエちゃん

 食べかけのまま置いてったりして。」

『アミティエちゃんって。マジ カワイイ。 マジ 天使』

「全然。 あっ これ。」

「うん。」

「いつも たくさん 買ってくれてありがとう。」

「爽太君のチョコ おいしくてすぐ 食べちゃうから。

 ウフッ。 こないだね 空っぽの箱 見て 思ったの。

 なくならない チョコがあったら いいのになって。」

「ああ。 でもそんなもん 作っちゃったら

 商売にならないかもね。アハッ。 」

「そうだね。」

「ちゃんと 作れるものだったらリクエストを 聞くよ?」

「えっ? あっ あっ。 私パン・オ・ショコラ 大好きなの。

 爽太君が パン・オ・ショコラ作ってくれたら

 絶対 おいしいと思う。」

「そりゃ 絶対 おいしいの 作るよ。

 ああ。あっ。 でも パンか。

 パンは パンで 奥が深いし。

 他の店に 負けないもの作ろうと思ったら

 ちゃんと 研究して時間も 手間も かけないとね。」

「そっか。 そうだよね。難しいよね。 」

その後、パンの本をみている爽太を薫子さんが目撃。

「うーん。」

「何? それ。えっ?

 まさか 作ろうと思ってないわよね?

 パン・オ・ショコラ。」

「いや。いい きっかけだから 勉強して。」

「勉強して 研究して毎日 パン 焼くの? 誰が?」

「俺が?そんな余裕 ある?

  今 普通にいっぱい いっぱいだよね?」

「あっ。 でもさ。」

「人手もないし 時間もないよね?」

「いや。分かってるよ 無理だって。」

「ならば よろしい。」

「いや。 でもさ何か 悔しいよね。

 できないって 言うの。」

お店に手伝いにきたまつり。

「あっ。 おかえり。授業 終わったの?」

「うん。夜 また ちょっと 出るから

 それまで 手伝おうかなって。」

「助かるよ。」

「あっ。 じゃあ 急いで 着替えるね。」

「うん。」

「彼とは うまくいってるの?」

「うん?」

「夜 会うんでしょ?」

「うん。 そう。彼ね。」

「うん。」

「彼女と 別れるって言ってくれてるの。」

「そっか。 よかったね。」

「ウフッ。よかったのかな?」

「まつりちゃんが本命ってことでしょ?」

「うん。でも 私のせいでその友達が 振られるって

 分かってて 心の底から うれしいかっていわれると

 ちょっとなぁって。」

「何で? 欲しいものはみんな 取り合うよ?

 それに 彼が まつりちゃんを選ぶって いうんだから

 それは 素直に喜んでいいんじゃない?」

「うん。」

「でも 気を付けてね。」

「えっ?」

「男って

 そういう約束あんまり 守らないから。」


オリヴィエに声をかける爽太。

「あのさ。」

「うん?」

「オリヴィエの 相手って。」

「えっ?」

「いや。 何か 進展とかあったかなぁと思って。」

「ああ。うーん。 今は 様子見。」

「お前にしちゃあずいぶん 消極的だね。」

「付き合ってる人がいるんだよ。 その子。

 でも 相手は 絶対ろくでもない男なんだ。

 じきに 彼女 大ケガするよ。」

「大ケガするって 分かってて様子見?」

「1回 痛い目 見ないと その男が どういう男なのか

 身に染みて 分からないだろうし。

 それに 手を差し伸べるなら

 転んで自分じゃ 起き上がれないぐらいのときの方が

 こっちの手を取ってもらえるでしょ?」

『意外に 真っ黒だな。俺も 少しは 見習わなきゃ』

夫にたのみごとをしている紗絵子さん。

「だから エリちゃんが誘ってくれたの。

 久しぶりに女 3人で 旅行に行こうって。」

「アハッ。駄目だよ そんなの。」

「えっ? あっ。 じゃあ1泊だけでいいから。 ねっ?」

「駄目 駄目。外泊は 駄目。」

「えっ? 何で? あっ。ご飯とか 作り置きしておくし。」

「そういう問題じゃないでしょ?

 結婚してる女が 外泊とかあり得ないでしょ?

 常識的に。

 ねっ?」

「じゃあ 結婚してる 男の人が毎晩 午前さまで

  ろくに家にいないのは 常識的なの?

 今日だって 珍しく早く 帰ってきて

 一緒に ご飯 食べれると思ったのに。」

「しょうがないだろ。編集長に 呼び出されたんだから。」

「なら 私だって 好きにさせてよ。

 どうせ 夜 家にいたって一人で 置いとかれるなら

 どこにいたって いいじゃん。」

「俺のは 仕事。

 お前のは 遊びだろ?

 昼間は 好きにさせてやってんだから

 文句 言うなよ。


  旅行なんか 俺がそのうち 連れていってやるから。

 何で こう 時間 ないときにケンカ 吹っ掛けてくるかなぁ。」

けっこう融通のきかない旦那・・。

まつりが帰宅。

「たっだいま。」

「おかえり。」

「おお。 痛っ。」

「大丈夫?」

「あれ? みんなは?ああ。 もう 寝てるか。」

「爽太は まだ店に残ってるよ。」

「えー? そうなんだ。」

「酔っぱらってるの?」

「えっ? うん。 まあね。ヘヘッ。 ああ。 もう 疲れた。

 ああー。 ケンカしたんだぁ。フフッ。 だから帰ってきちゃった。

  ハハハ。」

「そう。」

「もう オリヴィエの言うとおりだよ。

 彼女と別れる気なんて ないんだ。

 もう だったらこっちから 別れる!とか言って

 できないんだよね。ああ。 もう 駄目だ

 私。どんどん 駄目な女の子になってく。」

「まつりちゃん?」

「うん。」

「僕は もう 寝るね。ああ。

 そんなところで 寝たら風邪 ひくよ。」

「うーん。」

眠ってしまったまつりの目から涙が。
それをみておでこにキスするオリヴィエ。

「オリヴィ…。」

めざめたまつりに今度は唇にキス。

そこへ爽太帰宅。

「ただいま。ああ。 寒い。い…。 いっ。 おい。 まつり!」

まつりはあわてて上へ。

「ああ。」

「ただいま。

何やってんの?」

「最低だ。」

「えっ?」

「様子見とか 言ってたくせに。ごめん。 爽太。」

「えっ? ちょっ。ちょっと。 何?」

「僕 まつりちゃんに 手を出した。」

「はあ?」

「まつりちゃんに キスした。

 一瞬 煩悩に負けた。ごめん。

  爽太。 僕は 最低だよ。」

「えっと。あっ。 あれか。

 好きな相手と うまくいかなくて

 何か こう むらむらしちゃって。

 目の前にいたのがたまたま まつりだった…。」

「違うよ!うまくいかなくて 切ないし

 むらむらも したけどそうじゃない。

 僕が好きなのは 彼女だよ。まつりちゃんだよ!」

「はああ?」

そのことをえれなに話す爽太。

「ああ。 もう 何でだよ?もう 訳 分かんねえ。」

 何で? 何で オリヴィエが?何で まつりなんかに?」

「うっさいなぁ。 いきなり人んち 来て 同じこと 何回も。

 もう 寝るよ!」

「まあ そりゃ そうだけどさ。

 ハァー。ハァー。」

「よいしょ。」

「おかしい。 人のことなのに。」

「人の恋愛は 面白いんだよ。

好き勝手にああだ こうだ 言える。」

「うん。」

「ハァー。

 自分のこと 考えるとしんどいからさ。」

「そうだね。」

「だから 俺 時々

 すっごい 都合のいい妄想したりするんだよね。

 紗絵子さんも 実は俺のこと 好きでさ。

 紗絵子さんは 毎晩旦那に 抱かれながら

 俺のことを 思い浮かべるんだ。とかね。 とか。」

「えー? 妄想なら

 もっと都合よく しちゃえばいいじゃん。」

「もっとって?」

「だから 紗絵子さんは爽太君のことを 思うあまり

 旦那さんとの 夫婦生活なんか拒否してるんだよ。

 そして爽太君の チョコレートを一つ一つ 口にしながら

 爽太君と体を重ねる夢を 見るんだよ。」

「エロ!えれな エロ!」

「妄想なら それぐらい甘美なこと 考えちゃいなよ。」

「じゃあ えれなは?えれなは どんなこと 考える?」

「私はねぇ 街で信号待ちとか してるときにね

 倉科さんを 偶然 見掛けるの。」

「おう。」

「それで 向こうも私のこと 気付いてくれるの。

「ああ。 以前お会いしましたね」とか 言って。」

「うん。 いいね いいね。」

「それで 何かうまいこと ご飯とか 行っちゃって。」

「うん。」

「うまいこと ホテルとか行っちゃって。

 ハハハ。 キャー。」

「いや。 早くない?」

「だって もう二度と会えないかもしれないんだよ?

 とっとといけるとこまで いかなきゃ。

 で 私は 妊娠して。」

「えっ?」

「大好きな人の子供を一人で育てて 幸せに暮らすの。

 めでたし めでたし。」

「一人でって。

 めでたくないでしょ。自己完結し過ぎじゃない?」

「うーん。

 だって これ以上 いい夢なんか想像できないんだもん。

 相手が 遠過ぎて。

 爽太君。 頑張ってね。

 爽太君の方が よっぽど可能性 あるんだから。」

『そうかな?

 近くにいても 夢は 夢だよ

 俺の方こそただのファンみたいなもんじゃん』

爽太の妄想スタート。

「紗絵子さん。 紗絵子さんはうちの店には 入れないよ。」

「どうして?」

「パン・オ・ショコラがまだ できてないんだ。

 紗絵子さんに 自信 持って出せるものが まだ 焼けなくて。

 もしかしたら何年も かかるかもしれない。

 だから 当分紗絵子さんには 会えないよ。

 ごめん。」

「そんなことどうだっていいよ!」

傘を捨てて爽太のところにくる紗絵子さん。

「ホントは 私 チョコレートなんてもう どうでもいいの。

 爽太君に 会いにここに来たの。」

眠っている爽太にえれなの声がきこえました。

「嘘!? えっ? 行く。えっ? 絶対 行く! 行きたい。

 行く行く 行く行く。 アハハ。行きたい。」

『また こんな都合のいい夢 見て 俺も バカだな

 えれなのこと 言えないよ』

「ホント うれしい。りくちゃん 大好き。

 もう ホント 神。 天使。

 もうありがとう。 ホント ありがとう。

 あっ。 ごめん。 爽太君。起こしちゃった?」

「えっ?今 爽太君って 言った?」

六道さん、反応!

「エステ 予約しなきゃ。」

「ねえ? 聞いてるの?」

「あと 洋服。あっ。 ネイル どうしよう?」

「そんなん どうでもいいから!

  今 あんた爽太君って 言ったわよね?」

「ホント りくちゃん。ありがとね。」

「まさか えれな!?

 あっ。 ちょっ ちょっ ちょっ。ちょっ。
 
  ちょっと 待ちなさいよ。

 何? もう 信じらんない!」

興奮しているえれな。

「ねえ。 どうしよう?どうしよう? どうしよう?」

「倉科さんに会えることになったの?」

「そう。 りくちゃんの 知り合いが

 バンドの プロモーターなんだって。

 今度の ライブの後打ち上げ 入れてもらえるって。

 どうしよう?」

「よかったじゃん。 えれな。」

「ありがとう。あっ。 おなか すいたでしょ?

 朝ご飯 作ってくんね。ああ。 もう どうしよう?」

『本当に 会えるんだ。うまくいくと いいな

 もしかしたらえれなの バカげた夢も

 ちょっとは現実になるかもしれない

 だとしたら 俺の夢も…

 少しは現実になるかもしれないんだ』

お店。

「あれ? 新作?」

「前のレシピに手を加えてみたんだ。

 ちょうど よかった。ちょっと 食べてみてよ。」

「うーん。 おいしい。」

「ホントに?」

「オレンジ風味の ムース・オ・ショコラ。」

「前のより ずっとおいしくなってる。」

「香りで 気分が変わるようにしたんだ。」

「うん。」

「これを 食べてるときくらい幸せになってほしいからさ。」

「紗絵子さんに?」

「片思いしてる 皆さまに。

 フッ。 なんてね。

 まあ 薫子さんは 片思いなんかしないんだろうけど。」

「えっ?何で そう思うの?」

「だって 無駄なことに時間 使わなそうじゃん。

 薫子さんって 理想 高そうだし

 相手も こう 見た目も 中身もいい男でさ。

 それで 向こうから 薫子さんに

 きてくれるような人じゃないと

 薫子さん相手に しなそうでしょ?

 あれ? 違った?」

「あっ。そのとおりだよ。

私 別に 今誰にも 興味ないし。

 フフッ。爽太君が 紗絵子さんのこと

 いつまでも 好きでいられるのも

 正直 不思議だなって 思ってるよ。

 いかにも 男受け狙ってますっていうの分かってて

 何で 冷めないのかなぁとか。

 ヒールの低い靴 履いてかれんそうな 演出したり

 そういうのに 何で まんまと

 引っ掛かってられるのかなぁとか。」

「フフフ。いや。

 だって見え見えだからカワイイんじゃん。

見えなかったらカワイイって 思えないよ。

男って 鈍いからさ

 見え見えぐらいがちょうど いいんだって。

 頑張ってんなぁっていうのがカワイイの。」


「フッ。

 それすら向こうの 計算だったら?」


「いいんじゃない? 別に。

 そこは計算どおりになってあげても。

 何も損してないし。

 こっちは カワイイもん 見れて

 それだけで 幸せなんだから。」


薫子さんと話す紗絵子さん。

「薫子さんは いいなぁ。うらやましい。」

「はっ?」

「だって このお店で働けるんですよ?

 それって 薫子さんにちゃんと 爽太君が

 認めるだけの能力が あるってことですよね?

 すごいなぁ。毎日 充実してるんだろうな。

 お仕事 楽しいでしょう?」

「あっ。 まあ。

 確かに 充実はしてますけど。

 私から 見れば紗絵子さんの方が

 よっぽど うらやましいですよ?」

「えー?ウフフ。」

「すてきな旦那さま

 きっちりゲットできてたりとか。 アハハ。

  私なんか この年になってもそっちの方は 失敗ばっかで。

 最近は 失敗っていうか もう 何か根本的に

  何にもないっていう状態で。」

「でも お仕事できる方がよくないですか?

 自分で稼いだ お金自由に使えるし。

 誰からも 文句 言われないし。」

「いや。大した額 もらってないですからもう。 あっ。 いや。

 まあ この店が好きで いるからいいんですけどね。」

「ウフッ。やっぱり 好きなんですね?」

「うん? ああ。あっ。 いや いや いや。」

「私は 紗絵子さんみたいな能力

 ちょっとくらい 欲しいですけどね。」

「私の能力? あっ。チョコ 嗅ぎ分ける能力とか?

 これ 絶対 売れるみたいな?ウフフ。 」

「いや。 男 ゲット術。」

「はい?」

「えっ? あっ。えっと。 ほら。

 紗絵子さん すごくモテるじゃないですか。」

「そんなこと ないですよ。」

『そこ 否定すんな』

「爽太君から 聞いてますよ。

 高校時代から 取っ換え引っ…。」

「うん?」

「フフッ。 モテモテだったって。」

「嘘ですよ そんなの。」

『自覚してますよね?』

「少なくとも 紗絵子さんがいいなと思った 男の人は

 確実に落とせるんじゃないですか?」

「いやー。 空振りも ありますよ。」

「まさか。」

「この人 絶対 私に 気があると思って

 わくわくしながら短い スカート はいて

 その人の おうちに

 行ったりもしたんですけど。」


「おおー。」

「でも 結局 相手は 無反応で

 何にも起きずに 終わっちゃって。」


「はあ。 そんな つわものが。」

「いらっとしちゃって 私 つい

 別の人と 運命 感じて

 今 超 幸せみたいなこと

 言っちゃった。」


「よっぽど鈍い人だったんですよ

 その人。」


「もしも あれが うまくいってたら

 人生 変わってたかもしれないな。」

「うーん。」

紗絵子さん宅。

「紗絵子。 寝るよ。」

「うん。 おやすみ。」

「 「おやすみ」じゃなくて。お前も 来いよ。」

「私 まだ 寝ない。

 今 チョコ 食べたからすぐ 寝たら 太っちゃう。」

「ああ。 そう。じゃあ おやすみ。」

「うん。」

「いつまでも むくれてんなよ。

 旅行 行けなかったぐらいで。大人げないな。」

爽太の家。でかけるまつり。

「いってきます。」

「何だ? お前。今日も 食べないで 行くのか?」

「今日 遅くなるから。」

「何だ? あいつ 最近。さては 男でも できたか!?」

「何だ? 「うんうん」って。」

「お父さま。」と話しだすオリヴィエ。

「はい。」

「お兄さま。」

「お兄さま!?」

「お二人に 大事な お話が。」

「どうした?急に 改まって。」

「お父さま。 お兄さま。」

「はい。」

「僕 まつりちゃんにきちんと 自分の気持ち

 伝えることにしました。」

「いや。 ちょっと 待て。

 落ち着いて 考えてみろって。

 お前 トレルイエの御曹司なんだよ?

 そんな男が まつりにって俺 やっぱ 理解できないって。」

「ちょっ ちょっ。ちょっと 待て。 話が見えない。

 わが家で 今何が起きてるんだ?」

「お父さま。 僕はまつりちゃんのことが 好きです。」

「えっ?」

「まつりちゃんの気持ちを確かめたいと 思っています。」

「ああ。」

「なあ? お前なら

 そのうちさもっと すごい人に 出会えるって。」

「爽太。 この世の中 どんな お金持ちだろうと

 どんなに 美男 美女だろう とハリウッドスターだろうと

 王子だろうと 出会えた人としか恋は できないよ。

 人生で 出会える人って案外 限られてる。

 ハムスターは 同じ籠にいる

 ハムスターとしかつがいに なれないでしょ?

 それと 同じだよ。」

「なるほど。」

「それでも 好きな人ができたんだから

 僕は 運がいいと思ってる。

 僕と まつりちゃんを 同じ籠に入れてくれた 神様に

 僕は 感謝するよ。

 今日 まつりちゃんにちゃんと 言おうと思います。

 だから 爽太。悪いけど

 夕方 ちょっとお店 抜け出してもいいかな?」

「ああ。 」

「うん。ありがとう。

 お父さま。 ごちそうさまでした。」

「あっ。 ああ。

 頑張れよ。

 よし。 そうと決まれば向こうの ご両親に 挨拶だな。

 あっ。 フランス語か。ボンジュール。 マダム。 ムッシュ。

 あれ? フランス語で 娘をよろしくって 何て言うんだっけ?」

「まつりのことは いいのかよ?」

爽太にえれなから電話。

「もしもし?」

「ごめんね。 朝 早く。

 これから お店でずっと 忙しいでしょ?」

「ああ。 うん。どうかした?」

「今日の夜 倉科さんと会う。

 一応 言っとこうと思って。」

「うん。 そっか。」

「うん。」

「えれな。」

「うん?」

「頑張れ。」

「うん。

 ありがと。」

『みんな 頑張れ

 オリヴィエも えれなも

 ちゃんと 前に進もうとしてるんだな

 何もしてないのは俺だけか

 俺も 先へ進まなきゃいけないのかな?』


電話しながら歩いている紗絵子さん。

「うん。 ごめんね。 エリちゃん。

 せっかく 旅行 誘ってくれたのに。

 うん。 じゃあね。 バイバイ。

 ハァー。」

お店にやってきた紗絵子さん。

「いらっしゃいませ。」

「いらっしゃい。」

「ウフッ。 こんにちは。

 爽太君。」

「うん?」

今度の定休日 何か 予定 ある?」

「定休日?」

「友達が 結婚するんだけど。

 お祝いに 食器とかプレゼントしようと思ってて。

 で 時間があったら

  爽太君に付き合ってもらえたらなって思って。」

『付き合って?爽太君 付き合って?』

「えっと。 お… 俺?」

「フフッ。 食べ物のプロだから
 
 食器とかも センスいいんだろうなぁと思って。」

「ああ。 センスでいったら俺なんかより

  オリヴィエの方がいいよ。」

「爽太君がいい。爽太君と 行きたいんだ。

 駄目?忙しい?」

「フッ。

 ああ。ちょっと 無理かな。

 店 休みの日も何だかんだ やること あって。

 結構 忙しいんだよね。ごめんね。」

「フフフ。 そっか。そうだよね。 忙しいよね。

 急に ごめんね。気にしないで。

 じゃあ ムース・オ・ショコラ2つ 下さい。」

「ありがとうございます。」

「うん。」

「旦那さんと 食べるんだ。」

「うん。」

「あっ。 ご主人 元気?」

「うん。 元気 元気。ウフッ。 太ったけど。
 
  幸せ太り。フフフ。 ラーメン太りだよ。」

「あっ。 ちょっと 待ってて。」

帰り道の紗絵子さんに電話する爽太。

「爽太君?」

「あのね。 さっきの話だけど。」

「あっ。 ごめん。 今 踏切で。もしもし?」

「来週の水曜なら空けられるよ。

 買い物…。

 付き合おうか?」


「フッ。あきれてんでしょ?

 最初から いいよって言えばいいのに

 回りくどいことやってんなって。」

「計算でしょ?

 なら きっと 正解だよ。

 悪い男の やり口としては。」

「フッ。」

「普通に OK もらうより 一度 落とされてから

 持ち上げられた方が舞い上がるもんね。

  今ごろ 紗絵子さん

  ハートぎゅうぎゅう つかまれてるよ。

  私なら そう…。」

「そんな 持ち上げないでよ!

 いつもみたいに 厳しいこと言って

 俺のこと たたき落としてよ。」

「何? どうしたの?」

「紗絵子さんと デートだよ?

 どうしよう?俺 すげえ 舞い上がって。

 どうにか なりそうだよ。

 フッ。 俺 バカだ。

 紗絵子さんそんなつもり さらさらないって

 分かってんのに。

 ああ。

俺 ホント バカだ。」


まつりのところにいくオリヴィエ。

「待って。 まつりちゃん。」

お店にやってきた関谷さん。

「いらっしゃいませ。あっ。」

「こんにちは。あっ。 こないだは どうも。」

「小動ですか?今 呼びますね。」

「井上さん。」

「はい。

名前…。」

「今日 俺と飯 行きませんか?」

「えっ?」

舞い上がっている爽太。

『デート。んなわけ ないじゃん

 お気楽な主婦の 買い物に付き合ってやるだけだよ

 こんなの 別に…

 何でもない』



紗絵子さんはスマホにデート(ハートマーク付き)で登録。



紗絵子さんの気をひくために
悪い男を演じようとがんばってる爽太・・
でもやっぱり紗絵子さんが一枚も二枚も上に
見えます・・。
紗絵子さんにとっての「デート」なんて
軽い意味でしかないし。
でもわざと短いスカートはいてったってあのときのこと?
爽太、チャンス逃してる・・
妄想ばっかしてないでちゃんと動かないと。

えれなとはすごくいい関係にみえるし
お互いを応援しながらもどんどん
仲良くなっていくかんじ。

まつりとオリヴィエは・・
まつりの気持ちがうごかないことには。

そして薫子さんにも恋の予感?!
六道さんだけなんもないw





小動爽太 松本潤 
高橋紗絵子  石原さとみ 
井上薫子    水川あさみ 
加藤えれな   水原希子 
オリヴィエ・トレルイエ  溝端淳平 
小動まつり   有村架純 
関谷宏彰    加藤シゲアキ(NEWS) 
六道誠之助   佐藤隆太 
小動 誠  竹中直人






2014.01.28 Tuesday 08:35 | comments(0) | trackbacks(5) | 
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