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失恋ショコラティエ 第5話

第5話



車で眠っている紗絵子さんを起こす爽太。

「紗絵子さん。紗絵子さん。 起きて。

 そろそろ 時間だよ。」

二人で海の朝やけをみました。

「ああ。 奇麗。うわー!

 うわー。 ああ。」

「俺 ここから見る朝焼けが 好きなんだ。

 どうしても 紗絵子さんに見せたかったんだよ。」

「うれしい。 最高のお誕生日 プレゼントだよ。」

「お誕生日 おめでとう。紗絵子さん。」

「ありがとう。 爽太君。フフッ。」

はい、最初から妄想でした。
お店で紗絵子さんを抱きしめるポーズまでしていて
オリヴィエに声をかけられて正気に。

「紗絵子さんお誕生日なんだ?」

「えっ?」

「誕生日もうすぐなんでしょ?」

「何で? 何で 知ってんの?」

「だって 今紗絵子さん おめでとうって。」

「言ってた? 俺 今 言ってた?」

「うん。

 奇麗な色だね。 朝焼けみたい。」

「それも? それも 言ってた?」

「それもって?」

「あっ。 いや。 何でもない。

 そうなんだよ。 これ朝焼け イメージしてんだよね。
 
 冬の朝焼けってさ空気が澄んでるから特に 奇麗なんだよね。

 紗絵子さんの誕生日に一緒に見れたら 最高だな。

 でさ 寒さで風邪とか ひいちゃってさ。」

また妄想。
くしゃみする爽太。

「大丈夫? ごめんね。 私のせいで」

「いや。 いいんだよ

 俺が 行こうって言ったんだからさ」

「ありがとう。あっ。 これね

 あったかい スープ作ってきたんだよ

 これ 飲んで元気になってね」

「ああー」

スープを飲むしぐさ。

「ああー。」

薫子さんも会話にはいってきました。

「バッカじゃないの?真冬に 朝焼け 見に行かされても

 迷惑なだけだから。っていうか

 誕生日は旦那さんと 過ごすに決まってんじゃん。」

「あっ。 それは重々 承知してますが。」

「くだらないことばっか言ってないで 仕事してね。
 
忙しいんだから。」

わざと大きな音をたてる薫子さん。

「薫子さん 何か 機嫌 悪くない?」

「怖っ。 仕事しよ。」

薫子さん、ずっとカリカリ。

「ちょっと。」

機嫌相当悪い・・。

紗絵子さんの家。

「えっ?その日は 友達とご飯 行くって 言ったよね?」

「そんなの いちいち覚えてらんないよ。

 天野シェフのホームパーティーなんだ。

 お前のは 遊びだけど

 俺のは 仕事の付き合いなんだから。」


「私にも 人権があるんだけど?」

「ハハハ。 人権って。

 これだから 専業主婦は視野が狭いって いうんだよなぁ。

 ちっさな世界で 生きてるからそういう 考え方に…。」

「専業主婦は あなたの命令でやらされてるんでしょ?

 そんなこと 言うなら私 仕事するよ?」

「はいはい。論点 すり替えないの。

 予定はこっちに 合わせてもらうから。」

実家で母に愚痴る紗絵子さん。

「あんな扱いされるぐらいだったら外で 働きたいよ。」

「何 言ってんの?

 だいたい 旦那の反対押し切ってまで する

 価値のある 仕事があんたに できんの?」

「何よ?お母さん あの人の 味方なの?」

「吉岡さんは いい旦那さんだと思うわよ。

 大手出版社の 副編集長で 

 お姑さんは もう 亡くなってて

 おしゅうとさんはお兄さん夫婦が引き取ってくださってて。

 そんな最高の 旦那さんが

 ご機嫌よく いられるように

 振る舞うくらい 何よ?

 それこそ あんたの仕事でしょ。

 その お仕事 頑張んなさい。お仕事。」


関谷さんに言われたことを思い出している薫子さん。

「小動さんに告白したら どうっすか?」

「薫子さん?」

「はっ!? あっ。 な… 何?」

「今度 みんなで 飲みに行かない?」

「えっ?」

「今月の売り上げ相当 アップしてるから

 祝賀会 やろうよ。」

「ああー。 ああ。じゃあ 私 あの。お店 探しとくね。」

「ホント? ありがと。」

「うん。」

お店にやってきた紗絵子さん。

「こんにちは。」

「カワイイね。」

「食べたことある? パンデピス。

 スパイスの風味が 効いてて

 蜂蜜も たっぷり 使ってるからしっとりしてるよ。」

「おいしそう。 じゃあ これ 1つと。

 あと ボンボンショコラの詰め合わせ 一番 おっきい箱で。」

「はい。」

「あと コニャックの トリュフと。」

「うん。あっ。 オランジェットって日持ちするかな?」

「大丈夫。」

「うん。」

「はい。 どうぞ。」

「ありがとう。」

「ああ。ああ。」

「うん?」

「誕生日でしょ? 1月22日。」

「えっ?覚えててくれたんだね。

 あっ。 じゃあ バースデーケーキ注文しちゃおうかな。」

「ホントに?」

「うん。 お願いできる?」

「そりゃ 任せといてよ。

  俺飛びっ切りのケーキ 作るからさ。」

「あのね。 私 爽太君にお祝いしてほしいな。」

「じゃあ 一緒にケーキ 食べようか?」

「うん。ケーキだけじゃなくて

 私のことも 食べてくれる?」

「えっ!? いいの?」

「フフッ。 フッ。」

どこから妄想なのwww

商品を渡す爽太。

「はい。 どうぞ。」

「ありがとう。フフッ。」

「ああ。それじゃ。」

「うん。」

でも立ち止まる紗絵子さん。

「爽太君。」

「はい。」

「バースデーケーキ作ってくれる?」

今度は現実。

「も… もちろん。もちろん 喜んで。

 あっ。 ちょっと 待って。」

予約の紙をかいてもらいました。

「はい。」

「はい。」

「どうも。」

「じゃあね。」

「うん。」

「またね。」

「うん。」

えれなの部屋でそれを話す爽太。

「へえー。 紗絵子さんのバースデーケーキ 作るんだ。」

「うん。」

「よかったね。」

「うん。」

「あっ。 ホントは一緒に お祝いしたいよね?」

「ああ。 でも いいんだ。俺はさ

 紗絵子さんが 誕生日に

 俺が作った ケーキを食べてくれれば それで 十分。

 それよりさ。 うーん。

 何か 今日の紗絵子さん変だったんだよね。

 日持ちするもんばっか買いだめするみたいに

 いっぱい 買い込んでたし。」

「二度と 来ないつもりなんじゃないかって

 そんな気がしたんだ。」

「ウフフ。何 言ってんの?

  少なくとも ケーキは取りに来るわけだし。」

「まあ そうなんだけどね。」

「はあーあ。 うらやましいなぁ。」

「うん? どこが?会うたびにさ

 抱き締めて キスしたくなる衝動 抑えんのに

 必死なんだから こっちは。」

「分かる 分かる。好きな人が 目の前にいたら

 チューしたくなっちゃうよね。」

「ハァー。紗絵子さん どんなキスが 好きなんだろ?

 えれなは どんなふうにされるのが 好き?」

「不意打ちで チュッとされて ぽかんとしてるうちに

 激しく 唇 奪われちゃうのがいい。」

「何じゃ? そりゃ。」

そのとおりにやってみせる爽太。

「こんな感じ?」

「アハハ。 そうそう。

 今の すっごく いい。フフッ。

 爽太君は どんなのが 好き?私も 練習しとかなきゃ。

 いつか 倉科さんとそうなったときのために。」

「うーん。 俺の好みは。」

耳打ち。

「やーだ。」

最初に唇にチュッとしてから両頬に
そしてまた連続キス。
そのまま倒れこむふたり。

『紗絵子さん。こんな ゆがんだ 愛の練習が

 いつか 役に立つ日がホントに 来るのかな?
 
 バカなことしてるって俺たちは 分かってるよ

 でも 紗絵子さん

 それでも 愚かな 2人が一生懸命 考えて

 こんなふうに なったんだ

 ホントだよ』


お店でオリヴィエたちに相談する爽太。

「ねえ? 紗絵子さんのバースデーケーキなんだけど。

 ラフデザイン 描いてみたんだ。」

「ああ。 すごく カワイイ。」

「うん。でもさ アゲハチョウって冬は 飛ばないよね?」

「ちょっと 季節外れじゃない?」

「チョウチョは さなぎで越冬するんだよ。

 つまり このチョウチョは実体じゃないの。」

「はい?」

「このチョウチョはチョコレートが 大好きで

 毎日 森の奥の チョコレート屋に通っていたんだよ。

 それで 繁殖することも忘れて

 チョコレートに 夢中になるうちに

 ついに 寒さで死んでしまうんだけど。

 魂だけになった 今もこうして

 大好きな チョコレートを なめに通い続けてるんだ。

 切なくて カワイイ ケーキでしょ?」

「重いわ。」

「えっ? あっ。 ちなみに別のバージョンも あるんだけど。

 この セミの抜け殻はね

  チョコ屋に通ってきてはくれるんだけど

 身も 心もここには ないよっていう。」

「キモいわ。」

「えっ?まあ じゃあ こっちは置いといたとしても。

 とにかく このケーキのテーマは 切なさだよ。

  「お祝いの ケーキなのにそれって どうなの?」って

 言われるかもしれないけど。

 ほんのちょっとだけそういう思いを込めるくらいなら

  許されてもいいんじゃないかなって。」

「いいと思うよ。

 こんな すてきなケーキなんだから

 紗絵子さん 喜んでくれるよ。絶対。」

「うん。そうだと いいな。」

友だちとあっている紗絵子さん。

「紗絵子 最近旦那さんの 愚痴とか言わないね?」

「うん。プロに 徹しようと思ってね」

「プロ?」

「吉岡さんの 妻っていうのが

 私の お仕事だから」


「何?その ストイックな姿勢」

「だから 封印したんだ。

 気持ちが 乱れるようなことは

 でもね おうちに ちゃんと

 宝物が ストックしてあるの

 悲しくなりそうなときは

 それで 現実逃避するんだ」


「宝物ってどうせ チョコとかでしょ?」

「ううー。 ウフフ」

「まあ でも それって

 普通の主婦の 正しい姿だよ」


まつりが帰って来たのを迎えるオリヴィエ。

「おかえり。」

「ただいま。」

「待って。こないだのことなんだけどさ。
 あんまり 気にしないで。だから これまでどおり

 友達として同じ店の仲間として付き合っていこう。 ねっ?」

「うん。分かった。」

「フフッ。 うん。うん。」

ストレッチ?ヨガ?中の六道さんとえれな。

「あっ。 痛い 痛い 痛い…。」

「あっ。 痛い 痛い 痛い…。
 
 ちょっと。 えれな。痛い 痛い 痛い。 くっ。

 こないだ 男と一緒に歩いてたらしいじゃない?」

「ああ。それは お友達だよ。」

「また とぼけて。 腕 組んでいちゃいちゃしてたんでしょ?

 もしかして 倉科さんとうまくいったとか?」

「まさか。ただの お友達だよ。っていうか セフレ?」

「セフレ!?あんた 意外と やるわね。」

「うーん。彼とは 似た者同士っていうか。

 彼にもね片思いしてる人がいるの。

 話を聞いてるうちに 「ああ。おんなじだなぁ」って思って。

 この人なら私の さみしさとか苦しさとか

 理解してくれるだろうなぁって。」

そこへ電話。

「あっ。 マネジャーだ。ちょっと すいません。もしもし?

 どうも。 おはようございます。えっ!?

 倉科さんと?」

爽太にも報告。

「プロモーションビデオの撮影に

 また 呼んでもらえたの。」

「えー? すごいじゃん。」

「でしょ?もう 信じらんない。 奇跡だよ。」

「絶対に 今度こそ連絡先 交換するんだよ?」

「うん。」

「頑張る。うん。 うわー。

ドキドキする。あっ。 爽太君は?

  紗絵子さん お店に来た?」

「いや。 あれっきり。」

「ああ。」

「何? 何? えっ?ケーキだ。」

「うわー。 ありがとう。」

「フフフ。」

他のお客さんのサプライズパーティーに
妄想スタート。
横には紗絵子さん。

「うわー」

「お誕生日 おめでとう」

「ありがとう。 爽太君。ウフッ」

お店のみんなも拍手。
でも現実は横にはえれな。

「ホントはさ どうしても考えちゃうんだよね。

 何で 一緒に祝うのが俺じゃないんだろうとか 色々。

 うん。 大丈夫。

 誕生日には 紗絵子さんがケーキ 受け取りに来てくれる。

 直接 顔 見て 「おめでとう」って言えるんだから

 幸せだと 思わなきゃね。」

「うん。うん。」

「食べよっか。」

「うん。」

お店。

「祝賀会の 日程なんだけど22日にしようと思うの。」

「22日?紗絵子さんの誕生日?」

「バースデーケーキ 渡した後だったら

 一段落 ついてると思うし。

 それに 爽太君 一人でいるの

 つらいんじゃないかなと思って。」

「うん。 そうだね。じゃあ 決まりだね。」

「爽太君に 伝えてくる。」

爽太はえれなと電話中でした。

「そんな 緊張すんなって。

 せっかく 倉科さんに会えるんだからさ。

 そうそう。 もしこのまま うまくいっちゃったら

 えれなとはもう エッチできないね。

 フフフ。 倉科さんの前ではまっぱで 歩き回んなよ。

 フフフ。 いや。俺は 別に 気にしないけど。

 うん。 そういうの引いちゃう人も いるからさ。
 
 フフフ。 うん。じゃあ しっかり。」

薫子さんにしっかりきかれた。

「薫子さん。」

「ああ。 あの。

 祝賀会の 日程なんだけど。22日になったから。」

「えっ?」

「あっ。 都合 悪い?」

「あっ。 いや。 別に。」

「ああ。 じゃあ私 お店 予約しておくね。」

「うん。うん。」

『初めて 会ったときの印象は別に

 爽太君が まだ製菓学校の 学生だったころ

 シェフの息子として紹介された

 手際がよくて 器用で使える子だなって

 そんなふうに 思ったくらい』


「どうぞ」

「うーん」

『紗絵子さんのために 作った

 チョコレートを 試食したときは

 何だか どきっとして

 全身で 何か 感じた気がしたけど

 そのときは 何も

 何も

 その後 急にパリに行ったって 話を聞いて

 6年 たって 現れたのが

 背筋の しゃんと伸びた

 身のこなしの 紳士的な男』


「お久しぶり。 薫子さん。元気だった?」

『ずっと 前から 見てたのに

 見いだせなかった

 脱皮して 帰ってきてから

 ころっと 見る目を変えた

 私は その程度の女だから

 だから 今みたいな思いをするのも当然なんだ』


PV撮影中のえれな。

「カット。だからさ もっとテンション 上げて。楽しそうにしてよ。」
「はい。」

「とにかく 笑顔で。笑顔が 大事だからね。 ねっ?

 はい。 いくよ?」

倉科さんたちのバンドのメンバーがそばで話していました。

「じゃあさ 終わったらミラグリートで 飲もうぜ。」

「どこ? そこ。」

「あっ。 六本木。」

「ああ。 あそこな。いいよ。」

撮影終了後、メンバーもいる場所で
えれなを叱るマネージャー。

「えれな! お前今日のあれ 何なんだよ?

 やる気 あんの?」

「あの。」

「せっかく 俺が取ってきた 仕事なんだよ。

 恥 かかせんなよ。ホント 勘弁してくれよな。」

メンバーもきいていて
えれなはその場から逃げるように
走り去りました。

爽太のお店にやってきたえれな。

「フゥー。あっ。」

「もう おしまいですか?」

「構いませんよ。 どうぞ。」

チョコレートを出してくれる爽太。

「はい。 ちょっとだけ 待ってて。すぐ 終わるから。

 ご飯 行こうよ。」

「うん。」

えれなに待っていてもらって
中でケーキの打ち合わせ。

「どう? なかなかうまく できてるでしょ?」

「うん。 羽の 繊細な感じとかよく 出てると思う。 この辺とか。」

「そう。 そこが一番 難しかったんだよね。

 何度も 失敗したんだけど

 作業温度を 2度 下げてみたらうまくいったんだ。

 構造は ジェノワーズと フランボワーズのムースの 2層にして。

 ムースの中に フランボワーズのジュレを 入れようと思ってんだ。」

「ああ。 いいかも。」

「ジュレも ムースもフランボワーズにすれば…。」

爽太の様子を見てえれなは帰ってしまいました。

「何で 帰っちゃったの?

 撮影 どうだった?倉科さん 話 できた?」

「駄目だった。

 倉科さんに いいとこ見せなきゃって

 そればっか 考えて空回りしちゃって。

 最低だ。」

「分かるよ。俺も 同じだから。

 紗絵子さんのことになるとさ

 ぐずぐず いろんなこと考えちゃって

 どうも いつもどおりに

 振る舞えないんだよね。」


「違うよ。」

「えっ?」

「爽太君は そういう気持ち

 ちゃんと 自分の力に変えてるじゃん。

 いつも すてきな チョコレートいっぱい 作って

 紗絵子さんを幸せにしてるじゃん。

 私とは 全然 違うよ。

 私の片思いは私を 成長させてはくれない。

 爽太君の 片思いとは違うんだよ。」


「おいしかった。」

「うん?」

「チョコレート。それに すっごく 奇麗だった。」

「フフッ。あれはね 朝日だよ。」

「朝日?」

「うん。昔からすごく 好きな場所があってさ。

 そこから見る 朝日が最高なんだ。

 それを イメージして作ったんだよ。」

「見たいな。」

「うん?」

「その朝日 見てみたい。」

二人でその場所へでかけました。

「爽太君。 起きて。」

「うん? おはよう。」

「朝日 昇っちゃってますけど。」

「ええー!」

あわてて走っていくふたり。

「あり得ねえ!せっかく ここまで 来たのに。

  朝日 見たかったのにな。」

「すっかり 朝だね。しかも 寒いよ。」

「何だよ? もう。」

「フフフ。」

「何 笑ってんの?」

「いや。 すっごく走ったなぁと思って。」

「えっ?」

「よく 考えたらさ走っても 意味ないよね?

 なのに 何 急いでんの? 私たち。アハハ。」

「ハハハ。いいよ。 もう 帰るよ。」

「走る? また 走ってみる?」

「走んなくていいって。

 何だよ? 全然 面白くないよ。」

「まあまあ いいじゃん。朝焼けは 見れなかったけど。

 ほら。 いい お天気。すっごく 奇麗だよ。

 私 好きだよ。 この景色。」

「寒っ。 寒いよ。」

「寒いね。」

「ああ。」

「ああ。今 くしゃみした?」

「うん。 早めに薬 飲んだ方がいいかも。」

あったかい缶スープを飲んでいるえれな。

「情けないなぁ。俺のは?」

「何が?」

「スープだよ。

 一人だけ あったかい思いするとか ないでしょ?」

「はいはい。どうぞ。」

ポケットから出してくれました。

「ああー。」

「爽太君。」

「ああー。 うん?」

「ありがと。」

「何が?」

「私 告白する。」

「えっ?」

「もし 今度 倉科さんに会えたら絶対に 好きって言う。

 決めたの。」

「そっか。」

「うん。」

「頑張れ。」

「うん。」

「あしたは紗絵子さんの お誕生日だね。

  爽太君も 頑張って。」

「うん。」

えれなの話をオリヴィエにしました。

「ふーん。何か いい感じじゃん。」

「はっ? 」

「寒くて風邪 ひきそうだったって話 したんだけど?」

「爽太と えれなは両思いだね。」

「えっ? 何 言ってんの?

 えれなはそういうんじゃないって。」

「じゃあ 何? セフレ?」

「いや。 だからそれだけじゃないんだってば。

 うーん。 だから 普通にさ 他にも ご飯 食べたり。

 うーん。 ただ 家でごろごろしたりさ。

 ふざけた話もするし真面目な話 したりもするからさ。」

「それって つまり

 順調に 付き合ってるカップルってことだよね?

 爽太と えれなは 両思いだよ。

 僕が まつりちゃんとしたいと 思ってること

 2人は いっぱい できてる。

 うらやましいよ。」


ケーキもできあがりそう。

「ああ。 バースデーケーキ。完成 間近だね。」

「うん。」

「いよいよ あしただもんね。」

「アゲハチョウすっごい 出来だよね。」

「ああ。 すごい 奇麗。紗絵子さん 感動するんだろうな。」

「どんな顔するか見てみたいよね。」

「そうだね。」

「この花も すごいでしょ?」

「ホントだ。これ 食べていいの?」

「駄目だよ。」

仲よく話すまつりとオリヴィエ。

『みんな こんな感じなのかな?

 笑っているけど本当は 泣いていたり

 うまくいっているように

 見えても本当は きしんでいたり

 紗絵子さんも 実はあんまり 幸せじゃなくて

 牢の中の お姫さまを助けだす役を
 
 俺ができるかもしれなかったり…

 するわけ ないか

 でも いいや。もうすぐ 顔を見て

 「おめでとう」が 言えるんだ』


紗絵子さんが寝ていると旦那さんが帰宅。

「紗絵子。 紗絵子!」

「うん?おかえりなさい。どうしたの?」

「何で明かり 消してんだよ?

 一人暮らしでも ないのに

 帰ってきて 家が 真っ暗とかあり得ないだろ!」

「電気代 もったいないじゃん。

 いつ 帰ってくるか分かんないんだから。」

「電気代とかお前が言うのちゃんちゃら おかしいわ。

 どうせ 俺が払ってんだろうが!」

「分かったよ。それじゃあ あしたからは

 明かり つけまくったまま寝ることにするよ。

 それで いいんでしょ?おやすみなさい。」

「何だよ? その態度!」

紗絵子さんがものにぶつかって怪我・・。

「あっ。」

誕生日にお店で紗絵子さんを待っている爽太。

「ありがとうございました。」

夜なのになかなか紗絵子さんが来ない。

「いらっしゃいませ。」

「はい。」

来たのは旦那さん。予約の紙を出し
それをみて驚く爽太。

「小動さんですよね?吉岡です。」

「ぱっと 浮かんだんだよね

 この人と 結婚して奥さんになってっていう 図が」


という紗絵子さんの言葉がうかぶ。

「その節は大変 お世話になりました。

 取材に 立ち会えなくて申し訳ありません。」


「旦那さんと 食べるんだ」


「あっ。 いえ。 こちらこそありがとうございました。」

「今日は 妻が 急用で来られなくなりまして。」

「あっ。 あの。 ケーキですよね。少々 お待ちください。」

「どうぞ。」

「すいません。 では。」

「あの。

紗絵子さんに。 あっ。奥さまに

 お誕生日 おめでとうございますとお伝えください。」

「はい。ありがとうございます。」

「フフッ。ありがとうございました。」

『これが 現実だ

 きっと 神様が教えてくれたんだ

 紗絵子さん。お誕生日 おめでとう

 あしたも 淡々と 働こう』



「爽太。今日は 思いっ切り 飲もう。
 
 僕 朝まで 付き合うよ。

 楽しく。 楽しくね。 フフフ。」

爽太の携帯にえれなからの留守電。

「午後 7時21分」

 「爽太君。どうしよう?倉科さんがいる。

  撮影のときに話が出てた バーがあって

 それで もしかしたらと思って来てみたんだけど

 ホントに 来てる。どうしよう?

 どうしようじゃないよね。

 次 会ったら 告白するって決めてたんだもん。

 だから 来たんだもん。行ってくるね。

 行ってくる。後で 結果 報告する」

『ええー? マジで? すげえ。何? この いきなりの展開』

「午後 7時57分」

泣いているえれな。

「爽太君 ちゃんと 言ったよ。

 でも…

 えっと…。ごめん。 また かけ直すね」

「メッセージは以上です」

えれなにすぐ電話してみました。

「ただ今 電話に出ることができません。

 ピーという 発信…」

『えれな。えれなは失恋したんだ』

すぐにえれなのところにいこうとする爽太。

「あっ。 薫子さん。」

「ああ。 爽太君 遅いよ。2人 もう お店に…。」

「ごめん。 先 行ってて。」

「えっ?」

「っていうか 俺 なしで 始めてて。

 俺 たぶん 行かれないと思う。」

「えっ? どうしたの?」

「ちょっとえれなんとこ 行ってくる。」

「何? それ。」

「さっき 留守電 入ってて。えれなが。」

「爽太君の お店の打ち上げなんだよ?

 それ ほっぽってセフレに 会いに行くわけ?

 爽太君 経営者なんだよ?

 みんな 毎日 爽太君のために頑張ってるのに。

 今日は その頑張りが 実ったことをお祝いする会でしょ?

 ただの 飲み会じゃないんだよ。分かってる?」

「うん。 分かってる。でも ごめんね。 えれなが。」

「全然 分かってないじゃん!何でよ?

 そんなに セフレに 会いたいの?

 発情期の犬みたい!

 爽太君が 選ぶのって尻軽な 雌犬女ばっかだよね?

 でも それに ほいほい乗っかってる 爽太君も

 同レベルで ろくでもないよ。ホントに あきれるわ!」

「俺のことを

 ろくでもないっていうのは

 別に 否定しないけど。

 何で そんなふうにえれなの悪口 言うの?

 薫子さんは

 えれなのこと何にも 知らないじゃん。

 えれなは 薫子さんのことを

 美人で てきぱきした人だって褒めてたよ。

 まつりのことも

 カワイイカワイイって 言ってたし。

 いつも 何かしら人のいいとこ 見つけて

 素直に 褒めるんだよ。

 俺は えれなのそういうとこ 好きだし。

 だから 一緒にいて

 幸せな気持ちに なれるんだと思う。

 紗絵子さんだって

  高校んときからそういう人だったよ。

 薫子さんは 何でいっつも 悪口ばっかなの?

 俺は女の悪口 言う女は 大っ嫌いだよ。」


「別に 爽太君に女として 好かれたいとか

 かけらも 思ってませんのでね。断固 お断りだし。」

「俺も 別に 薫子さんのことそんなふうに 見てないから

 心配しないでよ。

 とにかく 事情は またあらためて 説明するからさ。」

「いいよ 別に。聞きたくないし。

 みんなには 無難に説明しときますから。
 
 いってらっしゃい。」

「ごめん。」

えれなのもとへいく爽太。

『片思いって孤独でしょ?

 爽太君とだったらそういう気持ちも

 共有できる気がしたの。寂しくないなって思ったの』

紗絵子さんと旦那さん。

「ねえ? どうしても行かなきゃ駄目なの?」

「仕事なんだからしょうがないだろ。」

「今日 誕生日なのに。」

「誰か 呼べないのか?」

「嫌だよ。 こんな顔で誰とも 会いたくないよ。」

左の目とおでこにも包帯。

「大げさなんだよな。目の上 切ったぐらいで。」

「痕 残ったら どうしよう?」

「別に いいじゃん。

 もう 結婚してるんだし。」


「どういう意味?」

「俺は 気にしないって言ってんの。」

「私は 気にするよ?」

「何で?

 まだ モテたいとか 思ってんの?誰に?」


「はあ?」

走る爽太。

薫子さんにオリヴィエから電話。

「はい。」

「あっ。 薫子さん。今 どこ?」

「ごめん。 まだ 店。」

「どうしたの?爽太と ケンカした?」

「別に。 ケンカじゃないよ。

 ただ…。

 爽太君は私のことが 嫌いみたい。

 ハァー。

 私も自分のことは 好きじゃないよ。」


泣き出す薫子さん。

爽太の作ってくれたバースデーケーキをみつめ
電話する紗絵子さん。
でも留守電。

「ただ今 電話に出ることができません」

えれなのもとへ急ぐ爽太。




薫子さんがつらいな〜。
薫子さんだってかわいくできるもんなら
したいんだろうけど、そういうタイプではないし
かえって嫌われるようなことを言ってしまう
すごい不器用というかなんというか・・。

爽太とえれなはほんとにお似合いで
このまま普通につきあっても何の問題もない。
留守電をきいてすぐにかけつけようとするくらいに
大事に思ってる存在なのに。

紗絵子さんの旦那はいくら高収入で条件がよくても
いっしょに暮らすのは遠慮したい。
紗絵子さんもいつまで我慢できることやら。
はやくも怪我しちゃって先行き不安。






小動爽太 松本潤 
高橋紗絵子  石原さとみ 
井上薫子    水川あさみ 
加藤えれな   水原希子 
オリヴィエ・トレルイエ  溝端淳平 
小動まつり   有村架純 
関谷宏彰    加藤シゲアキ(NEWS) 
六道誠之助   佐藤隆太 
小動 誠  竹中直人






2014.02.11 Tuesday 09:09 | comments(0) | trackbacks(3) | 
<< ジャンプ11号感想 | main | ノラガミ 第6話 >>









失恋ショコラティエ #05
『切ない切ない切ない…』
| ぐ〜たらにっき | 2014/02/11 12:39 PM |
【失恋ショコラティエ】第5話 感想
俺のことをろくでもないっていうのは別に否定しないけど。 何でそんなふうにえれなの悪口言うの? 薫子さんはえれなのこと何にも知らないじゃん。 えれなは薫子さんのことを美人でてきぱきした人だって褒めてたよ。 まつりのこともカワイイカワイイって言ってたし
| ドラマ@見取り八段・実0段 | 2014/02/11 5:12 PM |
失恋ショコラティエ 第5話
爽太(松本潤)は、紗絵子(石原さとみ)の誕生日が近付くにつれ、彼女と過ごす記念日を妄想していました。 もうどこからが現実で、どこからが妄想なのか区別がつかないw 一方、紗絵子は夫・吉岡(真島秀和)に不満を抱えていました。 友達とランチなどしては
| ぷち丸くんの日常日記 | 2014/02/12 1:59 PM |